野球部エースの尻から目が離せない

motoi

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28.遅刻は厳禁

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「これ、どうにかしてよ。・・・・・・祐樹」

 祐樹は俺の性器にそっと唇を付けた。舌を出し、俺の先に垂れている液を舐めとる。チロチロと舌先で亀頭の部分を嬲られ、俺は悶絶した。


「ん……、あぁ……」


 祐樹のほうをちらりと向く。まるで大事な宝物を扱うみたいな表情で、俺の陰茎を丁寧に舐めていた。


 その頭に、手の平を乗せてみる。
 その顔が、そっとこちらを向いた。


「…………ん?」

 その目に、心を掴まれる。
 もうたぶん、すぐに果ててしまえる。


 けれど、この時間を、永遠に感じていたい。


 視線を上げて、トイレの壁に意識を向ける。すぐに開放されたくなる衝動をどうにか抑える。集中、集中。


「智也……、気持ちいい?」

 俺の陰茎を先から根本まで舐められ、返事ができない。声を出せば、もう終わってしまう……。


 祐樹は、三田の反応を見て、あんまり気持ちよくないんだな、と誤解した。もっと頑張らなくては、と口を大きく開ける。

 口に陰茎を含んで、歯が当たらないように注意しつつ、ゆっくりと顔を前後に動かす。大きすぎて、茎の半分までで先が喉に当たってしまう。


「ん……、ん……」

 三田はどうにか声を我慢して、鼻息を洩らす。思わず腰を抜かしそうになり、壁に手をついた。
 玉の方から上がってくるものを感じ、そろそろ限界が来ていることを悟る。


「祐樹、俺……もう……んっ」

 祐樹は俺のケツを両手で持つと、頭を前後に激しく振った。その激しさに合わせて、俺の衝動も一気にボルテージを上げる。


「ヤバ・・・・・、もう、イクっ。イクから!」

 俺の陰茎を咥えている祐樹を引きはがそうとするが、祐樹は俺のケツにしがみ付いたまま離れない。


「おいっ、もう、……あ、」


 そのまま、祐樹の口の中で俺は果ててしまった。
 三田の内側から出た液体が、祐樹の口に注がれていく。ドクドクと脈打つ陰茎とそこから出てくる粘液の熱を、祐樹は感じていた。

 陰茎を抜くと、白濁した液体が祐樹の口の中に溢れていた。その状態のまま、固まっている


「祐樹……?」

 不安になって俺が問いかけると同時に、祐樹はごくりとその液体を飲んだ。唇を舐め、手で口を拭う。


「……結構、苦いんだな」

 そういって祐樹は俺に笑って見せた。その笑顔に、さっき満たされたはずの情熱が再び燃え上がる。


「飲むなよ。お腹こわすぞ」

 そっと顔を近づけ、唇を重ねる。とろんとした顔で祐樹がこちらを向いた。俺はたまらなくなり、ぎゅっと抱きしめた。


「マジで、…………ずっとこうしてたい」
「智也……」


 祐樹も俺の背中に手を回し、ぎゅっと抱きしめてくれる。と思ったら、両手で身体を引き離された。


「時間……ヤバいかも」



 かれこれどのくらいトイレにいたのだろう。時刻はすでに7時半を回っていた。ここから家に帰り、着替えて学校に行くとなるとかなりアウトに近かった。

 慌てて、制服を着ると、辺りを掃除してトイレを出た。会話もまずまずに、俺たちはすぐに道を分かれた。

「じゃあ、学校でね」
「おー、遅刻すんなよ!」

 そういう俺のほうが家は遠いから、かなりヤバい。行きよりも早いスピードで、家路を辿る。さっきまでの多幸感が、三田の足取りを軽くさせた。

「何やってたのよ!」

 帰ってくるや否や、母親に非難の声が上げられたが、「別に」と思春期特有の愛想の悪さで返した。一瞬、祐樹とのことがバレたんじゃないかと思い、焦った。


 服を脱ぎ、ベタベタになった身体を乱暴にタオルで拭う。精液でシミだらけになったパンツを見て、さっきまでの出来事が頭の中に蘇る。三田の右手が、自然と陰茎に伸びる。


 ……って、こんなことしてる場合じゃない!


 大急ぎで制服に着替えると、リュックとエナメルを背負って、玄関を出た。準備を前の日に済ませておいてよかった。どうにか走ったら間に合いそうだ。 


 その日の空は、いつに増して青かった。
 学校に行けば、また祐樹に会える。遅刻なんてしている場合じゃない。


 三田は朝の街を颯爽と駆け抜けた。


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