海上都市の機甲女 ~a point of change~

ケニーさん

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第七機

会議 9

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 ガラスを割って外から侵入した男。警備が万全である機甲警察に侵入者報告はなく、何十メートルもあるこの会議室にどうやってきたのか、謎が多い。
 男は周りをぐるりと見る。
 篤と目が合って、驚きの表情を見せる。

「おや、これは驚きだ。よもやこんなところで会えるなんて、キミのような下っ端が参加できるとは少しは変わったのかな?」

「何で、お前がここに……」

 事に反応して会議室で唯一銃口を向けた篤が侵入者に問う。

「篤二等官彼と知り合いなの?」

 穂摘の質問に篤は頷いて答えた。

「お前とは何を指しているのかな?」

「それは、どういう事だ」

「キミには二度あっている」

 男の言葉に篤は眉を顰める。何故なら篤の記憶している限り一度だけ――ツバキと出会った取引現場。そこにいた紅と蒼の姉妹といた男。名前は松井俊之。
 松井が口を開こうとしたその時、突然大扉が音を立てて破壊される。それとほぼ同時に一閃。その先は松井。蹴りから生じる加速で槍を握った機甲人形は左肩に一発必中を確信していた。だがそれは無残にもあっさりと退けられる。
 突進してきた機甲人形の握る槍の先端が左肩に到達する直前右手で刃のない部分を掴まれて、勢いが死ぬ。
 だが流石機甲人形といった具合に力で押すのではなく引いて、ジャンプしながら距離をとったと見せかけて槍を投擲する。突進した際よりも回転し、スピードがけた違いに早い。これに対抗できるものなど人の身ではありえない。
 槍は松井の体を捉えて貫いた。そう思われたが、貫いたのは残像。松井は跳躍して投擲して宙で身動きの取れない機甲人形の頭を掴みそのまま壁に叩きつけた。

「邪魔が入ってしまった。さて、キミの記憶にない二度目とは――――このような声で背後から話しかけたのだが」

 声質が変わり、まるで凶器のような声。篤はその声に覚えがあった。それだけではない。突然松井から放たれた圧倒的な密度の気。少しでも気を抜けば意識が飛んでしまうそれつい最近体感している。間違えるはずもない。

「どうやら気付いたようだな」

「貴様!!」

 一人の男が声を上げた。この会議室で最年長にして、機甲警察のトップ――斎郷道斬さいごうどうざん

「何故生きている。あの時死んだはずだ」

「なら私は亡霊だ。そしてお前は人の姿をした悪魔だ」

 斎郷は機甲人形の頭を押さえつける松井を睨んだ。

「お前の目的は何だ。俺を殺しに来たか」

「お前を殺して何になる。黙ってそこに座っていればそれでいい」

 機甲人形を抑えていた手を放して、再び円卓の中央へと戻ってホコリを掃う。そしてモニターに映る神子を見て深々と頭を下げて一礼した。
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