Aセクシャルの人

セリー

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変な男の人たち

男子高出身 その3

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友達の家に行く前に、佐々木くんの家に遊びに行った。

お腹が空いていたので、佐々木くんと二人で食べようと思いケンタッキーでパーティバーレルを買っていった。

最寄りの駅に着いて佐々木くんに電話すると、「駅でちょっと待ってて」と言われた。

そこで一時間待たされた。

理由は分からない。彼自身もなんでそんなに私を待たせたのか言わなかった。

私は腹が減っていた。一時間待たされて更に空腹度は増した。

佐々木くんの家に着き、パーティバーレルをテーブルに置いて二人で食べようと思い私は蓋を開けた。待たされたので温かさはずいぶんなくなってはいたが、いい匂いがたちこめた。

ところが

彼はなぜかパーティバーレルの蓋を閉めた。

そして彼はそれをキッチンに持っていった。
レンジで温め直すのか?と思ったらそういう様子もない。

あれ?食べないの?なんで?

まさかこの大量のフライドチキンを自分一人で食べるつもりなのか?普通このシチュエーションなら二人で食べるだろう!しかも今夕飯時だぞ!

と、私は呆気にとられて何も言えなくなってしまった。
貧乏な一人暮らしで食べ物に困っているのは分かる。しかし、私が帰った後、この大量のフライドチキンを一人でガッついて食べるのを想像したら猛烈に興醒めした。

大学生の自分にとってパーティバーレルはいいお値段だった。でもその時、それでも私はフライドチキンが食べたかったのだ。ところが佐々木くんはそれをありがとうも言わずに受け取り、自分一人のお土産にしてしまったのだ。

そして空腹のまま
佐々木くんの「看護婦と合コンをやった」という話を散々聞かされた。

年賀状に書かれていた「喜ぶこと何でもするから」というのは何だったのか。これが彼の思う喜ぶことだったのか?

数時間して佐々木くんの家を出たが、一時間待たされた上に空腹、そして合コン話を一方的に聞かされ、凄まじい疲労感だけが残った。

たとえ友達だとしてもこれは嫌になる。

それからなんとなく佐々木くんと疎遠になっていくのだが

大学で久しぶりに佐々木くんに会った時、なぜかその日に彼から電話があり「どうして急に化粧が濃くなったの?」ときかれ

これで完全に佐々木くんと話す気がなくなった。

この時には、美しいと思っていた佐々木くんのビジュアルは冷めた気持ちもあいまって、まったく美しいとは思わなくなっていた。

男子高出身でどうこうというより、元々佐々木くんは空気の読めない変な人だったのかもしれない。

フライドチキンの恨みは後々まで残り、彼と過ごした短い日々は大学時代の嫌な思い出となってしまった。








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