悪役の僕 何故か愛される

いもち

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学院編

第五話 生徒会

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学院に入学した次の日。休みのはずなのに、アレクセイは制服を着ていた。ついでに僕も着替えさせられている。
「今日は休日なのに、どうして着替えるの?眠いよ。」
「そう言わないで、生徒会に選抜されたからね。今日は初めての会合だから仕方ないんだ。ほら朝食のサンドウィッチだよ。中はセインの好きなイチゴと生クリームいっぱいだよ。あー。」
まだ寝ぼけている僕は、アレクセイの膝に乗せてもらって大好きな甘いサンドウィッチを食べさせてもらう。朝に弱い僕は眠気で身体が揺れてしまい、椅子に一人で座ると落ちてしまう。だから家にいる時もアインズかアレクセイが介護してくれていた。
ん?生徒会?
「僕は生徒会に用事はないよね?」
「いや、セインも生徒会に所属するんだよ。」
「ええー!」
そうだ。ゲームでは攻略対象者と主人公は入学テストでの優秀な成績と家柄、見た目、特殊な才能があることで生徒会に所属する。
生徒会は生徒の模範であり、生徒の治安を守り、時に生徒の要望を教師の伝える架け橋役。
ゲームのセインは、なんとかアレクセイと一緒にいたくて生徒会に入りたがっていたけど、断られていたな。主人公が平民なのに所属していることに怒って、いじめていた。
「僕、成績もそこまで良くないし、元平民だよ。それに見た目も…醜い。」
「セインは私の婚約者。つまりは未来の王妃だ。理由はそれで十分だろう。それに、君は綺麗だ。この火傷を負わせた私が言うのもなんだが、それがあっても、……あるからこそ魅力がある。自分を卑下しないでくれ。」
「…ん。ありがと。建前でも嬉しいよ。」
生徒会って、目立つなあ。いやって言ってもアレクセイがまた暴れちゃうから、なるべく邪魔にならないように、お茶汲みとかお菓子を出したりしよう。

準備を終えるとドアのチャイムがなる。応答機に人が映し出される。ここはやっぱり日本のゲームの設定って感じだ。ちょっとファンタジーとのアンバランスさがあって面白い。
それから、ドア前にいるのはアインズとエルンだった。
「セインー、あとついでにオウジサマー。迎えにきたぞー。」
「セイン、おはよう!準備手伝おうか?」
「二人ともおはよう。大丈夫、もう準備できてるよ。行こ、アレクセイ。」
「ああ、そうだね。」
杖を持ち、アレクセイと共に部屋を出て二人と合流する。
それから休日の寮を出て、学院に向かう。
外には部活動や休日を楽しむ生徒たちの姿が散見される。
でも、彼らの視線が相変わらず刺さる。目立つ、目立つんだよねえ。僕はなるべく小さくなって、一番大きいアインズの影に隠れて、影を薄くなるように努めた。にやーっと笑って、アレクセイにドヤ顔しているアインズには、僕は気がつかなくて、二人はまた静かに喧嘩していた。

学院の教室棟の最上階のフロアが生徒会室が丸々所有している。エレベーターを利用して上がり、アレクセイが重厚な扉を開ける。
「おはようございます。新入生、アレクセイ・ヴィ・ルクサンドロス。参りました。」
「うーす、同じくアインズ・ゴースティ。めんどくさいけどきましたー。」
「おはようございますっ!エルン・フェアリーズ、同じく参りました~。」
みんな続々と挨拶をして入って行く。本当に僕も生徒会に居ていいんだろうか。やっぱりアレクセイの婚約者っていうだけで生徒会所属になるなんて、反感を買うに決まっている。やっぱり辞退しよう。

「あの、やっぱり、僕。」
「あー!やっときてくれたね!待っていたよ!」
全力ダッシュで来たのは瓶底丸メガネの生徒。しかも、僕めがけて一直線。手まで握られて、ブンブン上下に振られる。
「お待ちしてました。ゴースティ君!僕は現生徒会長の、カイウス・カイチョーだ!カイチョーは家名で会長とかけて僕の持ちネタなんだ!気軽にカイウスカイチョーと呼んでくれ!まあもう君たちと代替えになるから、モトカイチョーになるんだけどね。ワハハハ」
すごい早口で、台風みたいな勢いの人だ。僕が呆気に取られていると、カイウスさんの耳を引っ張って僕から引き剥がしてくれる。

「会長。セイン様が驚いていますので、その辺りで。」
「いたたた!痛いよ、レイムダル!先輩に対する思いやりが足りないよ!」
「そんなものは必要ないでしょう。昨日からすでにありとあらゆる人間に注意していますがセイン様は、アレクセイの婚約者なのですよ。不用意な接触は控えろと言っているんです。」
「セインにセクハラ、ダメです。」
「レイムダル!ヴィンセント!」
ゲームの通りレイムダルとヴィンセントがいた。確かゲームでは前の生徒会長について言及されていなかったけれど、引き継ぎは必要だものね。

「おはよう、セイン。」
「はい、おはようございます。セイン様。昨日ぶりですね。これとは従兄弟同士ですので、お気になさらず。そうそう、アレクセイと同室と聞いていますが、何も…されていないようでよかったです。」
「ん、アレクセイは奥手だし、僕はこんな見た目だからね。なにもしないよ。」
僕に手を出すなんてありえないだろう。僕は悪役だし。あ、でもエルンがアレクセイルートに入っていないかもしれないから、今後は僕どうなるのかな。アレクセイは僕をお嫁さんって言うけど、まあちゃんと違う人と婚約し直すだろう。王様だって、同性との結婚を許可しないだろうし。
「はあ~!?手を出さないなんて不能ですか?だらしない。」
「レイ、なんだか言っていることが矛盾していないかい?これでも鋼の意志で、我慢しているんだよ。」
「こんなに可愛い婚約者がいるというのに、キスの一つもしないとは。それでも思春期の男子ですか?」
なんだか意味のわからない理由でアレクセイが責められている。あと僕を可愛いって、みんな目をお医者に行った方がいいと思う。
二人がなんだか高度な下ネタを始めてしまったので、引っ張られた耳がくっついているか確認している会長の元へ行く。確か僕を待っていたって言っていた気がする。

「あの、カイウス会長、僕を待っていたというのはどうしてですか?」
「ああ!そうだそうだ!忘れたよ!」
忘れないでほしい。
まあきっと生徒会の辞退とかそういうのだろう。なんて思っていたのに、会長から放たれた言葉は全くの逆だった。

「セイン君に、次の生徒会長になってもらいたいんだ!」
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