Aセクシャルの人

セリー

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変な男の人たち

男子高出身 その2

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佐々木くんはベッド、私はベッドの下に布団を敷いて、横になりながら二人でしばらくお喋りした。

眠くなってきたのでお喋りをやめて目を閉じていたら
「もう寝た?」
と佐々木くんにきかれた。
「ううん、まだ寝てないよ」
と答えたが、佐々木くんはそのまま黙った。

しばらくして、半分寝そうなその時
「もう寝た?」
とまた佐々木くんはきいてきた。
「寝てないけど、もう眠い」
と私は答えた。

そして、いよいよ眠りにつくだろうその時
佐々木くんは再度きいた。
「もう寝た?」

いい加減にしろ!!
何回きくんだこの男!!

と、若干苛つき、無視してそのまま寝てしまった。

そして何事もなく朝になり、昼頃佐々木くんの家を出た。


そのお泊まりから数週間後のお正月。

佐々木くんから年賀状が届いた。

そこには「あの時はごめんなさい。友達にも叱られた。罪滅ぼしをしたい。今年は喜ぶこと何でもするから。」と書かれていた。

???

私の頭の中ははてなでいっぱいになった。

謝られることした?罪滅ぼしって何?

散々考えた挙句、恐らく

せっかく泊まりに来てくれたのに、キスどころかまったく手を出さず、プライドを傷つけてごめんなさい、友達に何で勇気を出して泊まりに来てくれたのに何もしてあげなかったんだと怒られた。

というところだろうか?

あの時、何回も「寝た?」を繰り返したのは、あわよくばエッチな事をしたい、でも勇気が出ない、ということだったのか?

年賀状で反省の弁を述べられ、私は少々戸惑った。

平然と他の女の子がきれいだと散々言い、誘ってくる様子もないあっさりとした対応はどう見ても私を友達としか見ていないようだったが、年賀状ではこの調子。

一体何がしたいのか?私をどんな対象として見ているのか?恋愛感情がある?それともやりたいだけ?

さっぱり分からなかった。

今思うと
彼自身もどうしたらいいのか分からなかったのだろう。

仕方ない、彼は初心者なのだ。
いやらしい誘い方もしたくはなかったのだろう。

また、私の方も悪かったと思う。
佐々木くんと付き合いたい、エッチしたい、ではなく、「見た目がかっこいいから目の保養にしたい」という常人では理解できないような理由で彼に近づいたからだ。だから私自身も積極的になれなかった。

彼の場合、女の子の方から積極的にならないと何も起こらないだろう。

佐々木くんの言動には謎が多かったが、だからといって決して彼を嫌いではなかった。

ところが
もうこの人いいや、と思う事件が起こってしまった。






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