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変な男の人たち
外国人モデル その3
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男女とも、まずは外見から好きになる。
これは事実であると思う。
しかし、その美しい、もしくは自分の好みである外見はいつか見飽きる。
そして次の段階で目が向くのは内面だろう。
「外見ではなく性格が良ければいい」
とは綺麗事ではなく、外見に見飽きた第二段階ではここが重要になってくる。
マークは文句なく美しかった。
しかし、最初見た時の衝撃が薄れてきた頃、マークの性格が徐々に鼻についてきたのだ。
まず、前述した通り、気が合わなかった。
それに火に油を注ぐような出来事が立て続けに起こった。
マークは外国人らしくはっきり物を言う。日本人のように言葉を濁さない。
日本のスイーツ類はまずい、と彼は以前から言っていた。
私がクリスマスにケーキを買っていった時、一口食べた後、まずい!とはっきり言った。そして驚くことに、そのケーキを捨ててしまったのだ。これには唖然としてしまった。
外国人でも気を遣って食べる人もいるだろう。しかし、マークはその辺、はっきりしていた。
その時、日本人の男の人なら無理をしてでも食べただろうな、と私は思った。
それから、マークはスウェーデンから送ってもらった苦いチョコレートを私にくれたのだが、日本のチョコレートに慣れていた私はちっとも美味しいと思わなかった。しかし、マークはこれが本物のチョコレートなんだ!と力説した。
うぜえな、この外国人。
と、心の底で思った。
そんなある日、マークの家に行ったのだが、呼び鈴を鳴らしたのに出て来てくれなかった。家の電気は点いている。
諦めて帰ったが、こんなことが二度あった。
マークにそれを言うと、あの時は父親と電話をしていて出られなかったなどと饒舌に言い訳し、言い訳が通じないと分かると今度は日本語がよく分からないふりをした。
そして、僕のうちに来る時は、必ず電話してから来てね、と言われた。
ああ、こいつ私の他に女と遊んでるな。
と、ピンと来た。
そもそもマークの外見に惹かれていただけであって、それは完全に恋愛感情とは違っていた。その気持ちの九割以上は好奇心だった。だから他に女がいると分かっても苦笑が浮かんだだけで、腹も立たなかった。
イケメン外国人モデルで、日本語がペラペラ。
相当日本人の女を引っかけているに違いなかった。
また、マークに声をかけられたらよほどじゃなければ女の方も断らないだろう。
マークに昔の写真を見せてもらった時、スウェーデンにいたにもかかわらず、ガールフレンドがアジア人だった。昔からアジア人の女の子が好きだったのだろう。
まあ、最初の相手があれだけ綺麗な男で良かった。
それからマークから「うちに来ない?」と数回電話があったが、もう面倒臭くなってしまって行かなくなった。
マークとはそれっきりだった。
その8年後の話である。
ぼんやりテレビを見ていたら、なんとマークが出ていた。
スウェーデンの名所を紹介していた。
確か31才になったはずだが、以前とあまり変わっていなかった。
ところが
「マークさん27才」
とのフリップが。
私より4才年上だったマークが、いつの間にか私と同じ年になっていた。
せこい。年をごまかしているのだ。30代より20代の方がいいだろうという浅ましさ。
私はテレビを見ながら再び苦笑してしまった。
これは事実であると思う。
しかし、その美しい、もしくは自分の好みである外見はいつか見飽きる。
そして次の段階で目が向くのは内面だろう。
「外見ではなく性格が良ければいい」
とは綺麗事ではなく、外見に見飽きた第二段階ではここが重要になってくる。
マークは文句なく美しかった。
しかし、最初見た時の衝撃が薄れてきた頃、マークの性格が徐々に鼻についてきたのだ。
まず、前述した通り、気が合わなかった。
それに火に油を注ぐような出来事が立て続けに起こった。
マークは外国人らしくはっきり物を言う。日本人のように言葉を濁さない。
日本のスイーツ類はまずい、と彼は以前から言っていた。
私がクリスマスにケーキを買っていった時、一口食べた後、まずい!とはっきり言った。そして驚くことに、そのケーキを捨ててしまったのだ。これには唖然としてしまった。
外国人でも気を遣って食べる人もいるだろう。しかし、マークはその辺、はっきりしていた。
その時、日本人の男の人なら無理をしてでも食べただろうな、と私は思った。
それから、マークはスウェーデンから送ってもらった苦いチョコレートを私にくれたのだが、日本のチョコレートに慣れていた私はちっとも美味しいと思わなかった。しかし、マークはこれが本物のチョコレートなんだ!と力説した。
うぜえな、この外国人。
と、心の底で思った。
そんなある日、マークの家に行ったのだが、呼び鈴を鳴らしたのに出て来てくれなかった。家の電気は点いている。
諦めて帰ったが、こんなことが二度あった。
マークにそれを言うと、あの時は父親と電話をしていて出られなかったなどと饒舌に言い訳し、言い訳が通じないと分かると今度は日本語がよく分からないふりをした。
そして、僕のうちに来る時は、必ず電話してから来てね、と言われた。
ああ、こいつ私の他に女と遊んでるな。
と、ピンと来た。
そもそもマークの外見に惹かれていただけであって、それは完全に恋愛感情とは違っていた。その気持ちの九割以上は好奇心だった。だから他に女がいると分かっても苦笑が浮かんだだけで、腹も立たなかった。
イケメン外国人モデルで、日本語がペラペラ。
相当日本人の女を引っかけているに違いなかった。
また、マークに声をかけられたらよほどじゃなければ女の方も断らないだろう。
マークに昔の写真を見せてもらった時、スウェーデンにいたにもかかわらず、ガールフレンドがアジア人だった。昔からアジア人の女の子が好きだったのだろう。
まあ、最初の相手があれだけ綺麗な男で良かった。
それからマークから「うちに来ない?」と数回電話があったが、もう面倒臭くなってしまって行かなくなった。
マークとはそれっきりだった。
その8年後の話である。
ぼんやりテレビを見ていたら、なんとマークが出ていた。
スウェーデンの名所を紹介していた。
確か31才になったはずだが、以前とあまり変わっていなかった。
ところが
「マークさん27才」
とのフリップが。
私より4才年上だったマークが、いつの間にか私と同じ年になっていた。
せこい。年をごまかしているのだ。30代より20代の方がいいだろうという浅ましさ。
私はテレビを見ながら再び苦笑してしまった。
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