完結【第7回ホラー・ミステリー小説大賞サスペンス応募作】宝石の行方

Mr.後困る

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ダイヤモンドとメイズ

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ルイ3世はラズ公爵の元に訪れた。

「と言う訳でマーズ王国との橋渡しをして貰いたい」
「・・・・・」

ラズ公爵は令嬢のリーゼが王子メイズと婚約している為
ラズ公爵はマーズ王国とコネクションがある
そしてマーズ王国にはダイヤモンド鉱山もある。

「1兆のダイヤモンドですか・・・」
「そうだ、 無茶を言っているのは百も承知だ」
「別に構いませんが・・・1兆ともなると調達が手間ですよ?」
「それは分かっている、 何とか出来ないか?」
「・・・あぁ、 勘違いなさっていますよ陛下
手間ですが調達は問題無く出来るでしょう
問題は手間にかかる手間賃です」
「手間賃?」
「輸送や警備にかかる金・・・それに関税もかかりますよ?」
「関税・・・輸入品にかかる税金か、 それは大丈夫だ、 此方で何とかする」
「いえ、 マーズ王国には輸出品にも関税がかかります
ダイヤモンドだと10%です」
「・・・それはマーズ王国が払うのか? 輸入する我が国が払うのか?」
「ルイ王国が払います、 手間賃含めて1兆2000億は越えます」
「な、 何とかならんのか? 教会に目をつけられるぞ? もっと配慮して貰いたい」
「・・・神前婚約ですか、 耳を疑いましたよ
しかし今回配慮を特に行うべきは血縁者の陛下かと」
「・・・分かった、 では頼んだぞ」





こうしてマーズ王国からダイヤモンドの調達は成った。
しかしマーズ王国はダイヤモンドの売買と引き換えに一つの要求を突き付けた。

「と言う訳でよろしくお願いします」
「ど、 どうも」

今回の誘拐事件において王子であるメイズを捜査陣に入れて置く事であった。
これは誘拐事件についての詳細を詳しく知る為の物である。
王宮に護衛と共にやって来たメイズは大臣達と軽く挨拶を交わした。

「しかしダイヤモンドを要求して来るとは・・・」
「妥当ではありませぬか? 1兆の金貨を持ってこいと言うのは無茶ですからな」

ロウがメイズに答える。

「いやいや、 問題は別ですよ
一体どうやって手に入れたダイヤモンドを換金するのか? と言う事ですよ」
「質屋に売れば良いのでは?」
「質屋にそんな大金があるのか疑問ですね
1兆Gのダイヤモンドなんて換金出来るとは思えません
少しずつ換金するしかない、 しかしそうすれば足が付く・・・」
「・・・思った以上に大規模な犯罪組織が関わっているのかもしれませんね」
「その犯罪組織の名は何処かの王国かもしれない」
「考えたくもないですね・・・」
「所で大臣、 アレは何です?」

メイズが指差した先には憔悴しきったカボン子爵と
離れた場所にカボン子爵の家臣団の姿があった。
家臣団は大揉めに揉めている。

「子爵はもうおしまいだからこれから如何するか話し合っているみたいですよ」
「では子爵は?」
「さぁ、 財産差し押さえが妥当でしょうが延命手段が無い訳でもない
国庫から金を借りるという手が有ります、 利子がかかりますが・・・」
「今死ぬか、 延々ともがき苦しむか、 ですか
5000億の返済となると確実に数世代はかかりますね」
「数十世代になるでしょうね」
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