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冥府にGO!!

オレ(マヤside)

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ビア帝国ワイン園。
高級ワイン園として名を馳せ、 皇室御用達の名誉を得ていたのだが
黒のフライにワインの年数偽造を暴露され名声は地に堕ち
黒のフライが買い叩いた、 白黒双方のフライはここで会談を行い
内乱時の協調体制を整えたのだった。

当然ながら会談時は両陣営の者達が大勢集まっていた。
その中には幹部クラスの者もちらほら混ざっていた。
ノストラダムスと接触するのは比較的容易い事だった。
ワイン園の端でノストラダムスと相対したマヤ。

「アンタは・・・騎士団のマヤか、 何の用だ?」

漆黒の尖晶に所属していた若き日のイソヴェがノストラダムスを護衛していた。

「ノストラダムスさんと御話がしたいの、 ご遠慮して下さる?」
「姐さんに何か有ったらボスにぶち殺されるから駄目だ」
「その通り、 どうせ大した事じゃないでしょう?
こんなオフレコの場で話すのですから、 どうぞ仰ってください」

ノストラダムスは話を促した。

「率直に言う、 アンタ転生者でしょ」
「うん」

あっさりと肯定するノストラダムス。

「・・・・・随分とあっさり肯定するのね」
「隠して無いからな」
「だな、 割とこういう人は多いぞ」

イソヴェの反応からどうやら自分が転生者である事を本当に隠していない様だった。

「アンタ、 色々やらかしている様だけど何のつもり?」
「何の話?」
「恍けないで、 ニンフ家の没落や半魚人共の侵攻
こんなイベントは無かった筈よ」
「確かに無かった、 だがしかしオレの仕業じゃない」
「・・・オレ?」

一人称単数が切り替わった事に違和感を感じるマヤ。

「これでも前世は男だったからな、 普段は取り繕っているが
コッチの方が楽で良い」
「あ、 そう、 だけどアンタの仕業じゃないとすると誰の仕業よ」
「知らん、 だがな、 お前は一つ勘違いをしている」
「勘違い?」
「あぁ、 この世界において転生者は左程珍しい存在じゃない」

ノストラダムスの物言いに黙るマヤ。

「・・・・・どういう事?」
「現にこの国に二人も居るじゃないか
ならば他の国、 いやこの国にも大勢居る可能性が高い」
「話が飛躍し過ぎじゃない? 普通こういう転生とかって
転生しても一人二人でしょ?」
「この状況は普通じゃない、 そもそも転生なんて意味不明な事態に
理屈だのお約束だの通じる訳ないだろうが」
「・・・一旦置いておこうか、 じゃあアンタの目的は何?」
「目的ねぇ・・・」

遠い目をするノストラダムスだった。
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