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大波乱!?料理対決!!

大切な目線

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【フェスティバル】の会場にやって来た【博物館付属食堂】シェフ。

「ふむ・・・」

【フェスティバル】の会場は高台にある広場、 風が吹いているが心地よい風である。
気候も穏やか、 観光には丁度良い場所である。
のんびりピクニックをしたくなる。

「だが祭りだ」

祭りの熱気には気候が拮抗出来るとは思わない。
気候や環境によるバフはかからないと想定した方が良い。

「さて・・・如何するべきか・・・」

シェフは悩んでいた。
カツカレー、 竜田揚げ、 そしてベビーカステラ。
ベビーカステラのみが甘いスイーツ枠である。
ならばベビーカステラで一枠埋まる、 実質的にかなり有利である。
だがここで問題が発生する。

「飲み物、 だよな」

もしも対戦相手ラビーと【ダイナー・ファニーズ】料理人
この飲み物にシェイクやスムージーをいれたらどうなるだろうか?
即座に甘味の牙城は崩れ去るだろう。

「珈琲か・・・」

此方も飲み物枠に珈琲を入れる事で
珈琲とベビーカステラで相性を狙いに行く。
これも有るだろうが難しい問題が発生する。
珈琲を100人単位で用意するのは実質的に不可能である。
勿論、 用意する事は可能である。
だがしかしその場合は作り置きしなければならない。
置いた珈琲なんて飲みたくも無い、 作る価値も無い。
シェフはそう思っている。

「・・・・・」

だがしかし珈琲無しで勝てるのか?
明らかに無茶である。

「出来立ての珈琲を提供できない以上、 珈琲は・・・」

ここまで考えてハッ、 とするシェフ。

「そうだ、 そうだよ、 何を考えていたんだ私は・・・」

シェフは自分を恥じた。
勝つ事に固執して肝心な事・・・・を忘れていたのである。

「迂闊だった・・・気がついて良かったよ・・・準備するしか無いな」

そう言ってシェフは大会のスタッフに注文を発注したのだった。

「飲み物は・・・え? これですか?」

確認用の書類を見たスタッフは困惑した。

てっきり珈琲かと思っていたのに・・・・・・・・・・・・・・・
「私もそう思っていたがそう言う訳にもいかなくなったんだよ」
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