離別から始まるシェフと勇者の物語【旧:異世界転移してきた勇者にパーティを追放されたのでシェフになります】

名無し@無名

文字の大きさ
2 / 56

招かざる勇者

 
 ▪️来訪者

 ーーーー数日前。

「おお! 素晴らしい、あの方が救世主か!!」
「なんだあの変な服、それに……凄い剣をもってるぞ!?」
「神託通りの見た目、じゃあやはり」

 集まった人々は口々に驚きと歓喜の声を上げた。その声の中心に居たのは一人の青年であるが、彼はただ眠そうな表情を浮かべ、つまらなそうに呟いた。

「なんだぁ……ここが言われてた世界?」

 街の中央に位置する大きな広場。
 差し当たって珍しい場所でも無い此処で、ここまで大きな人集りが出来るのは異例だった。
 高台の上に現れた少年は見た事も無い服に身を包み、鞘から柄までが純白な剣を肩に担ぎ、辺りをキョロキョロしている。
 街の人は口々に「勇者様が降臨された」と嬉々とした声を上げていたが、そんな彼の来訪を喜ぶ人間ばかりでは無かった。

「うわぁ……見てよオルクス。あれが『信託』で言っていた勇者様かな? 見た所、私達と同じ位の歳だよ、凄いね」

 人混みの中でひとりの少女が長い薄桃色の髪をなびかせながら興奮気味に零す。しかしそれに反して、隣の青年ーーーーオルクスは抑揚の欠いた声で静かに答えた。

「勇者か……あの『信託』とやらはホンモノだったんだな」

 オルクスは腰元の剣の鞘にそっと手を置く。そして勇者の持つ剣と見比べて、緩やかに込み上げる感情を確かなものにすると、苦笑しながらもグッと自らの内に押し込めた。
 勇者だと? 馬鹿馬鹿しい。

「あ、あれ!? 見ていかないのオルクス?」

 少女の言葉を背中で聞いたオルクスは立ち止まり、切長の目を伏せつつ鼻で笑った。

「俺はあんな怪しい奴に興味がない。それより依頼も溜まってるだろ? ギルドに行って仕事だ。世界平和はせいぜい『勇者サマ』にでもお願いして、俺達は身の丈にあった仕事をするだけだ」
「あれ? もしかしてなにか怒ってるの? ちょっと、オルクス! 待ってよ私も行くからー!」

 二人は踵を返して広場を後にした。
 実にくだらない、唐突に訪れた非日常。

 魔王が現れ、それに合わせて勇者が誕生する。
 これは繰り返される歴史の中で必ず起こる、まさに予定調和とも言える『必然』だった。現に魔王の存在がまことしやかに囁かれだしたのは事実だ、魔物も活性化している。

(しかし、妙だな)

 オルクスの中で違和感は勇者の方だった。
 神から降ろされる『信託』。それは神官達に伝えられたのだが『彼の地より勇者を招来させる』という曖昧なものだった。『彼の地』が何処かは分からないが、おおかた遠い大陸か何処かだろうとオルクスは納得していた。
 しかしあの格好はなんだ? いくら他国にしても異質過ぎる風貌じゃないか。

「気に入らない……か」

 オルクスは自分の腹の奥で燻る感情が何なのか、程なくして理解した。
 『努力で培った能力』と『与えられただけの力』という、相反するものへの憤りだ。
 少し観察すれば解る、あの勇者の剣の扱い方。剣に携わる者のでは無いのは間違いなく、それ以下だ。乱雑に肩に担ぐ様子ひとつで底が知れる。
 幼い頃から剣に触れ、数多くの依頼をこなし、そして剣技を学んできたオルクスにとって面白くない話だ。
 ギルドで最高ランクに位置する『S級』。
 血を吐く様な努力の末に、オルクスは19歳にしてその地位に辿り着いた。それは異例だと周りから賞賛もされた。それがオルクスのアイデンティティであり、剣を握り続ける原動力にもなっている。
 しかし、ポッと出の勇者の所為でその肩書きは一気に霞んでしまう。そう、これは只の何てことは無いただの妬(ねた)みだ。
 自らの器の小ささに笑いが込み上げるが、それを見た桃色の髪の少女ーーーーミリアは困った様な声を投げてきた。

