海上都市の機甲女 ~a point of change~

ケニーさん

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第三機

銀行強盗1

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 巡回を始めてから一時間が経過した時、耳につけたヘッドセットに通信が入る。

『――機甲警察情報コネクト課、三守みかみ二等官応答願います』

 女性の声。喋るリズムが少し早い。篤は緊急性を要している可能性があると判断して尋ねる。

「こちら三守どこへ向かえばいいですか?」

『北エリア北噴水公園前の銀行に向かってください』

「了解――」

「何か事件ですか?」

「まずは北噴水公園に向かう。ここからそう遠くない」

 篤はそう言って走り出す。それをツバキは追いかけた。篤は走りながら端末を操作する。

「具体的な内容を教えてください」

機械人形アンドロイドによる銀行強盗です。機械人形アンドロイドの持ち主もいる模様。女性定員を人質に取っているようなので、人質を盾に逃走する恐れがあします。今のところけが人の報告はありません』

 人質の情報を聞いたところでツバキに先に行くように頼む。ツバキは篤の前に出て――

「人質の保護ですか?」

「いや、追跡を頼む。人質に何かするようだったら保護優先だ」

「分かりました。先に行きます」

「頼む」

 ツバキは体をばねのように使って商店街の屋根に飛び乗って、最短距離を最速で走る。

 二足歩行とは思えない驚異的な走りとジャンプを繰り返して姿が見えなくなる。

機械人形アンドロイドの機種は?」

『IW23-K。建設用機械人形です』

 篤は商店街の人込みを絶妙な足さばきで縫うようにして走る。
 建設用機械人形アンドロイドの特徴は強度が高いこと、何よりパワーに関してはトップクラスだ。
 篤は銀行に到着したが既に銀行強盗の姿はない。
 怪我人がいないことを確認。篤は端末を確認して、ツバキのバッチに搭載されている発信器から位置を割り出す。まだツバキは移動をしているようでアイコンが動き続けている。
 篤が銀行に到着してから四十秒後にエンジン音が遠くから近づいてくるのを感じた。すると人込みが左右に分かれて道ができる。そこを通って黒塗りの大型バイクが姿を現す。

『――モクヒョウチテンニトウチャク……』

「来てくれたか。キューブ」

 篤はバイクのメーターの下にはめ込まれた正方形のロボットに話しかける。この黒塗りのバイクは篤が個人的に所有するバイク。位置を指定すればその場所まで自動的に来てくれる優れものだ。
 情報コネクト課から場所を聞いた直後、走りながら端末に情報を打ち込み転送しておいたのだ。

『スリープモードニイコウ……』

 キューブはバッテリーで動いている。バッテリー消費を抑えるために基本的にはスリープモードだ。無人でバイク連続稼働時間は三時間と短い。その為、めったなことがないと手を借りないのだ。

(さて、ツバキを追いかけるか)

 篤はバイクを走らせた。
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