執着もの短編集

円みやび

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運命じゃない君が運命らしい

中編

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【中編】


車に乗ると秋斗の膝の上に乗せられた。
「触ってよぅ、」
秋斗の手をとり、張り詰めてダラダラと我慢汁を溢す自分のものに持っていくが触ってくれない。
何で触ってくれないんだと上を見るとこちらをジッと見てくる秋斗と目があった。
その目に囚われたように動けなくなっていると両手がそっと頬にかかり秋斗の顔が近づいてくる。
チュ、と軽いリップ音を鳴らしてすぐに離れてしまい物足りない。
もっとしたくて顔を近づけようにも頬の手が邪魔して近づけない。

「もっと、して」
その僕の言葉を待っていたかのようにフッと笑ったあと何度も軽いキスをしてくれる。
でも今の僕はそんな軽いものじゃ足りない。

何度かした後ジッとこちらを見てくる男も分かっているはずなのに僕が望んだことを声に出さないとしてくれない。
これから起こることは僕の意思なのだ理解させるように。
「もっと、」
「何をして欲しいの?言ってくれないと分かんないなぁ」
意地悪だ。
それなら自分からしてやる、と顔を近づけようとすると頬にあった手に力が加えられ動けない。
どうしても凛に言わせたいらしい。

「気持ちよく、して。もっと触って舐め、んっ」
さっきまでのキスとは違う凛の全部を食べるようなそのキスはめちゃくちゃ気持ちが良い。
今まで付き合った人ともその場限りの人ともキスをしてきたけど全然違う。

全然足りないのに口が離されてしまいそれを追いかけるように口を開け舌を出すと顎を掴まれて少しだけ顔を離したところから秋斗の唾液が落ちてくる。
「全部飲んで。こぼしちゃダメだよ」
その言葉に忠実に溢さないように気をつけて飲み込んでいく。
「いい子だね」
出していた舌を絡みとられてまた深いキスがはじまる。

「着いたよ」
第三者の声がするが与えられる快感に夢中で聞こえない。
秋斗が離れようとするもそれを許さないと首に回していた手に力を込めるとキスをしながら秋斗が笑ったのがわかった。

ぐいと引っ張られ離れてしまいたった何十センチか空いた距離がもどかしくて寂しく感じてしまう。
「ベッドの上で沢山してあげるから、ね?」
じゃあせめても、と秋斗に抱きついてその匂いを堪能する。

ドアを開けてくれて秋斗が凛を抱えたまま外に出る。
「一週間後に迎えに来る。飯は届けさせるか?」
「いやいいよ。凛の可愛い声聞かれたら殺しちゃいそうだし」
「怖い怖い。じゃあな、何かあったら連絡しろ。ピルも一応置いてある」
「いらないよ」
ピルってなんだっけ。
それより早くベッドに行きたい。
ベッドにいったらいっぱいしてくれるって言ったんだ。
「はやくっ、きもちいいの、したい」
秋斗がクスクス笑いながらそうだね、いっぱいしようねって耳元でしゃべる。
その声だけでイッちゃいそうなくらい色っぽい。

秋斗に抱き抱えられてフロントを通る。
一等地にあるマンションのコンシェルジュは流石と言うべきかデロデロのΩを抱き抱えて歩いていてもいつも通り「お帰りなさいませ」と頭を下げるだけだ。

ベッドまで我慢してって言われたけど我慢出来なくてエレベーターの中で二人きりになるとすぐに秋斗に自分からキスをする。
口を開けて欲しくて秋斗の唇を舐めるのに秋斗は開けてくれない。
「なんでっ、」
早く欲しくて子供のように泣きながら秋斗の背中を殴りつける。
「ふふっ、ベッドまで我慢って言ったでしょう?」

ポーンとエレベーターがついた音がして降りた先にドアは一つしかない。
それをわざとゆっくり開ける秋斗。
「さぁ、着いたよ。ここがこれから凛が住むところ」
自分が住む場所を会ったばかりの人に決められることにおかしいとも思わず素直に頷いていた。
発情期で自我がはっきりしていないからか、それとも秋斗の雰囲気がそうさせるのか。

少し歩いた後、ベッドの上にそっと降ろされる。
やっと、ベッドだ!
これでいっぱい気持ちいいことがして貰えると期待からか凛の甘い匂いが強くなる。
「はやくぅ、して」

自分でズボンを脱ぎ、ドロドロと愛液を垂れ流すそこを拡げる。
「ふふっ、可愛い。可愛すぎるよ。でも秋斗って呼んでくれなきゃしてあげない」
名前を呼んだくらいで待ち望んでいる快感が貰えるのなら何でもいいとすぐさま口を開いてその名を呼ぶ。
「あきとっ、あきと!はやく、あきと、触って」
「ああっ、可愛い。どうしよう。可愛すぎる」