「あ、あの、オルクス? 怒ったり笑ったり、何か怖いんだけど?」
「気にするなミリア、俺ももう気にしない事にした。とりあえず今日も『S級』の依頼を受けるぞ」
「!? ……がってんだよ!」

 幼馴染にして良きパートナーであるミリアは、いつもの雰囲気に戻ったオルクスを見て興奮気味に返事をする。
 僧侶職にしては些かアクティブな性格をしているが、剣を扱うオルクスにとっては無くてはならない大切なパートナーである。パートナーであり、共に育った家族であり、オルクスが心を許せる数少ない存在である。
 馬鹿らしい、勇者が何だというのだ。
 確かな研鑽を積み重ね、手に入れた現在の力と地位。
 傍にいるミリアと共に高め合う日々があれば充分だーーーーと、オルクスは静かにひとりごち、踵を返した。


 ◆


「いらっしゃいませー……って、オルクスとミリアちゃんじゃない。お帰りなさい、勇者さま見物も終わったの?」

 ギルド内によく通る声が響く。その主は受付越しに二人を確認すると目を細めた。ギルドの制服に身を包んだ女性はニコリと笑いながら歩み寄ると、仏頂面のオルクスの頬を突いた。

「どうせオルクスは“興味がない”って突っぱねたでしょ」
「ロロアさん正解」
「ふん」

 彼女の名は『ロロア・マロール』。
 このギルドの受付嬢であると同時に、オルクス達に世話を焼いてくれる女性である。
 元々オルクスとミリアは孤児院出身であり、冒険者登録する前から今に至るまで、弟と妹のように目をかけてくれていた。
 今では住み込みの専属冒険者である。

「ロロアさん、とりあえず『S級』の依頼書を見せてくれ」

 オルクスの言葉にロロアは苦笑した。

「とりあえずで『S級』なんて相変わらず頼もしい事ね。まぁ、そんな事言えるのは貴方達位のものよ」
「あ、その前に私はスキルを覚えておきたいな! スキルポイントが溜まったから新しい魔法にしようと思って。今回は溜まるのに半年も掛かったよ」

 ミリアは自らの目の前に手をかざすと、姿見程の大きさの半透明のボードを具現化させた。
 上部には『32』と値が記されており、ミリアはその値を横になぞる様に指を滑らせる。全ての数値が消滅すると身体が一瞬だけ発光し、微かな熱を帯びーーーーやがて霧散した。
 ふっと肩の力を抜いたミリアは、やや惚けた様な表情で笑みを浮かべた。

「……とりあえず完了だね」
「僧侶ランクは……65か。覚えたのはどんな魔法だ?」
「うん。ここまでくると凄いね。消費魔力は多いけど、威力は魔法使いにだって負けないかな。その名もズバリ、《ジャッジメント・レイ》だって」
「しかしいつ見ても不思議よねえスキルボード。いつでも呼び出せて、好きに数値を弄れるなんて。神サマの所業は理解の外だわー」

 ロロアも自分のスキルボードを開示して指先を遊ばせる。
 この世界の人間に潜在的に与えられているものあり、自らの潜在能力を数値化できるシロモノだ。
 若干の個人差はあるものの、鍛錬次第でどんな人間でも強くなれると言われている。
 勇者以外の人間にも魔王に対抗する術として神が与えたものらしいが、その能力を持ってしても、結局の所は勇者の様に『人を逸脱した何か』と呼ぶには程遠いだろう。
 現に、どれだけ強い冒険者でも、勇者の称号を得た者には勝てないし、例外なく魔王は勇者に倒されてきた。
 故に優れた冒険者の誉とされるのは勇者のパーティーに入り、共に旅をするのが関の山である。
 オルクスも自らのスキルボードを開き、そこに記される剣士ランクの数値に目をやってーーーーそっとボードを閉じた。

「なぁロロアさん、ギルドとしての勇者絡みの案件は?」

 依頼書をめくりながら先程の光景を反芻する。

「ええ、王国のお偉いさんから直々に、勇者のサポートをする様に仰せつかったわ。なんでも、あの信託で言ってた『彼の地』って言うのが、どうやら他の大陸なんてレベルじゃなく『異世界』って話よ?」
「……仕事し過ぎで疲れてるのか? なんだ『異世界』って」
「まさか、天から舞い降りて来たとか!?」

