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冥府にGO!!

閑話 聖女会議②

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「気になる、 実に気になるねぇ」

聖女第四席ルシファーが首を突っ込んで来る。

「戯れにアイツをバラバラにした事が何度も有るが
その度に生き返るアイツを如何やって殺したのかとても気になるねぇ
右手が疼くねぇ」

聖痕で怪我している右手をさすりながらルシファーは言った。

「アタクシも気になります」

聖女第五席フルーレティが唇の聖痕から流れる血をハンカチで拭きながら言う。

「ひぃ・・・姐さん達首を突っ込むのは危ないよぉ・・・」

おどおどしながら聖痕で消失した指の先にある手の甲を齧りながら
聖女第六席バティンが怖がる。

「別に私が神から与えられた力を持ってすれば容易い」
「そうか」
「なるほど」
「答えるんですね・・・」

首席の答えに納得した三人は黙る。

「それで首席殿、 本日は何の会議で?」

メタトロンが尋ねる。

「アスパルがサンライズと共にこの国を脱出しようとしているらしい」
「十一席を犠牲にしたんだ、 当然妨害するよな?」
「無論、 とは言え脱出の妨害だけでは不足だ
丁度十一席の椅子が空いているからそれをやろうと思う」
「正直、 あの小娘が我々と同じ席に着くのは納得がいきませんがねぇ」
「アタクシもそう思います」
「当然ながら納得出来る理由付けもしておくとするよ
アスパルの件はとりあえず置いておくとして
ビア帝国に潜り込ませているスパイから変な情報が入って来た」
「変な情報?」
「ウィノが帝国の姫を救った上にマヤを始末したらしい」
「あのマヤを倒したと? 疑わしいなぁ」
「アタクシもそう思います!!」
「私もそう思う」

ルシファーとフルーレティの言葉に同意する首席。

「ルシファーとフルーレティでも捕まえる所か殺せなかったマヤが
ウィノ如きに倒せるはずが無いのは明白
何らかのブラフの可能性が高いと見た」
「こちらは如何動きます?」
「別に、 マヤとはコンタクトを取っていたのは非公式の話
法国でアクションを取る必要は無い」
「なるほど、 教皇猊下は何と?」
「あの爺さんも同様、 ただの置物だ、 警戒する必要も無い」
「了解しました」
「では会議はここまで、 メタトロン」
「はい」

首席が立ち上がってその場から去る。
メタトロンが追従する。

「・・・・・ハッ、 相も変わらずあの二人は裏でこそこそやるつもりか
馬鹿らしい、 そうは思いません第二席?」
「黙れルシファー、 お前の能力は私の劣化に等しい
貴様が私に声をかけられる立場にはない、 殺すぞ」
「おー怖、 じゃあ殺されない内に退散としますか」

ルシファーも立ち去った、 次第もぽつりぽつりと人が去り
部屋には誰も残らなかった。
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