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冥府にGO!!

敗北(マヤside)

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まさに地獄絵図だった。
一方的な殺戮と言って良いだろう。
次々と倒されていく純白の真珠のメンバー。
黒のフライだけでも厄介なのに漆黒の尖晶の構成員迄出張って来ている。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

白のフライは善戦した。
大帝国コロシアムでの漆黒の尖晶戦没者の大半は彼が仕留めた。
だがしかし、 流石に押され始めて来た。

「くっ残りは!?」

スカイが叫ぶ。

「ガリヴァーがやられた!!」
「バリとアルフレッドも・・・!!」
「ボルクスさんが息をしていない!!」
「コロイ!! コロイ!! しっかりしろ!!」
「こっちは全滅だ!!」
「残りは50人も居ない!!」
「・・・マヤ!! 団長と副団長と参謀殿を連れて逃げろ!!」

実質的な№3のオイル・フライヤーが叫ぶ。

「何を言って!!」
「このままじゃ全滅する!! 逃げて希望を繋げ!!
マヤの魔法ならば逃げ切れる!!」
「・・・【未確認飛行物体】!!」

マヤの身体を光球が包んだ、 そしてその光球は高速移動し
スカイとシアン、 そして白のフライを確保して飛んで行った。

「・・・マヤ!! 直ぐに降ろせ!!」

光球の中で白のフライが叫ぶ。

「今のままじゃ勝てない!! それは貴方も分かるでしょう」
「だがしかし!!」
「ここは一旦力を蓄えて・・・」

ぐらっ、 と光球の中は揺れた。

「!?」
「なんだ!? 外の様子はどうなっている!?」
「・・・・・」

マヤは外の状況を把握した。

「うそ・・・黒のフライがこの上に立っている」
「・・・・・」

白のフライは眼を閉じた。
1秒の油断も許さない男が2秒も目を閉じた。
そして立ち上がった、 無理矢理光球の中から飛び出した白のフライ。

「まっ」

マヤは手を伸ばした、 しかし最早自分達にはどうしようもない事を知っていた。

「・・・マヤ、 急いで逃げて」
「シアン!!」
「私が予測するまでもない!! もう無理よ!!」
「っ・・・」
「マヤ、 飛ばして」

目から握った拳から、 食いしばった歯から血が溢れるスカイ。

「スカイ・・・」
「この恨みは何時か必ず兆倍にして返してやる・・・」

そしてマヤ達は逃げた、 シアンの【ラプラスの悪魔】の予測により
【冥府の門】に逃げ込み潜伏した、 自らの人生の大半を奈落の底で過ごしたのだった。
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