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本編
3 近衛騎士 (クラウス視点)
近衛騎士の隊長であるクラウスは、多少なりともウンザリしていた。
定期的とは言え、見習いを募る事は、いつもの事だ。
実力重視、と言うからには、傭兵や剣士、腕に自信のある者達が来る筈だ。
だからこそ試験官は、腕の良い厳選された数名が、交代制で手合わせをする。
こちらとしても、王城の近衛騎士の名が掛かっている分、腕の良さを落とす訳にはいかないのだ。
多少の手加減は有ったとしても、自ら敗北する事は許されない。
正々堂々戦って負けたのならば、それは相手の実力でしか無いと思っていたのだ。
(だが、こうも質が悪いと、気が滅入る。手合わせしても、1分持てば良い方だ。これじゃあ合格なんて、出せる訳が無い。いっその事、王子に交渉して、打ち切って貰おうか。どうせなら、各地の武術大会でも観戦して、良さそうな相手をスカウトした方が速そうだ。受験者は後一人。そいつが使い物になるかどうかだな。まぁ、今までの奴等から見て、今回も合格者は出なさそうだが……)
そう思った矢先、最後の一人が入って来る。
「ん?」
まだ、少年と呼べそうな顔立ちに、細い身体。
どう見ても成人前だ。
街中を歩いていても、違和感は無い。
現に、他の隊員達は、明らかに戸惑っている。
「何て場違いな……」
「おいおい、何かの間違いか?」
「選りにも選って、隊長とかよ……」
「他の奴等でも、隊長と当たった奴等は不運だと思ってたけど……」
「可哀想に」
「勇気は買うが……」
誰もが悲壮な表情を浮かべて、悲観的な同情をする。
が、その中で、ただ数人のみが、違う……。これは、今までの奴等とは全く違う!!と見抜くのだった。
そして、隊長と成り代わって、手合せをしてみたい!!と、心底思う。
つまり、見抜いた者とは、厳選された試験官達で有り、隊長と同じく試験官達もまた、今までのあまりの質の悪さに、ウンザリしていたのである。
無表情な若者を見つつ、やっと真面なのが出てきたか、と思わず笑みが零れる。
あれ程違和感無く、自然に剣を馴染ませているのなら、街中でも、帯剣している事すら気付かれていないのだろう。
そして、剣を扱う者ならば、帯剣している事に気付きはするが、持っているだけだ、と認識する事だろう。
中には自然過ぎて、逆に違和感を覚えるだろうが、注意力が散漫なら、気の所為ぐらいで済まされる筈だ。
(面白い。これなら合格者に、成り得るかもな!)
模擬剣を取り、若者へと投げてやる。
「俺は、クラウス=ジェイド。近衛騎士の隊長で、お前の試験官だ。お前の名は?」
場が騒めく。
「隊長?!」
「何で名を?」
「今まで、一度たりとも言わなかったのに……!!」
それに対し、試験官の一人が声を上げる。
「静かに!!受験者が困っているじゃないか。因みに僕も、聞きたいんだよねぇ♪」
試験官達の有無を言わせぬ雰囲気に、他の隊員達は、ただただ押し黙るしか無かった。
定期的とは言え、見習いを募る事は、いつもの事だ。
実力重視、と言うからには、傭兵や剣士、腕に自信のある者達が来る筈だ。
だからこそ試験官は、腕の良い厳選された数名が、交代制で手合わせをする。
こちらとしても、王城の近衛騎士の名が掛かっている分、腕の良さを落とす訳にはいかないのだ。
多少の手加減は有ったとしても、自ら敗北する事は許されない。
正々堂々戦って負けたのならば、それは相手の実力でしか無いと思っていたのだ。
(だが、こうも質が悪いと、気が滅入る。手合わせしても、1分持てば良い方だ。これじゃあ合格なんて、出せる訳が無い。いっその事、王子に交渉して、打ち切って貰おうか。どうせなら、各地の武術大会でも観戦して、良さそうな相手をスカウトした方が速そうだ。受験者は後一人。そいつが使い物になるかどうかだな。まぁ、今までの奴等から見て、今回も合格者は出なさそうだが……)
そう思った矢先、最後の一人が入って来る。
「ん?」
まだ、少年と呼べそうな顔立ちに、細い身体。
どう見ても成人前だ。
街中を歩いていても、違和感は無い。
現に、他の隊員達は、明らかに戸惑っている。
「何て場違いな……」
「おいおい、何かの間違いか?」
「選りにも選って、隊長とかよ……」
「他の奴等でも、隊長と当たった奴等は不運だと思ってたけど……」
「可哀想に」
「勇気は買うが……」
誰もが悲壮な表情を浮かべて、悲観的な同情をする。
が、その中で、ただ数人のみが、違う……。これは、今までの奴等とは全く違う!!と見抜くのだった。
そして、隊長と成り代わって、手合せをしてみたい!!と、心底思う。
つまり、見抜いた者とは、厳選された試験官達で有り、隊長と同じく試験官達もまた、今までのあまりの質の悪さに、ウンザリしていたのである。
無表情な若者を見つつ、やっと真面なのが出てきたか、と思わず笑みが零れる。
あれ程違和感無く、自然に剣を馴染ませているのなら、街中でも、帯剣している事すら気付かれていないのだろう。
そして、剣を扱う者ならば、帯剣している事に気付きはするが、持っているだけだ、と認識する事だろう。
中には自然過ぎて、逆に違和感を覚えるだろうが、注意力が散漫なら、気の所為ぐらいで済まされる筈だ。
(面白い。これなら合格者に、成り得るかもな!)
模擬剣を取り、若者へと投げてやる。
「俺は、クラウス=ジェイド。近衛騎士の隊長で、お前の試験官だ。お前の名は?」
場が騒めく。
「隊長?!」
「何で名を?」
「今まで、一度たりとも言わなかったのに……!!」
それに対し、試験官の一人が声を上げる。
「静かに!!受験者が困っているじゃないか。因みに僕も、聞きたいんだよねぇ♪」
試験官達の有無を言わせぬ雰囲気に、他の隊員達は、ただただ押し黙るしか無かった。
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