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悪役令嬢の私がモテモテな件について

悪い子へのおしおき(カスタードside)

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「御苦労だったなメイジ」
「いえ・・・」

大使館からプリン城へ戻る馬車の中で話すカスタードとメイジ。

「しかし君の魔法が無ければ信じられない話だったな」
「恐れ入ります」

メイジの固有魔法【カメレオンの悪夢】。
メイジが質問した事に対して
強制的且つ無意識に『はい』か『いいえ』で返答させる魔法である。
無意識の為、 嘘を吐く事が出来ず相手から情報を引き出す
尋問向けの魔法だが戦っている相手に不意打ちを狙っていないか?
誰か隠れているか?等の質問を投げかける事で予想外の事態を避ける事が出来る。
策を策として成立させなくする魔法であり
メイジと相対するのならば小手先の策は無効になる。

「しかし自分の子供を殺されても何も言わないと言うのは信じ難い
あの大使の勘違いでは無いのか? 君の魔法は嘘は吐けなくなるが
相手が勘違いしていれば間違う事も有るんだろう?」
「いえ陛下、 皇帝は恐らく気にしないでしょう」

カタカタと震えるメイジ。

「私がビア帝国に留学していた時の話ですが・・・
留学していた学院に通っていた第9皇女が婚約破棄をして
他の男性と婚約を結び直したんですよ
皇帝の了解を得ずに」
「ふむそれは皇帝には気の毒だな」
「皇帝は自分の了解を得ずに婚約破棄をした事に怒ったらしく
第9皇女と婚約を結んだ男性と第9皇女の取り巻きを
学院の全校生徒の前で・・・うぷ・・・」

吐き気を抑えるメイジ。

「・・・残忍、 という言葉すら生温い方法で・・・」
「もういい、 分かったメイジ・・・
第9皇女達は処刑されたんだな?」
「いえ・・・第9皇女は行方知れずになりました・・・
・・・ですが噂では悍ましい実験に使われているとか・・・
黒い噂が絶えません・・・そして・・・他の者達は処刑されていません」
「処刑されていない?」
「悍ましい方法で拷問されて・・・校門に放置されました・・・
呻き声や助けを求める声、 介錯すら求めて・・・
数日後に苦悶の表情で亡くなりました」
「・・・恐ろしいな・・・」
「皇帝曰く『勝手な事をするとどうなるか分かり易い教材』として
今も学園に死体が飾られています、 度々そう言う事が有って
今やその学園の校門に死体でアーチが出来ているとか・・・」
「背筋が凍るな・・・」
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