非モテ最底辺Ω VS 特権階級α

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勝ち組βと負け組α、バディを組む

平井連(β)

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「田中、お前ヒートが来たのか。」



松原が言った。このプロレスラーの様な体格の良い、目つきの悪い男はタナカというらしい…いや、そんな事は連にとってどうでも良かった。



「ヒート?!ヒートって…こいつ、Ωなのか?!」



驚愕する連を指し、松原は「丁度良い、こいつで処理させてもらえ。」と言う。ひょろ長い男が連を拘束した。見かけによらず、ひょろ長男はかなり力が強く連の抵抗は全く意味を成さなかった。



「か、勘弁してくれ!嫌だああああ!」



連は顔を鼻水と涙でぐちゃぐちゃにしながら懇願するが、ひょろ長男は楽しそうに連のスラックスと下着を脱がせる。



しょげ返った息子を見て「こりゃー、たたせにゃならないすね。面倒だなあ、βは。αだとフェロモンの作用で勝手に勃ってくれるのに。」

そう言いながら面倒くさそうに連の肛門に指を入れた。



電流の様な衝撃が体に走り、気付くと連は勃起していた。そしていつの間にかすぐ間近に、蒸気した田中の顔が。



田中の巨体が連に跨り、喘ぎながら腰を動かしている。田中の汗臭い体臭に包まれ悪夢の様な光景を目にしながらも、連の局部はヌメヌメとしたものに心地良く締め付けられ、吐き気を催す心中と裏腹に体の方は快感を感じていた。

こんな行為に快感を感じる自分の体への嫌悪感から、更に吐き気を増幅させてしまい田中のディープキスでそれがマックスになる。田中が唇を解放すると、連は死んだ目で吐しゃ物を口からダラダラ流してしまった。



やがて田中は雄たけびをあげ、海老反りになりどうやら達したらしいと分かった。

ようやく解放される…そう思っていると、田中の背後にいるひょろ長男が上気した顔で荒い息を吐きながら「おい、そろそろ代わってくれ。」と田中に呼びかけていた。



――?!こいつもΩなのかよ?!…いつの間に、こいつまでヒートになったんだ?!



ようやく田中から解放されたと思いきや、次はひょろ長男—佐藤というらしい―に犯されるらしい。

佐藤は田中と違いゲンカを思わせる小綺麗な男であったので、こいつならまあ、と連は譲歩する気になったのだが、サディスティックに歩み寄る彼の顔を見ていて不安になる。



「あーあ、すっかり萎えてるよ。田中、搾り取り過ぎなんだって。」



佐藤が連の下半身を見て文句を言う。



「よく言うよ、それを楽しみにしてたんだろ、お前は。」



田中に言われ、満更でもなさそうに佐藤は注射器を取り出した。注射針を連に向け、ニタニタと凶悪な笑みを浮かべ近づいてくる。



「お、おい…やめてくれ…頼む…」



「安心しろ、死なない程度に調整してある。金取る前に死なれたら、こっちも困るからな。」



涙目で懇願する連に、佐藤は楽しそうに言い聞かせたが当然連の不安は倍増するばかりだ。



何が入っているのか分からない注射器の針が差し込まれると心臓がバクバクし、息苦しくなり体中の血液が暴れ出す感覚で全身が痛くなった。

お構いなしに、佐藤が跨り喘いでいる。あの注射器は勃たせる薬だったらしい。

佐藤のカッと見開いた目は白目が目立ち、赤い血管が見えた。口角を上げ大きく開いた口からは荒い息が上がっており、連は悪鬼の様だと思った。



――いや、悪鬼だ…こいつらは悪魔そのものだ!



頬に鈍痛を感じ、続けて顎に、もう片方の頬に痛みが走る。佐藤は連を殴りながら更なる快感を感じているらしかった。

乳首に焼ける様な痛みを感じ、絶叫が部屋に鳴り響く。見ると、佐藤が煙草の穂先を押し付けた跡が赤黒く残っていた。佐藤はそれを見ながら、開けた口から涎を垂らし「イヒヒヒ」と笑っている。




――な、何でこんな目に遭わなきゃならないんだ…毎日真面目に生きてきたのに…




ようやく佐藤からも解放された連は、身も心もボロボロで服を着なおす気力も無い。

フラッシュをたく音と光で我にかえり前を向くと、松原がスマホの背後をこちらへ向けていた。



「お前の今の情けねー姿、あとこいつらにヤられてた動画、撮っといたから。警察や弁護士に駆け込むのは勝手だけどよ、そしたらこれがお前の勤め先や近所に出回るぜ。」



連は急速に頭も心臓も冷えわたり、硬直した。そんなものが出回れば、自分は周囲の笑い者だ。これまで築いてきた強く稼ぐ男らしい男、というイメージが音をたてて崩れ去ってしまう。



「言っておくが、俺達は金さえ入れば後は何もしねえ。」



冷然と言い放つ松原を前に、連の脳内は金の工面で頭がいっぱいだった。



――何としても650万を10日以内にかき集めなければ…


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