陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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コタエハ

俺たちはきっと⑤

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 ライブは最後のQの暴走のおかげで文化祭のときよりも盛り上がった。

「おつかれ。」
「ん?奏か。ありがと。」

ステージを遠くから見渡せる階段に座っていたら、赤い缶コーヒーを持った奏が隣に座った。1個受けとってプルタブを開ける。

 ステージではミスコンとミスターコンが開かれていた。しかも司会は時雨とQ。そして今は桜の出番だ。

「あの感じならもう僻まれることなんてなさそうやな。」
「せやな。そもそも私たちのグループにQが入ってんのって、傍から見とったら変やし。」
「それはそう。」

奏もプルタブを開けて、一口飲む。私も一緒に飲んで、口の中に残るミルクと砂糖の甘さを転がした。

「ライブ成功してよかったね。」
「俺たちやぞ。成功せーへんわけがない。」

奏は笑いながらピースして言う。

「その自信はどこから来るんだか。」
「さあね~。」

ステージから歓声が上がる。見てみたら杏ちゃんが出ていた。いつも通りの兄妹漫才をしている。2人とも、なんか自然体に戻った感じだ。

「なんで出んかったん?」
「私にはあの舞台は眩しすぎるよ。それだけ。」

このミスコンは自薦でも他薦でも出れる。でも他薦の場合は拒否権があって、私はそれを行使しただけだ。

「見たいって言ったら?」
「それでも出ないと思う。あーゆーのは本物の人じゃないと無理だから。」
「本物の人って?」
「いるだけで中心になっちゃうような人。」

私はそういうのからは離れてる人だ。何かがあれば人の中心にはなれるが、基本的にはなりたくない。しかも、いるだけで寄ってくる訳ではない。そういうのがあそこにいる人たちとは違う。

「俺からしたら楓は十分、あそこにいれる人やと思うけどな。」
「なんで?」
「やって、俺は楓になりたいねんから。」

急に光が当たる。その瞬間、奏の目が見えた。これは本心を言うときの目だ。缶コーヒーを持ったまんま、私のことを指さす奏はいつもよりもずっとかっこよく見えた。

「はぁ…しょーがないなぁ。奏が出るんなら出てあげる。」

私も奏のことを指さす。そしたら奏は笑った。

「まさかここまで予想通りとはな。」
「は?」

奏はポケットから1枚の紙を取り出した。それはミスターコンのエントリー用紙だった。

「計画通り。」

奏はコーヒーを飲み干すと立ち上がる。

「ほら、行くぞ。」
「いやいや、私が奏が出ること条件で出るって分かってたん?」
「分かってたってか、そう言うやろうなって。」

奏は私に手を伸ばす。私はコーヒーを飲み干して、その手を取った。

 私たちの形ってきっとこうなんだと思う。変なところでアホみたいなことをして、それで周りも巻き込む。それがきっと私たちの形なんだ。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ここで15章は終わりです。あー疲れた。

16章は日常回多めになります。てか、それ以外ないかも。行事も特に残ってないし。去年がイレギュラーやっただけやから。

多分完結まではあと2章ってところです。それまでついてきてもらえると嬉しいです。
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