悪役の僕 何故か愛される

いもち

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学院編

第六話 僕が生徒会長?

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「僕が、生徒会長?」
「そう!是非!」
僕が生徒会長?ゲームではアレクセイが生徒会長になっていたのに。どうして…。
僕なんて成績は良くないし、運動神経も悪い。見た目だって。
「お言葉ですが、会長という立場は僕に相応しくないと思います。成績や家柄を考えるに、アレクセイが妥当だと僕は思います。」
はっきり断って、アレクセイを推薦しよう。ゲームとかけ離れたら、なにかよからぬルートが発生するかもしれない。

「ええー、君がばっちりだと思ったのにー。」
どこを見てそう思ったのか。
しかも、他のみんなも残念そうな顔をしている。なぜ。
「ところで、どうしてセイン様を推薦されたのですか?まあ、私もセイン様が会長で問題ないと思いますが。」
レイムダルが僕の持っていた疑問を投げかけてくれた。でも僕が会長になることを諦めてくれてなさそう。

「んー、僕の勘。もあるんだけど、セイン君の家柄、成績を全て考慮してだよ。
会長があまりにも完璧すぎると、生徒たちが進言しづらいからね。かくいう僕も、男爵家で成績も中の中。僕が優秀というよりは、僕の部下が優秀なんだ。上司ってのは多少無能で、煽てやすいのがいいんだ。」
それってつまり、
「私のセインが、不出来で神輿にしやすい軽い男だというのか。」
アレクセイがキレそう。アインズも手が出そうになってて、ヴィンセントが必死に止めてくれている。
この人はノンデリっていう奴なのだろう。流石の僕もそこまで言われると凹む。
「うん。そう聞こえるね。僕に関しては事実だ。
でもね、生徒会長って色々特権があるんだよ。」

「たとえば、危険な行軍訓練に参加しないで済む。」
「なに?」
行軍訓練。この世界には危険な魔族や魔獣が蔓延っている。定期的に数を減らさないと、農村や小さな町は滅ぼされてしまう。そうならないために、軍がある。学院の生徒は、軍の重要性を理解するために行軍訓練を行う。ただし訓練という名の通り滅多に魔獣は現れず、基本的には軍がどういった働きをしているのかを共に過ごし、身をもって知ることだ。
この行事ができたのは、軍の必要性を理解していなかった馬鹿な貴族たちが、軍の縮小を訴え、民や主要都市に被害が出たためだ。そこで学生の身分から魔獣の恐ろしさ、軍がどれだけ国の平和のために活動しているのかを知る機会を得ようと当時の学院長や国王が立ち上げたもの。

ゲームでの行軍訓練は大きなイベントの一つで、冬に行われるが、自身のステータスが不十分だとゲームオーバー、つまりは死んでしまう。
これは攻略対象者も同じで、ある程度鍛錬をしていないと、自分が生き残っても、相手が死ぬこともあった。
僕がもし魔族や魔獣に出逢ったら、恐らく死ぬだろう。

「セイン君は、アレクセイ様の婚約者だからね。
危険なことには参加させられないでしょ!
実は生徒会長って、花形に見えて基本的には裏方の仕事なんだよね。行事の挨拶とかはするけど、その後は学院での生徒の行動の調査とか、素行不良の生徒がいないかとか。行軍訓練も、学院に残って、遠隔視認魔法で行軍状況とか、生徒の疲労状況を確認して、軍の上層部と進行の調整をするんだ。」

「なるほど。」
アレクセイがうんうん頷いている。
でもアレクセイはイベントの時前線にいたよね。そんな大変なことをしながら訓練もしていたなんて、体力がすごい。
「セインが安全な学院にいるのはいいことですね。」
「セインは危なっかしいからなー。しかも小さいから他の奴らに潰されそうだし、訓練に体力が耐えられそうにないし。俺はセインが生徒会長になるのに賛成だ。」
「ぁ、僕も。僕もセインが生徒会長になるのに賛成!」
「…おれも」

「でも、僕はやっぱり会長なんて器じゃ。」
「生徒会長は、食堂で特別メニューがいつでも食べられるよ。」
「…。」
「朝も夜も、いつ行っても食事が出てくるよ。」
「…。」
「デザートもなんでも食べ放題。」
「…や、


やります。」

食欲に勝てなかった。
アレクセイは食事のことでちょっと拗ねていたけど、それは知らないふりをしよう。
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