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本編
12 宿舎
ハインは、クラウスに連れられて、宿舎へとやって来る。
ハインからすれば、どこに向かっているのかも分からない状況だが、クラウスの足取りは迷い無い。
どうせ、監視され続けるのだから、懸命に覚えなくても徐々に覚えていけるだろうなとハインは思っているが、一応周辺の様子や、退路を頭に入れるのが常になっているハインは、頭を動かさずに周囲を観察しながら歩いてる。
「常に行動を共にするから、あまり覚えなくても支障は無いが、一応あの二人の部屋も、知って置いた方が良いだろう」
階段を上がり、そのまま奥へと進んで、突き当たりの部屋の一つ手前で足を止めるクラウス。
そして、そのまま左右に並ぶ二部屋ずつを指差して言う。
「こっち側の二つの部屋がゼクト、逆向かいに有る、この二つの部屋がイージーだ」
「はぁ」
ハインが相槌を打つと、更に奥へと進むクラウス。
突き当たりの部屋の前で足を止めると、クラウスが部屋の説明をする。
「隊員達は、見習いを育てる為に、見習い過程を終了し、騎士に昇格したら、続き部屋の有る部屋を、必ず持つ事になっている。だから、ゼクトもイージーの部屋も、二つ有る。指導者一人に付き、上限が一人。続き部屋の片方から、隣の部屋を監視する為だ。当然、ハインの部屋も、俺の隣になる訳だが……」
クラウスが鍵を取り出し、自室らしき部屋の扉を開けて、ハインを中へと導く。
「ハインは、こっちの部屋を使え。一応一通りの家具は揃っているから、好きに使ってくれて構わない。もしも、足りない物が有るのなら、遠慮無く言ってくれれば調達するし、困った事や分からない事は、何でも相談に乗るぞ」
ハインはハインで、表情には少しも出さずに、少々戸惑いながら、聞き返す。
「こんなに広い部屋を、使わせて貰っても良いんですか?……それに、一人部屋なんて……」
(本当に良いのだろうか?普通、監視するなら同じ部屋が当然だし、複数人が監視する事が多いから、雑魚寝が当然だろうと思ってたんだけど……)
「家具も使って良いなんて……。傷付けそうで、恐いです……」
「傷ぐらい、どうって事ない。遠慮無く使え。今日からここが、お前の部屋だ」
きっぱり言い切るクラウスに、無表情のまま少し驚くものの、ハインは部屋をよくよく見回し、感嘆する。
「部屋を一つ、与えて貰える事自体が初めてです。良い部屋ですね。広いし、清潔だし、ベッドも有るし……。こんなに良い部屋を、本当にわたし一人で使っても良いんですか?ベッドなんて、高級品なのに……。あれ、でも、隊長は?わたしがここを使ったら、隊長は、どこで寝るんですか?」
思わずハインが口にした言葉に、クラウスは、内心頭を抱えた。
ハインからすれば、どこに向かっているのかも分からない状況だが、クラウスの足取りは迷い無い。
どうせ、監視され続けるのだから、懸命に覚えなくても徐々に覚えていけるだろうなとハインは思っているが、一応周辺の様子や、退路を頭に入れるのが常になっているハインは、頭を動かさずに周囲を観察しながら歩いてる。
「常に行動を共にするから、あまり覚えなくても支障は無いが、一応あの二人の部屋も、知って置いた方が良いだろう」
階段を上がり、そのまま奥へと進んで、突き当たりの部屋の一つ手前で足を止めるクラウス。
そして、そのまま左右に並ぶ二部屋ずつを指差して言う。
「こっち側の二つの部屋がゼクト、逆向かいに有る、この二つの部屋がイージーだ」
「はぁ」
ハインが相槌を打つと、更に奥へと進むクラウス。
突き当たりの部屋の前で足を止めると、クラウスが部屋の説明をする。
「隊員達は、見習いを育てる為に、見習い過程を終了し、騎士に昇格したら、続き部屋の有る部屋を、必ず持つ事になっている。だから、ゼクトもイージーの部屋も、二つ有る。指導者一人に付き、上限が一人。続き部屋の片方から、隣の部屋を監視する為だ。当然、ハインの部屋も、俺の隣になる訳だが……」
クラウスが鍵を取り出し、自室らしき部屋の扉を開けて、ハインを中へと導く。
「ハインは、こっちの部屋を使え。一応一通りの家具は揃っているから、好きに使ってくれて構わない。もしも、足りない物が有るのなら、遠慮無く言ってくれれば調達するし、困った事や分からない事は、何でも相談に乗るぞ」
ハインはハインで、表情には少しも出さずに、少々戸惑いながら、聞き返す。
「こんなに広い部屋を、使わせて貰っても良いんですか?……それに、一人部屋なんて……」
(本当に良いのだろうか?普通、監視するなら同じ部屋が当然だし、複数人が監視する事が多いから、雑魚寝が当然だろうと思ってたんだけど……)
「家具も使って良いなんて……。傷付けそうで、恐いです……」
「傷ぐらい、どうって事ない。遠慮無く使え。今日からここが、お前の部屋だ」
きっぱり言い切るクラウスに、無表情のまま少し驚くものの、ハインは部屋をよくよく見回し、感嘆する。
「部屋を一つ、与えて貰える事自体が初めてです。良い部屋ですね。広いし、清潔だし、ベッドも有るし……。こんなに良い部屋を、本当にわたし一人で使っても良いんですか?ベッドなんて、高級品なのに……。あれ、でも、隊長は?わたしがここを使ったら、隊長は、どこで寝るんですか?」
思わずハインが口にした言葉に、クラウスは、内心頭を抱えた。
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