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冥府にGO!!

マヤ最大の狙い(巾木side)

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戦場の槍衾にも負けずとも劣らない巾木達とマヤの会談。

「私達と共に戦って頂きたい」

マヤの要求は共闘の誘いであった。

「戦うだと? 誰と?」
「帝位を簒奪したあの男と」
「40年以上前の戦争の結果にまだ納得していないのか」

巾木の辛辣且つ的を射た言葉。

「当たり前でしょう、 私達は負けてはならない
彼の理想とした国を作らなければならない」
「本当か?」

金鬼がツッコんだ。

「一応歴史の勉強とかしているから知っているぞ
アンタ達、 皇帝フライと密約を交わしてビア帝国を二分するとしていたじゃないか」

俗に言うリキュール園盟約の事である。
純白の真珠、 漆黒の尖晶両団体が協力してビア帝国を平定した後に
二分すると言う盟約をリキュール園と呼ばれた果樹園にて制定したのだ。
後にこの盟約は破棄され大帝国コロシアムでの激突に至った。

「新しい国の王の座を蹴ったのは何故だ?」
「あの男に国の半分も与える訳には行かないでしょう
禄でも無い事になるのは眼に見えて居る筈です
割れれた国であの男の奴隷となる国民が余りに哀れで・・・」
「奴隷と言っているが現在のビア帝国は殺伐としているが
そこまで悪い状況では無い、 皇帝フライは荒っぽいがそこまで糾弾される程の男では無いぞ」
「奴は狡猾です、 分からないように搾取の網を引き私服を肥やしています
我々が勝利すれば理想国家が生まれる筈でした
理性と正義に満ち、 人の罪が消えた清浄なる新しい国が」
「戦いを挑んだ結果、 半分どころか全部失っているじゃないか博打が過ぎる」
「そうだな・・・ビア帝国の軍事力は下がったがそれでも強大だ
君も強いがそれだけで勝てるとは思えない」

金鬼の言葉に巾木も便乗する。

「そもそもだ、 純白の真珠の残党の討伐が行われ
純白の真珠の子や孫が苦しんでいると言うのに
君はそれを放置している、 何故助けに行かないんだ?
戦力が欲しいのならば彼等を回収すれば良い」
「戦力になりませんよ、 それに雑兵は亜人達を確保しています
中核となりえる優秀な者達が必要なのです」
「一緒に戦っていた仲間じゃn「いや!!」

巾木の言葉を遮るマヤ。

「私の最大の狙いはラビー・ストロングです
貴方達が私と共に戦いたくないと言うのならばそれも結構
ただ彼女を大使館から連れ出して私の所に連れ出して頂きたい」
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