更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

スターターコンテンツ:【襲撃!!モーント・ズンディカーズ!!】

飯食う事しか能が無い男

止められた暴食グラトニー。

「お前・・・何者だ?」

暴食グラトニーは尋ねる。
食べまくって強化された自分の攻撃を止めた者は今まで居なかったのだ。

「暴漢に名乗る名などない」
「ふん・・・・・俺を止めるとはな」
「痴呆か?　止める事なんて造作も無い」

離れる暴食グラトニー。
倒れるジョンを受け止めてグレゴリオに渡すフェザー。

「随分と力自慢だな」
「いやいや、　今のは誰でも止められたよ」
「随分と舐めた口を聞いてくれるじゃないか」
「舐めてるのはお前だよ」
「寧ろ褒めてるんだが?　俺の攻撃を止められる奴はそうは居ない」
「だから舐めてるって言ってるんだよ」

暴食グラトニーは首を傾げる。

「ここに来る前に話は聞いた、　人肉をたらふく食べる事で
体を大きくして、　ウィルパワーを蓄える
理に適ってはいるが、　脳味噌に栄養が回ってはいない様だ」
「遠まわしに頭が悪いって言いたいのか?」
「直球に頭が悪いって言っている」
「ふん、　舐めてるつもりは無いんだがなぁ」
「寧ろ鈍いんだな、　普通気が付くと思うが」
「あん?　何の事だよ」
「・・・・・」

鼻で笑うフェザー。

「そろそろ二人も逃げた事だしやりますか」
「あん?」

時間を稼がれた?
まぁ良いか、　と暴食グラトニーは思い直した。
そして暴食グラトニーは地面にかがみ妙な体制を取った。

「・・・・・」

フェザーの顔から先程まで有った嘲りが消えた。
フェザーにはこの姿勢の意味が分かった。

暴食グラトニーが取った体制はクラウチングスタートである。
この時代にクラウチングスタートは存在しない。
しかしながら暴食グラトニーは医者ドクトルに頼み
素早く走れる体勢としてクラウチングスタートを開発して貰ったのだった。
例えるならば刀剣が当たり前の時代に突如として戦艦を開発するが如くの偉業。
人体を知り尽くした医者ドクトルは正に怪物と言って良いだろう。

「・・・・・」

フェザーに冷たい汗が流れる。
フェザーも培った観察眼でこの姿勢の脅威が見て取れた。
だが・・・・・

「チグハグだな、　体の使い方を熟知しているだろうに
ウィルパワーの扱いは学ばないのか?」
「分かんねぇもんにぐちぐち時間を割きたくはない」
「あ、　そう」

戦場でそんな事を言えば死に直結するだろうにとフェザーは再び嘲った。

「じゃあ来い」
「おう」

暴食グラトニーは全力でスタートした。
10秒の壁すら破壊する程の圧倒的スピードと質量。
直撃すればフェザーといえども・・・