【更新休止】婚約破棄された令嬢の激辛料理経営禄

冥府にGO!!

初邂逅(マヤside)

混乱しながらもマヤは成長していった。
そして自分がビア帝国に転生した事を気が付いた。
しかも暦からすると丁度【スカルエンパイア】の時代である。

若しかしたら白のフライに会えるかもしれない。
そう期待して必死になって勉強に励んだ。
幸いにもマヤには魔法の才能が有った。
平民の生まれだったが身分を無視するには惜しい力を身に着けた。
そして転生してから15年の頃にビア帝国第11騎士団【戦塵騎馬隊】に入団したのだった。
この騎士団は下積み時代の白のフライが居るのだ。
偶然を装ってフライと出会ったマヤは涙を流したのだった。

当然ながらフライは困惑した。
マヤは過去に救われた事を話した。
フライはマヤの事は知らないと答えた。
フライは記憶力が良いのは知っていたので
『貴方の事を知って希望を得た』とマヤは答えた。

初対面こそギクシャクしたが何とか仲良くなり共に行動する事になった。
そして互いに能力を高め合った、　このままだと黒のフライに殺されてしまうのだ。
何としてでも阻止しなければならない、　マヤは心に誓った。

新設された騎士団の団長にフライが就任しマヤも共に騎士団に入団したのだった。
入団の際に黒のフライのスパイのマルガを難癖付けて追い出したり等の工作も行った。
その後、　騎士団団長が学歴が無いのは問題だと帝国学園に入学した。
付き添いとしてマヤ、　スカイ、　そしてシアンの4人も入学したのだった。

マヤは胸が高鳴った。
入学直後にあのイベントが来るのだ。
白のフライと黒のフライの初邂逅のイベントが。
緊張しながら二人の出会いを見守るマヤ。

「どうも、　フライ・ニンフ団長
私は第十三憲兵団団長のフライ・スピットです、　以後よろしくお願いします」

マヤは混乱した。
台詞が違う。
黒のフライはこんな台詞を言わない。
ここでの台詞は白のフライに対しての挑発の筈だ。
何回も周回プレイしたので台詞は空で言える。
ちょっと待て、　知らない奴が当然の様にフライの傍に侍っている。
黒のフライと共に一緒に入学するのは黒のフライの腹心のウィドゥだけの筈。
それなのにもう一人来ている、　これは一体・・・。

「どうも、　フライ・ニンフ団長
私は第十三憲兵団参謀のノストラダムスです」

誰だこの女?
マヤはこの上なく混乱したのだった。