26 / 85
本編
24 絞め上げ
「ハイン……。今までの雇い主に会わせろ。俺がこの手で絞め上げる」
「は……え?」
思わず相槌を打ち掛けたハインだが、不穏な言葉と気配に思わず途中で聞き返した。
「うぅ~わぁ~。隊長がキレちゃったやぁ……」
完全に目が据わったクラウスの横顔を見て、イージーが呟く。
「えぇ?!」
思わず、何で?とハインは言いそうになるのだが、その前にクラウスが口を開いた。
「どこのどいつだ、その莫迦は。現在地と名前を、片っ端から挙げていけ」
クラウスが身を乗り出し、ハインに迫る。
「むっ……無理です!一人や二人じゃないですし、それにーー」
「義理立てするな!そんな雇い主は、殺られて当然だ」
見兼ねたゼクトが口を挟む。
「それに付いては同意見だが、取り敢えず落ち着け。目的自体が変わってきているぞ」
冷静なゼクトの声に、何とか正気を取り戻したクラウスは、少しだけ、怒りを抑える。
「そうだな……悪い。ついカッとなった」
クラウスは自分の皿を、ハインの方へと押し遣り、ハインに言葉を掛ける。
「まだ、手を付けてない分だから、ハインは食ってろ。俺は、もう少し取ってくる」
「……え?」
ハインは意味が分からず問い返すも、クラウスはそんなハインに念を押す。
「いいな?給金は減らない。だから、安心して、確り食っとけ」
「はぁ……」
思わず相槌を打ち、そのまま呆然と戸惑いながら、階下に降りるクラウスを見送る。
「……って、隊長を使いっ走りにしちゃった?!わたしも行きます!」
慌ててハインが立ち上がると、両副隊長である、ゼクトとイージーから、待ったの声を掛けられる。
「まぁまぁ、座って座って」
「気にするな。隊長が好きで行ったんだ。それより、『それに』の続きは何だ?」
立ち上がった状態のまま、ハインは少し前の会話を、頭の中で思い起こす。
「?……ああ、さっきのですか。別に、大した事じゃないですよ?」
「気になるから言え。それと、座れ」
「そうそう。隊長の事は放って置いても大丈夫だから、ボクも続きが聞きたいなぁ」
ハインはクラウスを追うのを諦めて、静かに着席した。
「はぁ。……実は、中には居たんですよ。既にわたしが手を上げた雇い主が、何名か」
ハインの言葉に、意外だと言う表情を浮かべる二人。
ハインの話を聞いていると、やられっぱなしと言うイメージが付き纏う為だ。
「えっ……本当に?」
イージーは、大人しそうなのに、やるなぁと思い、ゼクトもまた、納得する。
「理由……は、充分に有るだろうからな」
あまりの納得の早さに、ハインは思わず反論した。
「は……え?」
思わず相槌を打ち掛けたハインだが、不穏な言葉と気配に思わず途中で聞き返した。
「うぅ~わぁ~。隊長がキレちゃったやぁ……」
完全に目が据わったクラウスの横顔を見て、イージーが呟く。
「えぇ?!」
思わず、何で?とハインは言いそうになるのだが、その前にクラウスが口を開いた。
「どこのどいつだ、その莫迦は。現在地と名前を、片っ端から挙げていけ」
クラウスが身を乗り出し、ハインに迫る。
「むっ……無理です!一人や二人じゃないですし、それにーー」
「義理立てするな!そんな雇い主は、殺られて当然だ」
見兼ねたゼクトが口を挟む。
「それに付いては同意見だが、取り敢えず落ち着け。目的自体が変わってきているぞ」
冷静なゼクトの声に、何とか正気を取り戻したクラウスは、少しだけ、怒りを抑える。
「そうだな……悪い。ついカッとなった」
クラウスは自分の皿を、ハインの方へと押し遣り、ハインに言葉を掛ける。
「まだ、手を付けてない分だから、ハインは食ってろ。俺は、もう少し取ってくる」
「……え?」
ハインは意味が分からず問い返すも、クラウスはそんなハインに念を押す。
「いいな?給金は減らない。だから、安心して、確り食っとけ」
「はぁ……」
思わず相槌を打ち、そのまま呆然と戸惑いながら、階下に降りるクラウスを見送る。
「……って、隊長を使いっ走りにしちゃった?!わたしも行きます!」
慌ててハインが立ち上がると、両副隊長である、ゼクトとイージーから、待ったの声を掛けられる。
「まぁまぁ、座って座って」
「気にするな。隊長が好きで行ったんだ。それより、『それに』の続きは何だ?」
立ち上がった状態のまま、ハインは少し前の会話を、頭の中で思い起こす。
「?……ああ、さっきのですか。別に、大した事じゃないですよ?」
「気になるから言え。それと、座れ」
「そうそう。隊長の事は放って置いても大丈夫だから、ボクも続きが聞きたいなぁ」
ハインはクラウスを追うのを諦めて、静かに着席した。
「はぁ。……実は、中には居たんですよ。既にわたしが手を上げた雇い主が、何名か」
ハインの言葉に、意外だと言う表情を浮かべる二人。
ハインの話を聞いていると、やられっぱなしと言うイメージが付き纏う為だ。
「えっ……本当に?」
イージーは、大人しそうなのに、やるなぁと思い、ゼクトもまた、納得する。
「理由……は、充分に有るだろうからな」
あまりの納得の早さに、ハインは思わず反論した。
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
蝋燭
悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。
それは、祝福の鐘だ。
今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。
カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。
彼女は勇者の恋人だった。
あの日、勇者が記憶を失うまでは……
さよなら、私の初恋の人
キムラましゅろう
恋愛
さよなら私のかわいい王子さま。
破天荒で常識外れで魔術バカの、私の優しくて愛しい王子さま。
出会いは10歳。
世話係に任命されたのも10歳。
それから5年間、リリシャは問題行動の多い末っ子王子ハロルドの世話を焼き続けてきた。
そんなリリシャにハロルドも信頼を寄せていて。
だけどいつまでも子供のままではいられない。
ハロルドの婚約者選定の話が上がり出し、リリシャは引き際を悟る。
いつもながらの完全ご都合主義。
作中「GGL」というBL要素のある本に触れる箇所があります。
直接的な描写はありませんが、地雷の方はご自衛をお願いいたします。
※関連作品『懐妊したポンコツ妻は夫から自立したい』
誤字脱字の宝庫です。温かい目でお読み頂けますと幸いです。
小説家になろうさんでも時差投稿します。
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。