更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

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チャプター11:フリー・ライド・ヘル・ライン

ウェイト・ライト・エメラルドタブレット

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再誕歴7702年ジュライ12日。

ヨーロッパ連合はスターダスト評議国政権与党
星派幹事長ペーパーとの会合により
スターダスト評議国の国民の避難を実施する事になった。

ヨーロッパ連合議長、 リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーは
『ヨーロッパ連合加盟国が危機的状況に陥っており
尚且つ助けを求めているのならば助けざるを得ない』と意思表明を行った。
だがそれは方便で有る事は少し考えれば分かる。

スターダスト評議国の優秀な人材と彼の国が投資で蓄えた技術を
ヨーロッパ連合に還元すると言う裏の狙いが有ったのだ。



「と、 これ位で良いですかね偽情報ディスインフォメーションは」

ヨーロッパ連合のベネルクス王国ブリュッセル出張所にて笑うリヒャルト。
その場にはベネルクス95世とペーパー、 特命省のダッチマン。
ダッチマンはペーパーの体中の入れ墨を複写していた。

「本当の狙いは古代の書物だとは誰も思わないでしょうね」
「そうでしょうねぇ、 一昔前は強力な魔導書を巡っての戦争も有りましたが
現在の魔法の凋落からすればそれは無い、 一般市民は誰も信じないでしょうね
まぁ国のトップはエメラルドタブレットの情報を知っていても可笑しく無いでしょうが
ではベネルクス95世陛下、 改めて確認しますが幹事長に書かれている
エメラルドタブレットの写しを私と貴女で共に得る、 と言う形で大丈夫ですね?」
「えぇ、 問題有りませんね、 しかし予想よりも少ない、 ですね」

ペーパーの体にはびっしりと文字らしき模様が刻まれている。
しかしながらエーテルの効率的な運用方法がこの程度で済むのかと拍子抜けした。

「物事は意外と単純に片が付く物ですよ」
「そうですかね・・・」

無駄口を叩きながらも待つ二人。

「複写に成功したら解読作業ですね」
「そうですねぇ、 ペーパー幹事長、 出来れば解読の記録も頂きたいのですが」
「解読は随分前に諦めている、 今まで数多の天才が挑んでも駄目だったのだ
これは人間が解読できる代物じゃないと諦めている
我が国が投資にフルコミットしたのも解読の為だと聞いている」
「解読の為?」
「そうだ、 機械により解読、 人工的な知能
さしずめ人工知能オート・インテリジェンスとでもしようか」
「中々にユニークな発想ですね」

くっくと笑うリヒャルト。

「しかしながら解読には甘く見積もってもかなりかかるだろう
交渉して貰っておいて何だがこれで良かったのか?」
「ペーパー幹事長、 私は別にエーテルの運用云々は如何でも良いのですよ」

きっぱり言い捨てるリヒャルト。

「問題はエメラルドタブレットがヨーロッパ連合の手に渡った、 と言う事です
幾ら秘密厳守、 機密厳守と言えども、 何処からか秘密は漏れる
エメラルドタブレットがヨーロッパ連合とベネルクス王国の手に渡ったと言う事実は
少し勘のいい諜報員ならば察知できるでしょう」
「・・・・・どういう事ですか?」

ベネルクス95世が問う。

「エメラルドタブレットがヨーロッパ連合の手に渡ったと言う事は
将来的にエーテル運用が効率的に行えると言う事
これはヨーロッパ連合外からは脅威に映るでしょう」
「・・・・・何を企んでいますか?」

やや空気が冷える。

「アメリカとは現状ヨーロッパ連合は良好な関係を結んでいます
しかしながらアメリカは現状勢力を拡大し続けています
アメリカによる平和パクス・アメリカーナ※1と言う名目で
他国への介入も始めています」


※1:アメリカ合衆国の覇権が形成する平和である。
即ちアメリカによる支配形成と言う事である。
因みにローマ帝国の全盛期を指すパクス・ロマーナに由来する。

イギリスによる平和パクス・ブリタニカ※2 に近しい物を感じます」


※2:イギリス帝国の覇権が形成する平和である。
一時期イギリス帝国が世界的な覇権国家となり世界の警察官の役割を果たした期間が有るので
死語と言っても良いのかもしれない。


「元はイギリス領ですからねアメリカは
我々はさしずめヨーロッパによる平和パクス・エウロパエアを目指しましょう」
「それでヨーロッパによる平和パクス・エウロパエアにエメラルドタブレットが
どの様に役に立つのですか?」
「我々はエメラルドタブレットを手に入れた事により仮想敵国は警戒し
ヨーロッパ連合非加盟国は震えるでしょうね
我々に参加する国も出るかもしれない」
「即ち脅しの道具と言う事ですか?」
「分かり易くて良いでしょう? もしや貴女は解読するつもりだったのですか?
今まで解読できていなかったのに? 貴女の国は解読出来ると?」
「まぁ、 やるだけやりますよ、 それに人も増えますからね」
「スターダストの国民ですか
使えない一般市民を引き取ってもらうのはありがたいのですが
どう扱うつもりで?」
「実は領民不足の領が有りまして
前々から移民の打診もありましたのでそこに送ります」
「なるほど、 適材適所ですね」

談話しながら彼等はエメラルドタブレットの複写を待った。
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