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第32話【解体屋】
しおりを挟む後日、 工具箱を持った作業着の若い男が事務所にやって来た。
「どもども!! ハシモトさんにスイ君!!」
「パナさん、 ようこそ、 マスター、 こちら解体屋のパナさんです」
「どうも」
握手を求めるスター。
少し戸惑うパナ。
「うーん、 ちょっと汚れているからパスかな」
「汚れている?」
「アンタの手じゃない、 俺の手だ」
そう言って手を見せると確かに汚れている。
「幽霊とか呪いの解体だけじゃ食えなくてね
他にも機械整備とかやってんだ」
「そうでしたか・・・」
「まぁまぁ気にすんな」
汚れた手を握って握手するスター。
「漢気の有る人だねぇ、 気に入った、 それで呪われているのは何処の誰?」
「案内します」
カバンムの所に案内する一行。
「ふんふん、 素人の呪いだな、 三十分も有れば解体出来るよ」
「それは頼もしい、 よろしくお願いします」
「はいな」
工具箱からスパナやら何やらを取り出すパナ。
そしてカバンヌの周囲をカチャカチャする。
「これが解体ですか・・・」
「霊が見えない人には変に見えるかもでしょうが
私の眼には機械を解体している様に見えます」
「そうですか・・・」
「まあ普通の人には退屈に思えるだろうね」
パナが軽口を叩く。
その後静に物音がしている。
「コーヒーでも淹れましょうか?」
スターが沈黙に耐えられずに言う。
「悪いですね、 マスター」
「僕はコーヒー苦いからホットミルクで頼みます、 アリアリで」
「アリアリって・・・砂糖は分かりますがミルクにクリーム?」
「いや、 これが合うんだよ、 飲んでみな」
「いやぁ・・・私はナシナシで何か甘い物を摘まみたい派だから・・・」
「お茶請けにクッキーでも出しますよ」
「悪いですね、 マスター」
「あー、 俺には角砂糖5つ入れてくれ」
「5つ!?」
「それは入れ過ぎじゃないの?」
「いやだってコーヒーって苦いだろ? 好き好んで苦いの飲むって何?
全く持って意味不明なんだけど」
「コーヒー全否定か、 ん? この間貴方酔っていたじゃ無いか」
「カルーアミルクとかテキーラサンライズとか呑んでた」
「えー・・・」
そうこうしている内に解体作業は終わった。
「これで呪いは解けました
後は消耗した体力をゆっくり回復させれば元通りになりますよ」
「そうか、 じゃあ折角だし何か料理でも作るか、 オートミールでも・・・」
「それは料理と言うのか?」
――――――――――――――――――――――――――
【登場人物紹介】
パナ
解体屋
呪いの解体を行う整備工
他にも普通の機械整備等を行う
コーヒーには砂糖を大量に入れる派
お茶は甘く無きゃ意味が無いと思っている
しかし大好物は魚のわただったりする
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