非常階段の踊り場で裸になる私

守 秀斗

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第1話:踊り場で裸になる私

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 九月の夜。
 残暑でまだ暑い。

 私はマンションの非常階段の踊り場へ行く。

 私の部屋はこの十五階建てマンションの最上階。
 そして、私の部屋の目の前に非常階段への入口があって、少し階段を下がると踊り場になる。

 私は真夏なのに丈の短いコートを着ているの。

 踊り場の壁の高さは、私の胸あたりくらい。
 広さは二メートル四方くらいかな。

 このマンションの非常階段からは、隣のマンションの壁しか見えないの。
 その壁には窓も一切無い。
 つまり、ほとんど死角と言っていい場所なの。

 私はコートを脱いだ。

 コートの下は何も着ていない。
 黒いハイヒールの靴を履いているだけよ。

 そして、踊り場で裸になっているの。

「ああ、気持ちいい……」

 この解放感。

 仕事のストレスが解消される。
 今、私は二十五才。入社して三年目。

 大学卒業後、新卒で入社したのだけど、そろそろ新人ではなく、いろいろと重要な仕事も任されるようになった。

 ある日、イライラすることがあって、部屋の中でオナニーしちゃった。

 でも、まだイライラが続くの。
 思い立って、自分の部屋で裸になり、コート一枚着て外に出た。

 そして、非常階段の踊り場に行ってコートを脱いだ。
 野外で全裸になる。

 すごく気持ちがいいの。
 そして、興奮しちゃった。
 その後、癖になっちゃった。

 私、変態ね。

 その時は一分くらいですぐに自分の部屋に帰った。
 ただ、その興奮が忘れられなかった。

 何度も繰り返しちゃった。
 ストレスが消えていくの。

 部屋の中ではもっと淫らなオナニーとかしてたけどね。

 でも、この行為、夏にしかできないのが残念ね。
 冬だと風邪をひいてしまうかもしれないし。

 今はもう九月。
 最近は暖冬ばかりだけど。

 それに、この借家マンションは築五十年。
 だいぶあちこち故障している。

 私も、家賃が安いのでまだ住んでいるけど、そろそろ引っ越そうかって、思っているの。
 かなり古くなったので、空き室も増えたわ。
 
 ただ、そのおかげで住民が少なくなり、こんな踊り場で裸になるなんてことも出来る。
 この行為を初めてから、その後、私もだいぶ大胆になり三十分も裸のままになっている場合もある。

