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第六機
お見舞い【ナヅナ】 1
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機甲管理棟のカウンターに立つ女性に声をかけた。
「あの、ナヅナさんへ面会をしたいのですが? ここへ来るのは初めてで……」
「そうですか、何か身分のわかるようなものはありますか?」
女性にそう言われて、篤は機甲警察に支給されている端末を操作して画面に表示する。
「お預かりします。――機甲警察三守篤二等官。ご苦労様です。あの、何か……問題がありましたか?」
不安そうに尋ねてくる。
篤は女性の反応を不思議に思いながらも的確に答えた。
「何もありませんよ。安心してください。それに仕事できたわけではないです。個人的で……」
安心したようで、深く息を吐いて表情が柔らかくなった女性にもう一度訪ねる。
「ナヅナさんへ面会をしたいのですが? ここへ来るのが初めてで、何か手続き等ありますか?」
「ナヅナさんですね……。そちらの機会に端末を置いていただけますか」
篤は言われた通り、端末を機械の上に置く。機械のランプが赤から青に変わる。
「はい、確認取れました。ナヅナさんはB―403号室ですね。初めてとのことなので、担当技師に連絡を取りますので、一緒に行っていただきます。少々お待ちください」
篤は近くにあった長イスに腰を下ろして待つこと三分。一日の多忙な任務からの疲れが襲いうとうとしていた篤に一人の男性が声を掛けてきた。
「三守篤二等官ですか?」
「はい。あなたがナヅナさんの担当の方ですか?」
中肉中背の太い黒部に眼鏡に眼尻にある大きな黒子が特徴の四十代前半の男性。急いできたのか少し息も上がっていて眼鏡もずれている。
「そうです。機甲技師森下藤です。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。それと、忙しいのにこんな時間に訪ねてしまって申し訳ないです」
「いいえ、いいえ。こちらこそ、お待たせしてしまって……。では早速行きましょうか」
先を行く森下に続いた篤は森下の歩き方に目が行った。体が全体的に左寄りになっていて左足を軸にして歩くような、けが人によくある歩き方。
篤は義足であると思ったが聞くことはしなかった。
機甲警察で働いてから一度も訪れたことのない機甲管理棟は人でいう病院と同じ機能を持っている。だがその対象は機械人形。それ故か、施設内部はサイエンスティックを押し出しているようでとても仰々しく重苦しい。
長居したら気が狂ってしまいそうだ。
エレベータに乗り込むと中はとても広く、二人だけ乗るには贅沢だ。
誰かならないか確認した後、四階のボタンを押して、扉を閉めるボタンを押した。森下は篤に話し掛けてきた。
「三守二等官は何故、お見舞いを?」
「知り合いなので、心配で」
篤は上に表示されたモニターでエレベーターの上昇を見る。
「あの、ナヅナさんへ面会をしたいのですが? ここへ来るのは初めてで……」
「そうですか、何か身分のわかるようなものはありますか?」
女性にそう言われて、篤は機甲警察に支給されている端末を操作して画面に表示する。
「お預かりします。――機甲警察三守篤二等官。ご苦労様です。あの、何か……問題がありましたか?」
不安そうに尋ねてくる。
篤は女性の反応を不思議に思いながらも的確に答えた。
「何もありませんよ。安心してください。それに仕事できたわけではないです。個人的で……」
安心したようで、深く息を吐いて表情が柔らかくなった女性にもう一度訪ねる。
「ナヅナさんへ面会をしたいのですが? ここへ来るのが初めてで、何か手続き等ありますか?」
「ナヅナさんですね……。そちらの機会に端末を置いていただけますか」
篤は言われた通り、端末を機械の上に置く。機械のランプが赤から青に変わる。
「はい、確認取れました。ナヅナさんはB―403号室ですね。初めてとのことなので、担当技師に連絡を取りますので、一緒に行っていただきます。少々お待ちください」
篤は近くにあった長イスに腰を下ろして待つこと三分。一日の多忙な任務からの疲れが襲いうとうとしていた篤に一人の男性が声を掛けてきた。
「三守篤二等官ですか?」
「はい。あなたがナヅナさんの担当の方ですか?」
中肉中背の太い黒部に眼鏡に眼尻にある大きな黒子が特徴の四十代前半の男性。急いできたのか少し息も上がっていて眼鏡もずれている。
「そうです。機甲技師森下藤です。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。それと、忙しいのにこんな時間に訪ねてしまって申し訳ないです」
「いいえ、いいえ。こちらこそ、お待たせしてしまって……。では早速行きましょうか」
先を行く森下に続いた篤は森下の歩き方に目が行った。体が全体的に左寄りになっていて左足を軸にして歩くような、けが人によくある歩き方。
篤は義足であると思ったが聞くことはしなかった。
機甲警察で働いてから一度も訪れたことのない機甲管理棟は人でいう病院と同じ機能を持っている。だがその対象は機械人形。それ故か、施設内部はサイエンスティックを押し出しているようでとても仰々しく重苦しい。
長居したら気が狂ってしまいそうだ。
エレベータに乗り込むと中はとても広く、二人だけ乗るには贅沢だ。
誰かならないか確認した後、四階のボタンを押して、扉を閉めるボタンを押した。森下は篤に話し掛けてきた。
「三守二等官は何故、お見舞いを?」
「知り合いなので、心配で」
篤は上に表示されたモニターでエレベーターの上昇を見る。
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