ヴァインガー ~過去と未来を結ぶ絆~

カザハナ

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本編

5 見学者達 (試験官達サイド)

 その場にいた誰もが、この試合に魅せられ、惹き付けられていた。


「何……だ?この試合は……」

「すげぇ……」

「あいつ……何者……」


 呆然と立ち竦む隊員達を横目に、一人の試験官が、隣にいる試験官へと話し掛ける。


「さぁっすがだねぇ。コートを着たままで、あんな動きが出来るなんてねぇ」


 その顔には、興味津々と言った、笑みが浮かぶ。


「ああ。強いだろうとは思っていたが、まさか、隊長と同等だとはな」


 その会話を聴いていた、他の試験官達も、話に加わる。


「力なら隊長だけど、速さなら彼だろうね」

「良いよな、隊長。どうせなら、俺が当たりたかったよ」


 その言葉に、最初に話し掛けられた男が、冷静に答える。


「お前じゃ無理だ。あれは・・・隊長だからこそ、互角で戦えるんだ」


 気難しそうな雰囲気を醸し出す男に、最初に話し掛けた男が、口元の笑みを消さずに同意する。


「だよねぇ」


 そして、時計を確認し、非常に残念そうな声を上げる。


「う~ん。この試合、いつまで続くか見てみたいのは山々なんだけど、後ちょっとで時間切れだよ」


「えっ?!もう、そんな時間?」


 気難しそうな男に無理だと言われた男が聞き返す。

 と、それを、気難しそうな男が肯定する。


「だな。……さて、誰が・・見る?」


 気難しそうな男が、一同を見回すと、各々が目をキラキラ輝き出させる。


「あっ、俺!俺~!!」

「私でも構わないよ。彼となら、楽しくなりそうだからね」


 先程から、笑みを絶やさない男が、口を開く。


「因みに、僕も彼なら良いなぁ」

「げっ!!イージー副隊長?!勘弁してくれよ~。あんたが名乗りを上げたら、俺の可能性なんて皆無じゃん!!」

「悪いな。俺も同意見だ」


 気難しそうな男までもが声を上げた。


「ゼクト副隊長、あんたもかよぉ~~~っっ!!!」


 男の絶叫を、軽く無視る、他の試験官達。


「左右の副隊長が、出揃いましたね。後は、隊長がどう出るか」

「十中八九、見るんじゃないか?隊長が」


 気難しそうな顔をしたまま、ゼクトが、クラウスとハインの試合から、目を逸らさずに答えると、イージーも切りの良いタイミングを計りながら、それに答える。


「一番妥当な案だしねぇ。面倒見も良いし、隊長相手に喧嘩を売るような、馬鹿も少ないし」

「その分、奴に被害が出そうだがな」


 ゼクトは、対戦相手のハインに目を向けた。


「まぁ、それを乗り越えられる、技量が有るから良いんじゃない?乗り越えられなきゃ、それ程度って事だしねぇ」


 イージーがゼクトの言葉に答える。

 冷たいようだが事実で有る。


「いずれにしろ、なるようにしかならん。時間だぞ」


 ゼクトがイージーに目配せすれば、イージーも、今だとばかりに頷き、声を張り上げる。


「了解。双方、そこまで!!」
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