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第七機
会議 8
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時刻十三時十一分――機甲警察最上階重要会議室前。
篤とツバキはそこにいた。穂摘と合流した篤は錚々たるメンツに事の大きさを改めて実感させる。
幹部に各課の室長。何より、武装した機甲人形達の放つ冷たい空気感。まるでここが戦場のようだ。
その場の誰もがそれを感じているようで、時間が経つにつれてそれは色濃くなっていく。
二十分になったのに合わせて、会議室の重たい大扉がゆっくりと音を立てて開く。機甲人形達は機甲官から離れて、壁に沿うように並び始めた。その並び方は非常にわかりやすく、扉に最も近くその右側にランキングの最も高いペアの機甲人形が立ち。扉の左側にその次、右側の二番目がその次と交互になっている。
六番目の位置に穂摘のペアであるアイギスがいた。それはこの中で六番目にランキングが高いことを意味する。
そして一番右端、そこがツバキの位置。その後に続く機甲人形がいない為、最もランキングが低いことがわかる。こんなことをするまでもなくわかっていた事だ。
例外はあるもののとても分かりやすい。上位の機甲人形は人の姿からかけ離れている。力を求める結果こうなる。
篤は無理やり改造されたその姿に怒りを覚える。勝手な都合で人によって生み出され、勝手な都合で改造される。だが、それに対して何もできない無力な自身に篤は悔しさを滲ませる。
「何をそこで立っているの? 早く入りましょう」
付いてこない篤を呼ぶ穂摘。あくまで篤は穂摘の付き人だ。
「ツバキ、落ち着いていこう」
雰囲気に飲み込まれつつあったツバキに一言声をかけて、篤は穂摘の後に続いて会議室に入った。
会議室の中はとても広く、扉とは反対側の壁に大きなモニターが一つ。円卓が中央にあり、まさに会議室。だがその場に神子の姿はなく会議室は少し騒がしくなる。会議開始まであと五分。一向に現れる様子のない神子。昨日の出来事があっただけに何かあったのではないかと考えざるを得ない。特に、篤と穂摘は思った。
そしてとうとう開始の時刻となった。扉は閉ざされ、カーテンが動き出し、光を遮る。
突然モニターが点いて、室内が少し明るくなる。映し出されたのは女性、少女とどちらともつけ難い人。美しい。神々しい。天の使い。聖女。そういった言葉の合う人。
会議室にいる人間が全員起立。
篤は一目見た瞬間からわかっていた。今画面に映し出されている人物が何者なのかを――
(この人が――神子……様)
声から想像したよりも少し若くて篤は驚く。篤よりも五つ六つ年下の少女。
「ごきげんよう。皆様。――――!」
会議に参加している面々を見て、篤で目が留まる。
「どうやら初めての参加の方もいるようなので紹介を……。私は神子。こういった形で大変も仕分けありません。それで、穂摘二等特務官の後ろに控えているあなたは?」
「機甲警察無所属二等官三守篤です」
「あなたが三守二等官ですか、お噂はかねがね。ですが、私の想像していた方とはずいぶん違うようですね」
神子は穂摘に笑いかける。
「さて、挨拶を終えたところで――」
割れる。
音が響く。
飛び散る。
円卓の真ん中に一人の人間が立っていた。
「初めまして――――人間のゴミ達」
男は顔を歪めて笑った。
篤とツバキはそこにいた。穂摘と合流した篤は錚々たるメンツに事の大きさを改めて実感させる。
幹部に各課の室長。何より、武装した機甲人形達の放つ冷たい空気感。まるでここが戦場のようだ。
その場の誰もがそれを感じているようで、時間が経つにつれてそれは色濃くなっていく。
二十分になったのに合わせて、会議室の重たい大扉がゆっくりと音を立てて開く。機甲人形達は機甲官から離れて、壁に沿うように並び始めた。その並び方は非常にわかりやすく、扉に最も近くその右側にランキングの最も高いペアの機甲人形が立ち。扉の左側にその次、右側の二番目がその次と交互になっている。
六番目の位置に穂摘のペアであるアイギスがいた。それはこの中で六番目にランキングが高いことを意味する。
そして一番右端、そこがツバキの位置。その後に続く機甲人形がいない為、最もランキングが低いことがわかる。こんなことをするまでもなくわかっていた事だ。
例外はあるもののとても分かりやすい。上位の機甲人形は人の姿からかけ離れている。力を求める結果こうなる。
篤は無理やり改造されたその姿に怒りを覚える。勝手な都合で人によって生み出され、勝手な都合で改造される。だが、それに対して何もできない無力な自身に篤は悔しさを滲ませる。
「何をそこで立っているの? 早く入りましょう」
付いてこない篤を呼ぶ穂摘。あくまで篤は穂摘の付き人だ。
「ツバキ、落ち着いていこう」
雰囲気に飲み込まれつつあったツバキに一言声をかけて、篤は穂摘の後に続いて会議室に入った。
会議室の中はとても広く、扉とは反対側の壁に大きなモニターが一つ。円卓が中央にあり、まさに会議室。だがその場に神子の姿はなく会議室は少し騒がしくなる。会議開始まであと五分。一向に現れる様子のない神子。昨日の出来事があっただけに何かあったのではないかと考えざるを得ない。特に、篤と穂摘は思った。
そしてとうとう開始の時刻となった。扉は閉ざされ、カーテンが動き出し、光を遮る。
突然モニターが点いて、室内が少し明るくなる。映し出されたのは女性、少女とどちらともつけ難い人。美しい。神々しい。天の使い。聖女。そういった言葉の合う人。
会議室にいる人間が全員起立。
篤は一目見た瞬間からわかっていた。今画面に映し出されている人物が何者なのかを――
(この人が――神子……様)
声から想像したよりも少し若くて篤は驚く。篤よりも五つ六つ年下の少女。
「ごきげんよう。皆様。――――!」
会議に参加している面々を見て、篤で目が留まる。
「どうやら初めての参加の方もいるようなので紹介を……。私は神子。こういった形で大変も仕分けありません。それで、穂摘二等特務官の後ろに控えているあなたは?」
「機甲警察無所属二等官三守篤です」
「あなたが三守二等官ですか、お噂はかねがね。ですが、私の想像していた方とはずいぶん違うようですね」
神子は穂摘に笑いかける。
「さて、挨拶を終えたところで――」
割れる。
音が響く。
飛び散る。
円卓の真ん中に一人の人間が立っていた。
「初めまして――――人間のゴミ達」
男は顔を歪めて笑った。
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