ヴァインガー ~過去と未来を結ぶ絆~

カザハナ

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本編

27 職業=賞金稼ぎとは

 クラウスが、第二王女の近衛を批判した後、ハインに渡した皿へと目を向けると、その中身は全く減っていないようだ。


「そんな事よりハイン、それ、食わなかったのか?」

「はぁ、すみません」


 思わず謝るハインに、イージーが声を挟む。


「ああ、ごめん。それ、僕達の所為。ハインの所為じゃないから。僕達が話し掛けまくった所為だから。ね、ゼクト」


 イージーに話を振られたゼクトも同意する。


「ああ。お陰で確認したかった事が、確認出来た」

「確認?」


 一体何のだ?と言いたげなクラウスの前で、ゼクトがハインに話を振る。


「ハイン、護衛の経験は?」

「有ります」

「夜通しの警護は?」

「有ります」

「つまり、ハインは多少なりとも経験者だと言う事だ」


 まるで、それを確認していたかのような口振りで話すゼクト。

 言える筈も無い。やっと怒りを収めたクラウスに、先程の会話を教えよう物なら、クラウスの事だ。ハインに相手の居場所を聞き出すか、自ら城を出て、相手を探し出すに違いない。

 城を出るなとは言わないが、出来れば王城の警備が万全な時、今のようなゴタゴタしてない時にして欲しいと思っているのだろう。

 ゼクトとイージーは顔を見合わせ、それとなくイージーが話題を変える。


「そう言えば、ハインって賞金稼ぎは長いんでしょ?どのぐらいやってるの?」

「聞くな、そんな事!」


 即座にゼクトが突っ込むが、イージーはどこ吹く風だ。

「えぇ~?でも、気になるよね?隊長」

「俺に振るな。ハイン、答えなくても良いぞ」

「はぁ」


(長……くは無いんだけどなぁ……?いや、でも、長い?賞金稼ぎなんて職業は、短い人は、なったその日に死ぬ事だって有るからなぁ)

 賞金稼ぎと言う職種は、なったその日に命尽きると言う事が、数知れず。

 余程の運と腕が無ければ続ける事が出来ない職業ものだ。


「でも、ハインって不思議だよねぇ。賞金稼ぎって言う割りに、賞金稼ぎっぽく無いし、どっちかって言うと、見た目だけならそこいらの一般人と変わらないし、隊長と同等以上の腕をしてるって言うのに、知名度が無いって言うし」


 おかしな話だよねぇと、イージーが呟く。

(知名度が無い訳じゃ無いんだろうけど……)


「北部や中部地方でなら、多分、知る人ぞ、だと思いますが……。ただ、わたしの場合は、大きな大会だと、あまり出なかったので」


 その言葉に、イージーが訝しげにハインに問う。


「えっ……何で?」


 大きな大会の方が、知名度や賞品や賞金が、高くなる筈なのに???と首を傾げながらも思っていると、ハインが答えを口にする。


「大きな大会は、大抵が賞品でしたから」

「?うん?だから何?」


 再度首を傾げるイージーにハインが答えた。


「つまり、お金じゃ無いんです。品物なんか貰っても、困るだけです」

「……そういう物なの?」


 思わずゼクトに話を振ると、ゼクトは半ば呆れた声で言った。


「売れば良いだろ。売れば」


 それに反論するハイン。


「価値が判らなければ、安く買い叩かれるだけです。その上、手数料まで取られてしまうんですから」


 表情の読めない顔で、あまりにもキッパリと言い切るハインに、一同唖然とするしか無い。


「……うん。あの、ごめん。訂正するよ。君は立派な賞金稼ぎだって」
感想 37

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