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第四機
穂摘の機甲人形
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篤とツバキがランキング登録のための模擬戦闘を行っている模擬戦闘訓練室を上から一望できる制御室の扉が開いた。
モニターを見ていた研究員達が入ってきた人物に目を向ける。
「お疲れ様です。穂摘二等特務官……。何か御用ですか?」
「三守篤二等官の様子は?」
「はい。正直なところ弱いです。ただ、対人戦においてでは機甲警察内でもトップクラスかと思いますが、あくまでもお互いが武器を持たない状態での話なので実践では……」
(結局本気を出さないつもりなんだ……。あの日のことを引きずっているのね……私が弱いばかりに彼を傷つけた)
穂摘は左胸の傷を服の上からなぞる。痛みはみじんも感じられない。一年以上も経っているのだから当然だ。
ガラス越しに戦っている篤を見る。遠くはっきりとは見ることがかなわないが戦いの動きから、集中できていないことを読み取る。
(無理もないかな……。この街並み――あの日の場所。
今ならだれども救えると言っていた彼が彼自身を地獄に送った場所。
あれからずっと、どれだけ危険な状況に置かれようとも、力を使わない。サクラちゃんと過ごすようになって、少しずつ心の落ち着きは取り戻せてきている。あくまで日常生活において……。私は期待している……ツバキちゃんが彼の中で深く埋もれたものを探し出して、引っ張り上げてくれるのではないかと――)
「ツバキは?」
「スピードはもし分ありませんが戦闘経験が少ないかと思われます。ただ、基本スペックはとても高いので、経験さへ積めば戦力になります。――あのぉ……篤二等官はなぜ拳銃も全く使用しないのでしょうか?」
「答えは簡単。銃弾は無限にあるわけではないから。使いどころを考えているの」
制御室の扉がまた開いた。現れたのは男型の機械人形。背がとても高く、肩回りの筋肉がしっかりしている。機械人形らしく表情がとても硬い。
その機械人形は穂摘の姿を見つけて、側に立つ。
彼は穂摘とペアを組む機甲人形だ。
「もう治ったの?」
「戦闘のできるレベルにはまだ達していなようだ」
「そう。どうしてここに来たの?」
「それは彼がとうとうペアを作ったという話を小耳にはさんだからだ」
「アイアスはどうして篤に対して興味を持つのよ?」
「機械人形であれば彼に興味を抱かない者はいないはずだ。それにないより、七緒の好きな相手となれば興味を持つのも当然だ」
アイアスの発言に穂摘はボンとうい音を立てた顔を赤く染めた。そしてひどく取り乱す。
「ばっ、ばばばきゃじゃないの‼ 別に私は篤のことなんて好きじゃ――――」
好きなことがまるわかりな言い訳を穂摘は並べ始めた。
モニターを見ていた研究員達が入ってきた人物に目を向ける。
「お疲れ様です。穂摘二等特務官……。何か御用ですか?」
「三守篤二等官の様子は?」
「はい。正直なところ弱いです。ただ、対人戦においてでは機甲警察内でもトップクラスかと思いますが、あくまでもお互いが武器を持たない状態での話なので実践では……」
(結局本気を出さないつもりなんだ……。あの日のことを引きずっているのね……私が弱いばかりに彼を傷つけた)
穂摘は左胸の傷を服の上からなぞる。痛みはみじんも感じられない。一年以上も経っているのだから当然だ。
ガラス越しに戦っている篤を見る。遠くはっきりとは見ることがかなわないが戦いの動きから、集中できていないことを読み取る。
(無理もないかな……。この街並み――あの日の場所。
今ならだれども救えると言っていた彼が彼自身を地獄に送った場所。
あれからずっと、どれだけ危険な状況に置かれようとも、力を使わない。サクラちゃんと過ごすようになって、少しずつ心の落ち着きは取り戻せてきている。あくまで日常生活において……。私は期待している……ツバキちゃんが彼の中で深く埋もれたものを探し出して、引っ張り上げてくれるのではないかと――)
「ツバキは?」
「スピードはもし分ありませんが戦闘経験が少ないかと思われます。ただ、基本スペックはとても高いので、経験さへ積めば戦力になります。――あのぉ……篤二等官はなぜ拳銃も全く使用しないのでしょうか?」
「答えは簡単。銃弾は無限にあるわけではないから。使いどころを考えているの」
制御室の扉がまた開いた。現れたのは男型の機械人形。背がとても高く、肩回りの筋肉がしっかりしている。機械人形らしく表情がとても硬い。
その機械人形は穂摘の姿を見つけて、側に立つ。
彼は穂摘とペアを組む機甲人形だ。
「もう治ったの?」
「戦闘のできるレベルにはまだ達していなようだ」
「そう。どうしてここに来たの?」
「それは彼がとうとうペアを作ったという話を小耳にはさんだからだ」
「アイアスはどうして篤に対して興味を持つのよ?」
「機械人形であれば彼に興味を抱かない者はいないはずだ。それにないより、七緒の好きな相手となれば興味を持つのも当然だ」
アイアスの発言に穂摘はボンとうい音を立てた顔を赤く染めた。そしてひどく取り乱す。
「ばっ、ばばばきゃじゃないの‼ 別に私は篤のことなんて好きじゃ――――」
好きなことがまるわかりな言い訳を穂摘は並べ始めた。
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