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本編
15 些細な変化 (クラウス視点)
「こんなに優遇されるなんて……どうすればいいのか分かりません」
無表情のまま、ただ少し、困惑気味な雰囲気を醸し出しながらも、ハインがクラウスに言う。
その言葉に、クラウスは頭を殴られた気分だ。
(『優遇』……。ハインにとっては、こんな普通の事すら優遇なのか……)
ハインにとっては、ここの待遇は、優遇でしかないのだ。
「いいか、ハイン。これは優遇じゃない。当たり前の待遇で、当然の扱いなんだ。お前の実力からすれば、本当ならもっと、優遇するべき事なんだ」
クラウスの強調された言葉を聞いて、ハインは首を横に振る。
「無理です。これ以上の優遇なんて、想像すら付きません。そんな勿体無い事、しないで下さい」
キッパリ言い切るハインに、慣れさせるのは至難の業だなと思い、思わず溜め息を吐くクラウス。
「隊長……」
「ん?」
「色々と有難う御座います。貴方みたいな人の下で、働けるなんて、凄く、嬉しいです」
今までの無愛想な顔に、本の少し、変化が表れる。
本当に、よく見ていなければ分からない程の、些細な変化だが、まるで、花が綻びるかのように、その口元が綻んだ。
何故、花、と例えたのか、クラウス自身が不思議だった。
(男に対して、『花』は無いだろう。ハインが知れば、どう思うやら……)
だが、今までの無表情っぷりに、あんな笑みを見せられては、マジマジと見入るのも、仕方が無い事だと思う。
惜しいと言えば、その笑みが、長くは持たなかった事だ。
「所で、近衛騎士の直属見習いって、何をすれば良いんですか?」
(そこそこ可愛かったのに、勿体無い。儚い物だった……)
「……隊長?」
「ああ、悪い。聞いている。仕事内容は、訓練と警備が主な役割だ。ハインには、雑用も兼ねて貰う事になるとは思うがな。とは言え、一人で歩き廻れる事は出来ないな。常に、俺か他の隊員……と言っても多分、あの二人、副隊長が一緒になると思うが、俺が付いててやれない時は、あの二人が付いててくれる筈だ」
(まぁ、これはハインに限らず、他の見習いなら、誰だって同じ事だが)
「ああ、それと、ここの騎士団は九つの隊に分かれている。大まかに分けると二種類で、北部、中央部、南部と王都に配置されている隊と、国王とその家族の直属に当たる隊だ。因みに俺が率いる隊は後者で、この国の王子の近衛だ。他に質問は有るか?」
クラウスはハインに問い掛けた。
無表情のまま、ただ少し、困惑気味な雰囲気を醸し出しながらも、ハインがクラウスに言う。
その言葉に、クラウスは頭を殴られた気分だ。
(『優遇』……。ハインにとっては、こんな普通の事すら優遇なのか……)
ハインにとっては、ここの待遇は、優遇でしかないのだ。
「いいか、ハイン。これは優遇じゃない。当たり前の待遇で、当然の扱いなんだ。お前の実力からすれば、本当ならもっと、優遇するべき事なんだ」
クラウスの強調された言葉を聞いて、ハインは首を横に振る。
「無理です。これ以上の優遇なんて、想像すら付きません。そんな勿体無い事、しないで下さい」
キッパリ言い切るハインに、慣れさせるのは至難の業だなと思い、思わず溜め息を吐くクラウス。
「隊長……」
「ん?」
「色々と有難う御座います。貴方みたいな人の下で、働けるなんて、凄く、嬉しいです」
今までの無愛想な顔に、本の少し、変化が表れる。
本当に、よく見ていなければ分からない程の、些細な変化だが、まるで、花が綻びるかのように、その口元が綻んだ。
何故、花、と例えたのか、クラウス自身が不思議だった。
(男に対して、『花』は無いだろう。ハインが知れば、どう思うやら……)
だが、今までの無表情っぷりに、あんな笑みを見せられては、マジマジと見入るのも、仕方が無い事だと思う。
惜しいと言えば、その笑みが、長くは持たなかった事だ。
「所で、近衛騎士の直属見習いって、何をすれば良いんですか?」
(そこそこ可愛かったのに、勿体無い。儚い物だった……)
「……隊長?」
「ああ、悪い。聞いている。仕事内容は、訓練と警備が主な役割だ。ハインには、雑用も兼ねて貰う事になるとは思うがな。とは言え、一人で歩き廻れる事は出来ないな。常に、俺か他の隊員……と言っても多分、あの二人、副隊長が一緒になると思うが、俺が付いててやれない時は、あの二人が付いててくれる筈だ」
(まぁ、これはハインに限らず、他の見習いなら、誰だって同じ事だが)
「ああ、それと、ここの騎士団は九つの隊に分かれている。大まかに分けると二種類で、北部、中央部、南部と王都に配置されている隊と、国王とその家族の直属に当たる隊だ。因みに俺が率いる隊は後者で、この国の王子の近衛だ。他に質問は有るか?」
クラウスはハインに問い掛けた。
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