フェールの花-価値のない王子は完璧な王に愛される-

淡海のえ

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フェールの花-価値のない王子は完璧な王に愛される-

第4章・真意 26 一夜

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「入れて、ください……」

 唇が離れると、体をさらに引かれた。積極的なクライスの様子に躊躇する。

 クリースと従者の行方がわからなくなったことが原因だと思っていた。代わりに助けて欲しいのだと。

 けれど違う気がしてくる。

「フェールに行かせることはできない」

 自ら探しに行きたいのかと思い、何をしても無駄なことを伝える。すると小さく首を振られる。

「ではなぜだ」

「好き……だから……です」

 面白いことに、今度はコールの方がクライスを信用できなくなってくる。自暴自棄になっているのか、理由があるのか。

「抱いてもいいと?」

 さらに頬を赤く染めたクライスがこくんと頷く。

「抱いて……欲しい、です」

 こちらの気持ちを知っていて言っていると思うと、何とも言えない感情が湧き上がってくる。けれどここで拒否すれば、二度と機会がない気がした。

 欲しいものは必ず手に入れる自分にしては、堪えた方だと納得させて手を伸ばす。服の中に入り込み、滑らかな肌に触れる。

 ぴくりと反応した後、自ら服を脱いでいく。白い肌と一緒に薄紅色の突起が外気に当たりぷっくりと膨れている。

 何度しても嫌がっていたのに、口を近づけても、大人しく体を晒している。舌で舐め上げ、軽く吸うと腰を小さく跳ねらせながら震える。

「あっ、んぅ……」

 艶めいた声を必死に堪えようとするのに、堪えられずに漏れる喘ぎがひどくいやらしい。感じ過ぎてしまうのか、快感を逃がそうとするように身を捻っている。

 すでに立ち上がっている陰茎を外に出してやると、恥ずかしそうに手で隠そうとする。

「見せろ」

 手をどかすように言うと、潤んだ目が少し見開く。そしておずおずと手をどかすと、先走りが溢れ始めた陰茎が揺れる。

 遠慮なく手で包んで、擦り上げる。まだ肌を合わせたのは二回ほどだが、何度もイかせ過ぎたせいかすぐに達してしまう。

「やぁああ……っ!」

 高い声を上げて白濁を吐き出す。イったばかりの体が、痙攣して脱力する。

 入れるのを堪えていたら、弄り過ぎてイきやすい体にしてしまったようだ。荒い呼吸を繰り返している姿を横目に、置いてある香油をたっぷり手に落とす。

 昨晩、さんざん弄った秘部は何の抵抗もなく指を飲み込んでいく。

「ひぃ、んぅ……ぁ」

 びくんと大きく体を揺らして、背を反らしている。イかせないように一番感じる場所を避けて、中をほぐしていく。

「も、また、イっちゃ……ダ、メ……」

「入れるぞ」

 申し訳ないくらいに硬く勃ち上がってしまった陰茎を取り出す。クライスが息を飲んだのがわかったが、気づかないふりをする。

「あっ……あつ、い……」

 秘部に当ててずれないように固定して、ゆっくりと腰を進める。

「嘘……あ、待っ……てっ……!」

 静止の声が聞こえたが、いまさら止められるはずがない。柔らかく綻んでいるのに、キツイくらいに締め付けてくる隘路に感嘆が漏れる。

「はっ……」

持っていかれそうになるのを堪えて声を漏らすと、余計に中が収縮して絡みついてくる。

「あ、あっ……そ、れ以上は……無理ぃ……」

 これ以上はもう入らないと喘がれて、入っていた部分をゆっくりと抜く。すると我慢できないと言うように、濡れた声を上げてタラタラと陰茎から液を漏らす。

 引き留めるようにしまる隘路を、再び広げさらに奥まで入り込む。すっかり中を弄られるのは気持ちいいことだと教え込まれた体は、いやらしく悶えて震える。

 我慢できずに泣き出してしまったクライスの目元に口付ける。しかし前屈みになったことで、中の角度が変わって余計に泣かせてしまった。

「も、も、終わっ……て……」

 自ら望んだことだと言うことも、すでに考えられなくなっているようだ。少しずつ体を進めながら、あやす様に口付ける。

 何度も入れて出してを繰り返して、大きさを体に慣れさせる。そして隘路を埋め尽くして腰を止める。

 入っている場所を腹の上から触って知らしめると、クライスが怯えたような表情を見せる。手に少し力を込めて陰茎を動かすと、悲鳴のような声が上がる。

 さらにわざと感じる場所を何度も擦ってやると、隘路が痙攣して長い悲鳴を響かせる。

「イって……も、イっ……てるぅ……」

 確かに体はイった反応をしているが、陰茎からは液を溢れ続けさせるだけだ。中で何度もイっているのがわかる。

「最高の、体だ」

 気持ち良すぎる体に微かに息が上がる。ずっと甘える様に肉壁が陰茎に絡み付いている。

 グチ、グチっと卑猥な水音を立てて、陰茎をしゃぶられているようだ。

「なぁ……んぅ……あっ、あぁあ!」

 何を言われているのかもわかっていないのか、シーツを掴んで上に逃げようとしている。可哀想にと思うのと同時に、もっと喘がせたくなる。

 腰を掴んでさらに引き寄せると、肌と肌がぶつかる音がする。ポタポタと水が落ちるような音がして、クライスが声もなく達したのがわかる。

 ぐったりと力が抜けた体に容赦なく腰を打ち付ける。すぐにきつすぎる快楽に、クライスの体が勝手に反応してまた中を締め付けてくる。

「まだオレは一度もイってない」

 耳元で囁くと、大きく体が揺れる。瞳が合うと、許してというように首を小さく振っている。

「あぁ、可愛いな」

 自然と口元が緩んだのがわかる。足に手をかけて、さらに体を開かせる。

 中を味わう様にゆっくりと出し入れして、クライスの表情を見る。感じる部分を避けて、何度も隘路を往復してやる。

 だんだんとクライスが焦ったいと言う様に、自ら腰を揺らし始める。わざとペースを変えて突き上げると、甘い声を上げて顔を赤くする。

 無意識に腰を揺らしていたことに気づいて、恥じらう様に瞳を伏せるのが堪らなくいやらしい。陰茎がさらに大きくなるのを感じて、動きを速くする。

 途端に着いて来られなくなったクライスが高い声を上げるが、止めることなく奥へ奥へと何度も腰を打ち付ける。

「くっ……」

 登り詰めて、中に白濁を吐き出す。全て中に注ぐ様に腰をゆすると、クライスがまた出さずにイってしまったのだとわかる。

「安心しろ。ちゃんとイかせてやる」

 ずるりと中から一度陰茎を抜くと、逃げる様にクライスがうつ伏せになってシーツを蹴る。難なく捕まえて、まだ芯を保っていた陰茎を遠慮なく入れた。
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