 彼にはこういう変態行為は禁止されているんだけどなあ。
 でも、こっそりしてしまういやらしい私。

 最初は一分くらいだけ裸になってたのが、三脚台を買って、スマホで自分の裸を撮影したりした。

 ものすごく気持ちがいいの。

 そして、いろんないやらしい妄想をして、その場でオナニーをしちゃったりとエスカレートしてしまった。

 ホントいやらしいなあ、私って。
 今夜も、あそこや胸をまさぐる私。
 それもスマホで撮影。

 あそこが濡れ放題。
 内股にあそこからいやらしい液が垂れ流れていく。

「あ……いいわ、気持ちいい……ああ、いい、いいわ、もっと責めて……私を犯して……」
 
 以前は、頭の中では男の人に乱暴されている妄想とかしていた私。
 実際はレイプなんてされたくないけどね。

 それに、さすがにあんまり大声は出せないわね。
 本当は思いっ切り喘ぎ声を出したいんだけどなあ。

 そして、部屋に戻って、その撮影した動画を見て興奮して、またオナニーの続きをしたりしてたの。
 
 その後も、かなりセクシーなポーズもとるようになった。
 四つん這いになったり、階段に座って大股開きになったり。

 自分であそこの柔肉をつかんで広げて、あそこの中を撮影したりとかなり大胆なことをして、そして、部屋に戻って、その映像を見てオナニーをするの。

 今日もいろんなポーズをとる。
 すっかりいい気分になってしまう。

 あそこの中に指を奥深く挿入して擦って、もう片方の手でクリトリスをいじるの。
 彼に踊り場で愛される妄想に耽溺している私。

「あっ、あっ、あっ、いいわ、気持ちいいです……」

 そこへ、突然、下の階から人影が見えた。
 私は焦っちゃった。

「美奈子、また、そういうことしているの」

 その男性は声をかけてきた。

「なんだ、あなたなの。びっくりさせないでくださいよ」

 声をかけてきたのは、高木紀彦さん。
 職業は理学療法士。病院勤務。

 私と同じ最上階に住んでいる。
 この変態行為を見られて、怒られるのかしらとビクビクしてしまう。

 実は、二か月前、私が踊り場で裸になっているところを下の階から階段で上がってきた彼に見られてしまったのよ。

 同じ階に住んでいたことは知ってたけど、話したことはなかった。
 かなりのイケメンさんだなあって思っていただけ。

 驚いた私は焦ってコートを着ようとして転んでしまった。
 その時、失禁までしちゃったのよ。

 すごく、恥ずかしかった。
 おまけに脚が痺れてしまったの。
 同時に両脚とも。

 どうやら、こむら返りみたいで筋肉が緊張してしまったみたいね。
 もう、すごく恥ずかしくてしかたがなかったけど。

 そこを介抱してくれたのが彼だった。
 なんで階段を上がってきたのかと言うと、エレベーターが故障して、途中の階で緊急停止したので仕方なくそこから上がってきたようなの。

 私はもう、どう言い訳しようかと慌ててたけど、彼は非常に紳士的に対応してくれた。
 私を抱き上げて部屋まで連れて行ってくれた。

「あ、あの……すみません……でも、大丈夫ですから」
「僕は理学療法士ですので、あなたの脚のしびれを治すことが出来るかもしれませんよ。決して、変なことはしませんので安心してください」

 穏やかに笑う彼を見て、安心してしまう私。
 それにすごくイケメンで私のタイプ。

 彼の部屋で脚のマッサージをしてくれた。
 そこから私たちの交際が始まったの。

 なにがきっかけで男女の出会いがあるかわからないなあと私はその時思った。
 まあ、私から強引に押しかけたって感じもするけどね。

 そして、私は彼に調教されちゃった。
 奴隷になったの。
 彼の命令には何でも聞くの、逆らわないの。

 今、裸だけど、彼の前なので平気。
 いや、もっと見てほしいと私は思った。

 私はもともとそういう女だったのかもしれないなあ。
 そんな私に彼が言った。

「それにしても、このマンションってかなり古くなったよね。そろそろ引っ越しを考えているんだけど。それで、美奈子さんとも相談したいんだ」
「……相談って、一緒に住むってことですか」

「あれ、嫌なの」
「いえ、嫌じゃないです。あの、一緒に住みたいです……」
 
 私はかなり淫らな女なんだけど。
 でも、そのことは、彼も知っている。

 それでも一緒に住もうって言ってくれて嬉しいわ。
 今も、頻繁にお互いの部屋を行き来してるけどね。

 私の欲望に応じてくれるのよ、理想の恋人ね。
 お互い、あんまり給与は高くないので、一緒に住む方がいいかもしれないし、すぐにいろんなこと出来るので好都合だわ。

「それで、君に言いたいことがあるんだけど」
「え、何ですか」

 そして、彼から意外なプレゼントをされて感激する私。
 もう、ドキドキしちゃったわ。

「別れよう」じゃなくてよかったわ。

 そんな時、急に雨が降ってきた。
 こんな熱帯夜に珍しいゲリラ豪雨。

 あっという間に私はぐしょ濡れになった。
 彼がコートを裸の私に着せる。

「じゃあ、僕の部屋へ行こうか、美奈子」
「はい」

 私は顔を少し赤くしてうなずいた。
 急に雨が降ってきたので、少し肌寒い。

 でも、私はこれから彼の部屋ですることを期待して身体はむしろ熱くなっていくの。
 私は彼の要求には一切逆らわない、奴隷だから。

「でも、美奈子、もう踊り場で裸になるのはやめること、これは命令だ」
「はい、ご主人様」

 男性に従うって気持ちいいわ、そんな女なの、私は。
 そして、元カレともいろんなことをしたなあ。

 嫌われちゃったけどね。
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