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冥府にGO!!

閑話 冥府の門グルメ【安くて固くて薄いステーキ】

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肉は柔らかくサシが綺麗な物が旨い。
ラビー、 いや前世の三島はずっとそう思って来たし
ラビーになった現代もそう思っていた。
しかしながらまさかこんな所でブレイクスルーが起こるとは思っていなかった。

「固い・・・」

ラビーは大使館の食堂で食事をとっていた。
外に食べに行きたがったが流石に出歩くのは問題である。
偶に料理もさせて貰っていたが、 基本的には作って貰った物を食べていた。
冥府の門はあまり良い食材が無いと思っていたがきのこ類は充実していた。
日の光が届かなくても旨い物は作れるのだと実感した。
当然きのこを食べると肉も食べたくなる、 きのこと肉の脂は融和性が格段に高い。
ジビエ肉の脂で作ったグレイビーソースときのことジビエステーキは絶品だった。

色々食べる内に大使館の食堂のコックとも仲良くなり
おススメされたのがシンプルなステーキ。
大使館職員も食べるし何だったら普通に冥府の門の住民も食べる地元の味である。
安くて固くて薄いステーキ肉に味付けを施して焼いた一品である、

そして冒頭のラビーの反応に写る。

「固い・・・けども美味しい」

柔らかな和牛の様な感触では無く安い牛肉の固い感触。
だが固過ぎず、 寧ろその歯ごたえが癖になる味だった。
『レアなんぞ知らね』を言わんばかりのウェルダンはまさしく力強い噛み応えだった。
柔らかさを旨さと考えていたラビーの精神にブレイクスルーを齎した。

「私もまだまだね・・・」

自嘲するラビーだったがそれとは別の感情も溢れ出る。

「お米と食べられたらなぁ・・・」

冥府の門では基本的にパン食である。
それがとても歯痒い。
普段なら耐えられる、 しかしながらこのステーキは味が濃い。
御飯をがっーとかきこみたくなる味である。

「これサービスのガーリックトーストでーす」

仲良くなった亜人のコックがサービスにガーリックトーストを持って来てくれた。
口臭が死ぬが旨い物を食べられるのなら些細な事である。
後で歯を磨けば良いし。

「合うわー」

ステーキについていたポテトフライ、 ガーリックトースト。
勿論ステーキ、 白米には及ばないが冥府の門の最強コンボである。
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