屈辱と愛情

守 秀斗

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第15話:夫の弟が訪ねてくる

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 休日。

 リビングルームの三人掛けソファに座って、大きいテレビで夫の一郎と志穂は映像を見ている。テレビ番組ではない。志穂と一郎がセックスしている動画や志穂がオナニーしている場面の動画。撮りためたのを一緒に見ることを夫に命令された。志穂は逆らわなかった。恥ずかしいけど、元カレともよくした行為だ。でも、夫からさらに別の命令が来た。

「志穂、裸になって」
「え、はい……」
「嫌ならしなくていいけど」
「いえ、はい、わかりました」

 志穂は頬を染めながらも、服を脱いで全裸になった。一郎は服を着たままだ。

「君は裸にされたが、気持ちいいんだろ、屈辱を受けているけど。嫌なら服を着てもいいよ」
「いえ、一郎さんのご命令なら、この姿でかまいません」
「命令じゃなくて、うーん、でも、君はこういう姿になりたいんじゃないの。気持ちいいんだろ」
「は、はい、私、気持ちいいです……」
「昼間のリビングルームで裸にされて気持ち良くなってる、興奮している、そうだね、志穂」
「すみません、裸にされて興奮してます……私、いやらしい女ですから」
「いや、だから、謝る必要はないって。君が気持ちいいなら、僕は嬉しいんだ」
「……ありがとうございます……私をもっと辱めてください」
「じゃあ、これを付けて」

 渡されたのは首輪。志穂が隠していたものだ。服をきた夫の隣で、裸のまま首輪だけをつける。実際、恥ずかしいけど、興奮もしてきた。夫の隣に全裸のまま座る志穂。自分がペットにされた気分になった。

(もう、私、すっかり夫の言いなりになってる、自ら辱めてとか言ってしまう……普通の女性なら拒否するだろうなあ……でも、別にいいわ。私、そういう妄想をよくしたことあるから……ご主人様に飼われるペットになるの……檻に入れられて、首輪を付けて、毎日、乱暴されるの、それが気持ちがいいの……いやらしい女……)

 脱いだ服を見ると、下着をみたら少し汚れていたので、洗濯機の横のカゴに入れた。ワンピースだけ、ソファのすぐ近くに置いた。何かあったらすぐ着れるように。

(リビングルームで夫は服を着て、私は首輪を付けただけの裸。もう私は一郎さんの奴隷かペットみたいなものかもしれないなあ。でも、夫は私を気持ち良くさせようとしている。私の願望がわかったんだろうなあ。そういう画像も元カレがデジカメで撮影して、いっぱいあったしね。それに元カレと夏休みを一週間とって、その間二人はずっと裸のままってことをした思い出がある。食料は事前に用意して家にこもってやってやってやりまくるって元カレは宣言したけど。結局、二日目で風邪を引いた元カレを、残りの日は看病して終わったなあ……)

 そして、自分が大股開きになってオナニーしている映像を見て、志穂は顔が赤くなってしまう。いやらしい衣装を着て、後ろの穴にはバイブを入れられて、四つん這いになって、夫にあそこを激しく後ろから責められて、嬌声を上げている自分。他にも壁に手をついてお尻を突き出している映像、大股を広げて、自らあそこを両手で広げて、そこから一郎の白濁液が垂れ流れていく映像。リビングルームの床に押し倒されてありとあらゆる格好で責められている。志穂の股間が濡れてきた。

(やだ、あそこが濡れてきた……)

 ソファを淫らな液で濡らして恥ずかしくなってしまう。つい、うつむいてしまった。

「あれ、志穂、嫌かい。嫌ならやめるけど」
「……いえ、嫌じゃないです。もっと見たいです、私、もっと興奮してきました」

 テレビ画面では、目を瞑って、口の端から涎を垂らして快感に浸っている自分を見て興奮する志穂。やっぱり私っていやらしい女だなあと思ってしまう。でも、志穂は前から感じていた違和感に気付いた。動画の中の一郎の顔。無表情だ。もしかして、あんまり楽しくないのかなあと思った。

 でも、セックスの時って男性ってどんな顔するのかよくわからない。自分は目を瞑っていることが多いから。元カレは行為の最中、時折、くだらない冗談を言って、志穂を笑わせたりしたり、逆にしらけさせてたりしたものだった。たまに志穂の身体をくすぐってきたり。いつもニヤニヤ笑いをしていた。
 
 そして、そっと横に座っている夫の顔を見る。無表情だ。よくわからないと思った。セックスする時、ヘラヘラしていた元カレの方がおかしかったのかもしれない。元カレと一緒にセックス動画を見た時を思い出す。ニヤニヤ笑いで、志穂のあそこがアップに撮影された場面ではさんざん冷やかされた。

『お前のあそこ、洪水みたいにいやらしい液を出してるなあ。そのうち部屋が水浸しになるまで淫液を噴き出すんじゃないのか』

 馬鹿げたことを言って、笑っていた元カレの顔を思い出す。夫は笑ってないし、何も言わない。真面目な人なんで、実はこんなこと嫌なんじゃないかと志穂は思い始めた。私のためにしてくれているのだろうと思った。元々、淡泊な行為しかしない人だったし。夫の身体の方も心配になってきた。

「あの、一郎さん」
「うん、なんだい、志穂」
「お仕事の方、お疲れじゃないんですか」
「いや、例の社長賞を取ったプロジェクトも完全に終わって、今は楽な方だよ」
「そうですか……あの、お身体は大事にしてくださいね」
「ありがとう、志穂」

