鋼鉄の処女マリアの冒険

守 秀斗

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第13話:アレックスが女風呂に入って来る

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 あたしとケイティは宿屋の風呂場の脱衣所で服を脱いだ。
 あれ、ケイティが胸にさらしをまいている。

 それを取ったら、なんと意外と胸がでかい。
 まだ十三才なのに

「あら、ケイティ、あなた胸でかいわね」

 つい、言ってしまった。
 すると、ちょっと恥ずかしそうな顔でケイティが言った。

「そうでしょうか。ただ、仕事のときは邪魔なんでさらしできつく巻いているんです」

 知らなかった。
 はっきり言って、六才年上のあたしよりでかいじゃん。

 今まで、気づかなかった。
 寝間着もふわりとしたのを着ていたし。
 
 うーん、まあ、別にあたしは女には興味ないけど。
 しかし、十三才の女の子にスタイルで負けてしまうとは。

 情けない。

 やれやれと思いつつ、浴室へ。
 あら、けっこう広いじゃない。

 身体を洗った後、湯船に浸かる。
 ああ、生き返るようだわ。

 もう、最近は悩み事ばかり。
 早く、ボリス、帰って来ないかなあ。

 あたしには冒険者パーティーのリーダーは荷が重いわよ。

 ケイティも浴槽に入って来た。
 あらためて胸がでかいなあと思う。

 貧乳だと恋愛も遠のくのかしら。
 やれやれ。

 それはともかく。

「ねえ、ケイティ、あたしの判断は間違っていたかしら、ケンだけ回復させるのって」
「いえ、一番正しい判断だったと思います」
「そ、そうよね」

 ああ、年下で十三才のケイティから肯定されてホッとする十九才。
 リーダーとしてはだらしないか。

「ドラゴンタートルには剣で戦うのが一番良いと思います。だから、ケンさんでいいかと」
「でも、カイがすねちゃってさあ、嫌味も言ってくるし。なんとかケンとカイを仲直りさせる方法はないかしら」

 ちょっと考えるケイティ。

「しばらく、ケンさんとカイさんとアレックスさん三人は離しておくしかないと思いますけど」
「えーと、仕事だけの関係ってわけ」

 ケイティはアレックスと同じことを言っているなあとあたしは思ったのだけど。

「いえ、ケンさんとカイさんはいずれ仲直りするんじゃないかと思います」
「けど、アレックスはどうすんの」

「そうですね……ケンさんとカイさんはアレックスさんに、一時的に惑わされているだけみたいだなあって思ってます……だから、アレックスさんがこれ以上、パーティーをかき回さないようにしていただくのが一番だと思います。アレックスさん本人からは、あまり悪意は感じられないんですけど」

 うーん、そうなんだよなあ。
 そして、そのアレックスを止めるのが、リーダーとしてのあたしの仕事なんだけど。

 すっかり、馬鹿にされているってのが現状ね。

「けど、アレックスがへそを曲げて辞めたら、回復役がいなくなっちゃうわよ」
「ボリスさんが戻ってくれば、とりあえず解決すると思います」

 そうね、やっぱりボリスが戻ってくれるのが一番いい解決方法ね。
 ああ、早く帰って来てほしい。

 さて、すっかり身体も温まったことだし、そろそろ出るかと浴槽からあがったら、すごい美人が入って来た。
 って、アレックスじゃないの。

 なよなよした身体にタオルを巻いているけど、なんだかえらい色っぽい。
 はっきり言って、あたしの十万倍色っぽい。

「ちょっと、アレックス、あなたは男じゃないの。なに、女湯に入って来てんの」
「宿屋の主人に言ったら、かまわないって言われましたよ」

 え、いいの。
 もう、そういう世の中なの。

 まあ、いいか。
 あたしとケイティが出れば、今、浴場には誰もいないし。

「じゃあ、ごゆっくり」

 うーん、確かにあの色っぽいアレックスが男湯に入ったら、男性は落ち着かないかもしれないし、下手をすれば乱暴される可能性もあるわ。
 って、これでいいのかしら。

 それにしても、年下のケイティより胸が小さくて、男のアレックスより色気のない女のあたし。

 情けない。

 部屋に戻って、ベッドで横になるあたし。
 すぐに寝た。

 そして、夜中に起きる。
 また、ケイティが大の字で寝て、いびきをかいている。

 そっと鼻をつまむ。
 いびきがやんだ。

 そして、なぜか、そっとまた窓から湖を眺める。
 今夜はボートが浮いてないわ。

 ああ、よかった。
 と思っていたら、またボートがやって来た。

 先端に例によって、ロウソクの炎が。

 おいおい、誰と誰がやるのよ。
 ケンとカイはまだ回復してないし。

 えー、どうなってんの。

 よく見ると、アレックスが乗ってるわ。
 そして、他は誰もいない。

 え、アレックスが服を脱いだ。
 前にもみたし、風呂場でも見たけど、本当になんだかなまめかしい身体だわ。

 けど、何するつもりなの。
 あら、股間のアレを擦りだした。

 間近で見たことないから、あたしにはよくわからないけど。
 ええ、何やってんの、あの人。

 そして、恍惚とした表情で、自分でしているアレックス。
 動きが激しくなる。

 さらに激しく手を動かすアレックス。
 身体全体もさらになまめかしく動かす。

 汗だくじゃないの。
 風呂に入った意味ないわね。

 なんかすごく淫らに身体を動かしている。
 いろんな姿勢になってるわ、四つん這いになったり、大股を広げて腰を上下させたり。

 色っぽいわ。
 あたしはその光景に釘付けになってしまった。

 そして、アレックスの動きが、一瞬、止まった。
 うわ、アレの先端から白い液体がすごい勢いで飛び出て湖の中へ落ちて行った。

 わー、すごい。

 男性が一人で自分でしているのを初めて見てしまった。
 あたしにとっては衝撃的な光景だわ。

 すると、アレックスが何気に宿屋の方に顔を向けた。
 あたしはすぐに床に這いつくばった。

 やばい、覗いているところを見られた可能性が大きいわ。

 これじゃあ、カイの言っていた覗き大好きのリーダーのマリアさんじゃないの。
 やばいなあ。

 明日、アレックスに何て言われるのかしら。
 眠れなくなるあたし。

 それに、なぜか興奮してしまった。

 ああ、あたしっていやらしいわ!
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