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悪役令嬢の私がモテモテな件について
帝国大使との会談(カスタードside)
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カラメル王国の王都ブリュレのビア帝国大使館にて。
ビア帝国の皇太子達がやって来た事に対し話し合う為にやって来た
カスタードと王国騎士団長メイジ・アーモンド。
二人は貴賓室で待たされた。
「同席して貰ってすまないなメイジ」
「いえ、 陛下の為ならばこの程度如何と言う事は有りませんし
相手は老いているとはいえ歴戦の強者、 何をしてくるか分かりません」
「何、 心配するな問題は無い」
がちゃり、 と貴賓室のドアが開いた。
がちゃがちゃと大勢の鎧を着た騎士達が車椅子を押す。
車椅子に乗っているのはビア帝国の大使イソヴェ。
彼はフライが皇帝になる前から仕えている古株で過去に負った傷の影響で
左腕、 左足が損壊、 顔半分が焼け爛れている。
「お久しぶりですねカスタード陛下」
「お久しぶりですねイソヴェ殿、 今回、 私が来た理由はお分かりですか?」
「いいえ? 寧ろ急に来られて驚いていますよ、 どうかなされましたか?」
「先日ラビーを妻にする為
と言う目的の為にビア帝国の皇族5人が入国して来たのは御存じですか?」
「それは初耳ですね」
「初耳、 ですか?」
「えぇ、 一大使には知らせる問題では無いかと皇帝陛下が判断したのかと」
「・・・・・」
メイジをちらと見る。
「『本当に知らなかったのですか?』」
メイジが質問をする。
「はい」
「・・・・・」
頭を抱えるカスタード。
「どうかなされましたか?」
「いや・・・イソヴェ殿
何故ビア帝国の皇族がラビーを妻にしようとしているのですか?」
「あれ? 御存じない? 皇帝陛下がラビーを娶った者を後継にすると発表なさったのですよ」
「・・・・・」
「『その話は本当ですか?』」
「はい」
「信じ難い話ですね・・・
彼女の武功は聞いていましたがそこまで皇帝陛下が評価していたとは・・・」
「武功が無くても王子の婚約者と言う時点で評価は高いでしょう
何せ教育をしっかりやっているのですから」
「王妃教育の事ですか? 確かにしっかりやっていました」
「教育は大事ですからね、 しみじみ思いますよ」
懐かしそうに言うイソヴェ。
「皇族が何か問題を起こした場合、 対処は此方で行っても問題有りませんか?」
「私は皇族が来たと言う話を皇帝陛下から聞いていませんし
如何でも良いと思いますよ」
「なるほど、 5人の内1人は密入国したそうですが・・・」
「皇帝陛下は入国手続きもしない奴が殺されても文句は言わないと思いますよ」
「『後で何かしらの外交問題にするつもりでしょう?』」
「いいえ」
「・・・分かりました、 ではお暇します」
「お気をつけてお帰り下さい」
ビア帝国の皇太子達がやって来た事に対し話し合う為にやって来た
カスタードと王国騎士団長メイジ・アーモンド。
二人は貴賓室で待たされた。
「同席して貰ってすまないなメイジ」
「いえ、 陛下の為ならばこの程度如何と言う事は有りませんし
相手は老いているとはいえ歴戦の強者、 何をしてくるか分かりません」
「何、 心配するな問題は無い」
がちゃり、 と貴賓室のドアが開いた。
がちゃがちゃと大勢の鎧を着た騎士達が車椅子を押す。
車椅子に乗っているのはビア帝国の大使イソヴェ。
彼はフライが皇帝になる前から仕えている古株で過去に負った傷の影響で
左腕、 左足が損壊、 顔半分が焼け爛れている。
「お久しぶりですねカスタード陛下」
「お久しぶりですねイソヴェ殿、 今回、 私が来た理由はお分かりですか?」
「いいえ? 寧ろ急に来られて驚いていますよ、 どうかなされましたか?」
「先日ラビーを妻にする為
と言う目的の為にビア帝国の皇族5人が入国して来たのは御存じですか?」
「それは初耳ですね」
「初耳、 ですか?」
「えぇ、 一大使には知らせる問題では無いかと皇帝陛下が判断したのかと」
「・・・・・」
メイジをちらと見る。
「『本当に知らなかったのですか?』」
メイジが質問をする。
「はい」
「・・・・・」
頭を抱えるカスタード。
「どうかなされましたか?」
「いや・・・イソヴェ殿
何故ビア帝国の皇族がラビーを妻にしようとしているのですか?」
「あれ? 御存じない? 皇帝陛下がラビーを娶った者を後継にすると発表なさったのですよ」
「・・・・・」
「『その話は本当ですか?』」
「はい」
「信じ難い話ですね・・・
彼女の武功は聞いていましたがそこまで皇帝陛下が評価していたとは・・・」
「武功が無くても王子の婚約者と言う時点で評価は高いでしょう
何せ教育をしっかりやっているのですから」
「王妃教育の事ですか? 確かにしっかりやっていました」
「教育は大事ですからね、 しみじみ思いますよ」
懐かしそうに言うイソヴェ。
「皇族が何か問題を起こした場合、 対処は此方で行っても問題有りませんか?」
「私は皇族が来たと言う話を皇帝陛下から聞いていませんし
如何でも良いと思いますよ」
「なるほど、 5人の内1人は密入国したそうですが・・・」
「皇帝陛下は入国手続きもしない奴が殺されても文句は言わないと思いますよ」
「『後で何かしらの外交問題にするつもりでしょう?』」
「いいえ」
「・・・分かりました、 ではお暇します」
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