 お礼を言われて、志穂は少し幸せな気分になった。本当はもう少し休んだほうがいいんじゃないかって言おうとしたのだけど、夜の行為について。

 そして、動画を見終わると、志穂はリビングルームの床に押し倒される。全裸のまま、大股を広げられた。

「ああん……」
「嫌かい、志穂」
「いえ、嫌じゃないです、抱いてください……」
「すっかり濡れているね、志穂のあそこ」
「はい、さっきの動画を見て、私、興奮しました……ああ、早く入れてください、一郎さん……入れて、このいやらしい女にお仕置きして……」

(……自分から入れてとかお仕置きしてなんて言ってしまう……また、夫に嫌われないようにしているんだわ、夫に媚びる女……いやらしい女……何度も思うけど、夫に嫌われたくないんだわ、私)

 リビングルームの床の上で大股を広げた恥ずかしい格好にされるが、一切抵抗しない。もう、そう決めたから、夫には従うって決めた。その、一郎があそこを舐めてくれる。

「ああ、私の汚いあそこを舐めてくださって、ありがとうございます」
「志穂の全てはきれいだよ、君の全てを支配したいなあ、何もかもだ、志穂の全てを手に入れたいなあ」
「……はい、私を征服して、ああん、もう何もかも全て、一郎さんのものにしてください……」

 一郎は志穂のあそこを舐めまくる。気持ち良くて、志穂は幸せな気分になる。そして、快感も。自分は愛されているんだって思う。もう、何をされてもいいとも思ってしまう。

(いいわ、すごく気持ちいい、ああ、あそこからはしたない液がどんどん溢れてくる。いいわ、気持ちいい、ああん、早くあそこに入れてほしい……私の全て支配してほしい、征服されたいわ)

 志穂のあそこが熱くなっていく。爛れたように蒸れていく。あそこからの液が垂れ流れて内股を濡らしていき、リビングルームの床を汚してしまう。

(昼間のリビングルームの床で愛されてる、すごく興奮してしまうの、ああん、あそこが疼く、入れてほしい、早く、ああ、早くう)

「いいです、気持ちいい、ああ、一郎さんも服を脱いでください、抱きしめてほしいの、私のあそこが熱いの、お願い、入れて、入れてえ!」

 志穂が喘いでいる、そんな時に、インターフォンが鳴った。
 マンションの一階の玄関からだ。

(ああん、いいとこだったのに、もう、しらけちゃうわ、誰かしら)

 志穂は裸なので、一郎が出る。
 聞いた事のある声が部屋に響いた。

「こんちわー、兄貴、雅弘ですけど」
「ああ、何だよ、明日じゃなかったのかよ」
「いやあ、時間が空いたんでねえ。今、いいかなあ」
「ああ、わかった」

(雅弘さんって、夫の弟さんのことね。何度かこのマンションにも来た。でもすぐに帰ってしまう。いつもお金を借りに来てた。どうやら、最初は実家に借金してたけど、もう貸してくれなくなって、兄の一郎さんに借りるようになったみたい。真面目な夫と違って、何だか軽薄な感じのする人だった。人は良さそうな感じだったけど。私と同い年だったっけ。クラブのDJで働いていて、でも、それはバイトで、本職はロックバンドで活動。でも、全然、売れてないみたいだなあ)

「悪い、志穂、服を着て」
「はい」

 弟さんがエレベーターで昇ってくるまでに、急いで、あそこを拭いて、自分のあそこから湧き出た液で濡れたソファや床も拭いた。慌てているので首輪を外すのに手間取ってしまう。そして、ワンピースを着る志穂。でも、下着がない。ああ、時間が無いわ、もういいやとそのままにする。夫が玄関ドアを開けると、弟の雅弘が入って来る。

「こんちは、兄貴、おっと、お久しぶりっす、志穂義姉さん」
「お久しぶりです」
「相変わらず、美人っすねえ」
「やだ、そんなことないですよ」

 そして、志穂はリビングルームに案内するのだが、どうも弟さんの視線をお尻とかに感じてしまう。下着を履いてない志穂はやだなあと思っていたら、あそこからはしたない液が内股に垂れてくる。

(ああん、ちゃんとタオルで拭いたのに)

 廊下にはしたない液が垂れてしまった。弟さん、気付いてないだろうなあと志穂はドキドキしてきた。でも、軽薄そうな夫の弟の雅弘はリビングルームの窓の方へ行く。

「いやあ、何度見てもいい景色っすね。おまけに美人の奥さんもらって、兄貴がうらやましいっすよ」
「お前もちゃんとした仕事を見つけろよ」
「あはは、まあ、今は夢を追いかけてるんで。それで夢実現のための資金が必要なんすよ。そんなわけで、いいですかね」
「ああ、用意してあるよ」

 夫が分厚い封筒を渡す。リビングルームのテーブルに志穂は麦茶を置いた。

「いやあ、すみません、志穂義姉さん。どうぞ、おかまいなく」
「いえ、外は暑いですか」
「もう、日本の夏はどうなっちゃったんですかね。自動車で来たんですけど、駐車場からこのマンションの部屋まで少し歩くだけで、もう汗だくですよ」

 何てことも無い世間話をしつつも、雅弘は志穂の顔をチラチラと見る。身体も見られている感じで志穂は焦ってしまう。ワンピース一枚で、下着を付けていないのがバレるのではないかと恥ずかしくなって、顔が赤くなる。そして、三十分くらいして雅弘は帰ることにしたようだ。

「じゃあ、ちゃんと借りた金は返すように」
「今までだって、ちゃんと返したじゃないすか、兄貴。じゃあ、志穂義姉さんもお元気で」
「はい、雅弘さんも」

 ドアを開けて部屋を出る雅弘。そして、また、志穂の顔、そして首筋辺りを見ている。

(何で私の顔を見るのかしら……まあ、別に雅弘さんには何の感情も持ってないからどうでもいいけど)
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