非モテ最底辺Ω VS 特権階級α

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売られるβ、売るΩ

木下陸翔(Ω)

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気付くとどこかに寝かされていた。おそらくベッドの上だろう、体の面している部分がふかふかのマットレスに心地良く、沈み込むような意識になる。
体が熱く、そして怠かった。頭もぼんやりする。

――ヒートか。しかし、ここはどこなんだ。俺の家ではなさそうだ。

仰向けのまま視界を巡らすと、見覚えのある部屋である事が薄暗い中でも確認でき、少し安心した。数年前は何度もここへ入り過ごした事がある。

ヒートになる直前とその後の記憶を思い出そうとした時、気が遠くなる程の快感を感じ、思わず天井に向けていた目を下に降ろすとギラつく2つの光と目が合った。
その目は血走っており、食い物を前にした飢えた獣のようで、陸翔は背筋が冷える思いになる。ヒートでなければ、急速に萎えていただろう。
ヒートにあてられたαは狂暴化すると聞く。そうしたαと何人も体を重ねてきたが、こうした恐怖を感じた事は一度も無い。

シーツの擦れる音と荒い息遣い、湿った音、そして陸翔の呻き声が静かな部屋に響く。

ヒートで敏感になっているのか、触れられる度、舌が這う度に頭が真っ白になった。
前も後ろも濡れているが、健司はそこにだけは触れてくれない。
胸に固い歯と柔らかな舌の感触を感じ、陸翔は体をのけぞらせ声をあげた。

昔から健司は直ぐに楽にしてくれなかった。こうしてじらす事で陸翔の欲求不満を極限状態にする。ねちっこいが、後は激しい。

「健司、おかしくなる…助けてくれ」

足の付け根を愛撫されながら陸翔が涙目になって哀願した甲斐が在り、健司の固くなったそれがゆっくりと挿入され、陸翔は法悦の声を漏らしながらそれを受け入れた。

健司の激しい腰使いに溺れながら、陸翔は彼の厚い背に立てていた右手を臀部に向ける。同じΩである健司もまた、そこを濡らしていた。
尻の穴に指を入れると、健司が呻いて動きを止めた。さらに刺激しながら指を動かすと、健司は喘ぎながらも腰を動かし始める。健司の興奮は萎えるどころか、さらに硬度を増した。陸翔は思い切り締め付けた。

白濁した液体をコンドームに放出した健司が、ぐったりと息を吐きながら陸翔に覆い被さるように倒れた。

「ヒートなのに、えらく余裕だな。」

陸翔の頬に手を当て、キスでもする様な距離で顔を擦り付けた健司は耳を甘噛みし荒い息を吐きながら言った。

「良くなかったか?」

陸翔がいたずらっぽい顔で尋ねながら、健司の固い臀部を鷲掴み揉みしだく。

「良過ぎる。」


健司の厚めの唇に口を塞がれ、口腔内を舌が這いまわる。陸翔は再び健司の臀部の奥に手を回した。

「お、おい…さっきイったばかり…」

「俺は満足してないぞ。ヒートの俺を介抱してくれるんじゃないの?」

健司をベッドに押し付ける形で体勢を変えると、陸翔は新たなコンドームを開封しながら跨った。



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