 大袈裟にミリアは両手を上に上げる。豊かな胸が揺れるのをロロアは羨ましそうに見つめつつ続けた。

「いや本当なのよ。王国の人が真顔でそんな冗談言わないでしょ?」
「馬鹿げてるな。じゃあロロアさん、このクエストをーーーー」

 ガチャリ。

「ちわーっす……えっと、ここがギルドでいいのか?」

 噂をすれば入ってきたのはまさに張本人だった。
 寝起きの様な気怠そうな表情、そしてギルドでは浮きすぎる服装。鞘に収まったままの剣を乱暴に肩に担いでいる。
 遠慮無しに辺りを伺う様は、ギルド内の視線を集めるには充分すぎるものだった。
 ただでさえ戦いの中に身を置く者たちが集う場所だ。その様な場所で横暴な態度でうろつけば、気性の荒い冒険者の気に触る。
 その予想は的中し、やがて現実となった。

「おいおい、お前が勇者様って奴か? なんだよ変な服だな。そんでヒョロヒョロしたモヤシみたいな見た目でよぉ?」

 巨大な斧、それに見合った体躯を持つ大男が怪訝な顔で勇者に詰め寄る。明らかな体格差に大男はニヤリとしながら巨大な手を勇者の頭に置いた。
 やれやれとオルクスはため息を吐く。
 手荒い歓迎はギルド特有の光景だが、言ってしまえば初歩的な選別に近い。どんな依頼でも命に関わるとすれば、この程度で怖気付く人間は相応しくないと言えるだろう。

「え? マジかよ、このジャージ高いんだぜ。まぁセンスはこの世界じゃあ合わなくても仕方がないか。それより俺はクエストの案内してくれる奴を探してんだ。とりあえず手ぇどけろよ、汗臭せぇし」
「……ガキが、勇者だかなんだか知らねぇがーーーー」
「やめとけって、これ見たら馬鹿でも解るだろ?」

 勇者は臆するどころか鼻をほじりながら、自らと大男の間にスキルボードを展開した。そこには普通の人間には存在しない『勇者』の項目と、振り分け可能なポイントが『9999』となっている。

「なんか女神が言うには『勇者』の項目にはポイントを振れねえんだと。経験値じゃなく善行に依存して上がるんだとか。でも転移の特典で聖剣と振り分け可能なポイントをゴッソリ貰ってよ。これ、好きな職業に振れば振るだけ強くなるらしいじゃん? 例えばーーーー」

 勇者はなんの躊躇も無く『戦士』の項目にポイントを振り分けた。そのポイントは『999』、これは一つの職業を極めるのに必要な値である。
 この生まれたての勇者は、一瞬にして『戦士ランク99』となり、相手にしていた大男の手を掴むと軽々と捻り上げた。

「がッ!? ……な、なんだよそりゃあ!? 卑怯なんてレベルじゃあねぇぞ!!」
「だろうな、だってチートレベルな恩恵でも無いと行かねぇって約束だもんよ。それがこのスキルポイントと聖剣って訳なんだわ」
「チ、チート!? ……って何の事だよ、あだッ、あだだだだッ!!」
「何だよって、チートって言葉はこの世界には無いのか? まぁ簡単に言えば『反則級の裏技』ってヤツかな」

 大男の手を離すと、勇者は自らの身体をペタペタと触りだした。力を込めたり緩めたり、筋を伸ばしたり縮めたりしながら、向上した能力を確かめている。

「なんだか実感は湧かねぇけど、多分強くなったんだよな? あ、戦士だから筋力も増したくさいけど、見た目はぜんぜん変わらねぇな」

 その光景には、オルクスを始めミリアも言葉を失った。
 目の前の『異常』にして『異端』、そして、救世主と崇められた『勇者』という存在に。
感想 0

あなたにおすすめの小説

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
 2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。  死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。  命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。  自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界のんびり放浪記

立花アルト
ファンタジー
異世界に転移した少女リノは森でサバイバルしながら素材を集め、商人オルソンと出会って街アイゼルトヘ到着。 冒険者ギルドで登録と新人訓練を受け、採取や戦闘、魔法の基礎を学びながら生活準備を整え、街で道具を買い揃えつつ、次の冒険へ向けて動き始めた--。 よくある異世界転移?です。のんびり進む予定です。 小説家になろうにも投稿しています。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。