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Side楸
しおりを挟む楸は愛梨に告白をした。
OKをもらえなかったら、二度と愛梨の部屋に行けないかもしれないと恐れたが、誰にも愛梨をわたしたくはない。
出会いは幼稚園の頃だ。付き合いは長すぎるほど長い。
ずっと好きだった気持ちを、やっと口にできた。
二人は恋人になれた。
「みんなに内緒にしなくちゃ」
愛梨は恥ずかしそうに微笑んだが、みんなは知っている。
楸は皆に告白に行ってくると伝えて出かけた。
失敗したら、二度と一緒に歌えなくなるかもしれないと泣き言も口にしたが、薫と亮が背中を押してくれた。脅されたとも言える。
「楸が失敗したら、俺が告白に行く」
薫は堂々と楸に宣戦布告をした。
「いや、楸や薫にも負けないほど、俺も愛梨が好きだ。俺が告白に行く」
亮は薫を押しのけて、楸に宣戦布告をした。
楸は奪われてたまるかと、初めて焦った。
二人でメンバーの元に戻ったら、いつもはなかなか揃わなかったのに、ぴったりと揃った拍手で迎えられた。
「楸、話したの?」
「みんな知っている。この仲間の中で秘密はなしだ」
「楸って、リーダーらしくなったのね」
愛梨は嬉しそうに微笑んだ。
やはり愛梨の微笑みは天使のようだと楸は思った。
きっと薫と亮も同じ気持ちを抱いただろう。
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