秋斗の長い指が穴の周りを撫でた後、ゆっくり中に入ってくる。
ドロドロになったそこは二本の指を簡単に飲み込んでもっともっと奥にと収縮する。

「んんんっ、はっあ!あっ」
やっときた快感に身体を仰け反らせて喜ぶ。
凛のいいところを早々に見つけた秋斗はそこを執拗に責め立てる。
「あっ、もう、イッく」
精液が勢いよく吹き出す。
秋斗は凛の顔にまで飛んだそれを凛を責め立てている手と逆の手で拭うと自分の口に持っていき味わいながら舐めとる。


ツンと限界まで経っている乳首を口に含み歯を立て優しく噛んだり舐めたりされてもう一つの乳首は指で摘み転がされる。
「はぁっ、」
後ろの穴も乳首も弄られて凛はもう訳がわからずただその快感に酔いしれる。

「あっー、もっと焦らしたいところだけど今は無理。俺が限界。もういいよね?」
凛のものと同じものだと思えないほどグロいそれを穴に擦り付けられる。
やっと、貰えると穴を収縮させるがなかなか入れてくれない。
「凛は俺のものだよね?番になるよね?」
番?番にしてくれるの?
番になるって僕を愛してくれるってことだよね?
「して、秋斗のつがいにしてっ」
早く欲しくて何度も必死で頷くと秋斗が満足そうに笑った気がした。
その途端、身体が許容できる以上の快感が凛を襲い、目の前が真っ白になる。

「ああああ!!!!!」
喘ぎ声というより叫び声のような声が上がった後、凛は意識を飛ばした。
「はっーー、凛の中だ」
一気に奥まで入れてそこを堪能するようにゆっくり腰をゆする。
ああ、と意識が戻らず空いた口からは唾液を垂れ流している凛。
真っ黒なサラサラの髪の毛を撫でる。

凛の顔中にキスをし、空いている口に舌を入れる。
深く、息をする隙間もないようなキスをしていると酸欠の苦しさから凛の意識が戻った。
意識がない凛を抱くのもいいけどやっぱ初めては起きててもらいたい。

「動くよ」
ゆっくり引き抜き一気に奥までねじ込む。
たったそれだけで凛のものからは精液がふき出し、身体は痙攣する。
自分が凛の身体を操っているかのような錯覚。
最高だ。
「んんっ、はぁっ、きもちいっ、」
秋斗の抜き差しに合わせて無意識に穴を収縮させる。
さっき見つけた凛のいいところを容赦なくせめたてると中が絡みついてくる。
気持ちいい。
早く、凛を自分のものにしてしまおう。
一度αの精液が体内に入れば理性が少し戻ってしまうだろう。
その前に頸を噛んで逃げられないようにする。

凛の中から一旦抜き、四つん這いにさせる。
「噛んじゃうよ?いいよね?」
中に入れたまま後ろから抱きつき凛の耳元で囁く。
「噛んでっ、」
凛は秋斗だから噛んでと頼んでるわけじゃない。
これが何処かのαだとしても頼んでいるはずだ。
それがΩの発情期なのだから。
でも番にさえなればαからしか解除できないのだから秋斗から凛は逃げられない。
サイドテーブルにあった鍵をとり凛の首に巻かれていた首輪を開ける。

凛は知らない。
この首輪を作らせたのは秋斗なのだと。

首輪が外れ無防備になった頸を舐めると凛の身体が喜びに震える。
その反応に笑みが漏れて頸の周りに吸い付く。

いよいよだと腰の動きを早くすると精液が上ってくる。
凛の頸に歯を立て中に注ぎ込むと同時に思いっきり噛み付いた。
「ああああっ、!!!」
凛の全身に電流のようなものが走り目の前がチカチカする。
頸にある歯形の血の後、そして凛の一番奥に注ぎ込まれる秋斗の精液。

「はぁっ、」
今までずっと満たされてなかった秋斗の心の何かが今半分くらい満たされたような気がする。
後の半分は凛の心も手に入れたときだろうか。

「いっ、ぱいでてる……」
αの長い射精をしながら凛を抱きしめていると凛が自分のお腹に手を当て撫でる。
それは赤ちゃんがお腹にいるときにする仕草みたいで秋斗の心を刺激する。
この発情期の間に番にするだけでなく子供が出来るほど中に出すつもりだ。
ただでさえ出来やすい発情期に出し続ければ嫌でも出来るだろう。
捕まえておく鎖は一つでも多い方がいい。
お腹を撫でている凛の手の上に手を重ねギュと握る。

「あき、と?」
「ん?どうしたの?」
今日は色々あって疲れているのか体内にαの精液が入り発情期が少し落ちついて眠くなってきた。
寝てしまおう。
そうしたらなにも考えなくてすむ。
やっと見つけた運命の番に捨てられたことも。
知らない人の番になったことも。
この自分を大事そうに抱きしめてくる男の正体も。
できることなら目覚めたらときには全部夢になってればいい。




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