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特別ストーリー(5年前)
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機甲官能力開発短期大学校の待合室には百二十一期生の受験者が待機している。その数約十万人。
だだっ広い真っ白な空間にそれだけの人数がごった返している。皆、今か今かと自身の番号が呼ばれるのを待っている。
会場入場打ち切り時間直前に一人の青年が入ってきた。
青年は会場を一目見渡して、何かを察したように目に見える範囲で受験生の何人かに視線を送る。視線を受けた相手は皆目を背けてそわそわした様子だ。見渡す青年に人の波にはじかれた少女は青年にぶつかって体勢を崩し荷物も落としそうになる。だがそんなことは起きなかった。視界にないっていないはずの少女を青年は倒れる前に支えて荷物もしっかりと空中でキャッチする。その動きには無駄がなく、まるで後ろに目がついているようだった。
「ごっ、ごめんなさい……ありがとうございます」
「大丈夫? ケガとかは?」
「おかげざまでありません」
「そう。それはよかった。じゃぁな」
青年はその場を立ち去った。
その姿を見ながら少女は思った。
(あの人は、絶対に合格する)
少女は自前に渡されていたパスカードを見る。そこには少女の名前を受験番号が記されている。
【#穂摘菜々緒__ほづみななお__# 42377番】
自身の名前を見て思い出した。
「名前……聞き忘れた」
すでに人ごみに姿を消してしまった今、聞くことはかなわない。
穂摘の番号が呼ばれて所定の場所で一つの封筒と戦闘用スーツを渡され、更衣室への移動を言い渡された。
だだっ広い真っ白な空間にそれだけの人数がごった返している。皆、今か今かと自身の番号が呼ばれるのを待っている。
会場入場打ち切り時間直前に一人の青年が入ってきた。
青年は会場を一目見渡して、何かを察したように目に見える範囲で受験生の何人かに視線を送る。視線を受けた相手は皆目を背けてそわそわした様子だ。見渡す青年に人の波にはじかれた少女は青年にぶつかって体勢を崩し荷物も落としそうになる。だがそんなことは起きなかった。視界にないっていないはずの少女を青年は倒れる前に支えて荷物もしっかりと空中でキャッチする。その動きには無駄がなく、まるで後ろに目がついているようだった。
「ごっ、ごめんなさい……ありがとうございます」
「大丈夫? ケガとかは?」
「おかげざまでありません」
「そう。それはよかった。じゃぁな」
青年はその場を立ち去った。
その姿を見ながら少女は思った。
(あの人は、絶対に合格する)
少女は自前に渡されていたパスカードを見る。そこには少女の名前を受験番号が記されている。
【#穂摘菜々緒__ほづみななお__# 42377番】
自身の名前を見て思い出した。
「名前……聞き忘れた」
すでに人ごみに姿を消してしまった今、聞くことはかなわない。
穂摘の番号が呼ばれて所定の場所で一つの封筒と戦闘用スーツを渡され、更衣室への移動を言い渡された。
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