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本編
65 真相
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真相を知れば知る程納得出来る事ばかりで、ハインに対し、本当に申し訳無く思うウィンザックス。
「本当に済まない。何と詫びればいいか……。許して欲しい」
「いえ、だから、許すも許さないも、わたしは全然気にしていませんし……。それ所か、わたしはてっきり貴方に首を告げられるんだとばかり思ってましたが……」
ハインの言葉にウィンザックスが驚く。
「何故首にしなければならない?感謝こそするが、首にする理由は無いぞ?」
ウィンザックスは訝しげにハインを見ながら問う。
「……普通は誤解を与える者なんて、真相がどうだろうと切り捨てますよ。後々の事を考えても、得にはなりませんから」
(それに、姫君を襲った相手は婚約者候補。候補とは言え、国益とかが絡んでいたなら、どうなるかすら分からない。あの男がこの国にとって重要ならば、わたしのした事は出過ぎた事にしかならないのだから)
ハインがそんな事を思っていると、ウィンザックスが本題を切り出した。
「……そういえば、厄介そうだったと言ったな?説明して欲しい」
ウィンザックスの言葉に、ハインは少し迷いながらも聞き返す。
「……知らない方が良いのでは?」
「……何故だ?」
ウィンザックスが眉を寄せるので、ハインは一応説明する。
「わたしが聞いたのは名前では無く身元なのですが、この国にとって、どういう位置付けなのかが分かりません。でも、貴方なら分かる筈ですから。知れば後悔するかも知れませんよ?」
ウィンザックスは、ハインの言いたい事を理解した。
だが、国の為とは言え、妹を犠牲にする気は無いウィンザックスは、ハインに再度頼み込む。
妹一人守れない者が、国なんて守れる筈も無いと思っているし、妹一人に国の命運を背負わすぐらいの国ならば、国として維持出来ないだろうとすら思っているのだ。
「知らずに後悔するよりも、知って後悔する方が良い。だからこそ頼む。妹を守る為にも教えて欲しい」
ウィンザックスの決意と覚悟を知り、ハインは口を開く。
「姫君の……婚約者候補だそうです」
「婚約者……候補……」
勿論ウィンザックスには心当たりが有る。
ただし、まだ決まっていない為、候補者は三人程いるのだ。
それを知らないハインは、ウィンザックスが考え込む姿を見て、やはり不味い相手なのだろうかと思ってしまう。
(本当はこれ以上、口出しをしない方が良いんだけどなぁ)
そう思いつつも、ここまで喋ったのだから、あの男はルナルティーザに相応しく無い事を、黙って見過ごすなんて、出来ないとハインは思った。
ハインにとって、ルナルティーザは妹のベルベッシュに似た者だ。
そんな彼女が不幸になると判り切っているに、何も知らせずにいるなんて、ハインには出来ない事だった。
「本当に済まない。何と詫びればいいか……。許して欲しい」
「いえ、だから、許すも許さないも、わたしは全然気にしていませんし……。それ所か、わたしはてっきり貴方に首を告げられるんだとばかり思ってましたが……」
ハインの言葉にウィンザックスが驚く。
「何故首にしなければならない?感謝こそするが、首にする理由は無いぞ?」
ウィンザックスは訝しげにハインを見ながら問う。
「……普通は誤解を与える者なんて、真相がどうだろうと切り捨てますよ。後々の事を考えても、得にはなりませんから」
(それに、姫君を襲った相手は婚約者候補。候補とは言え、国益とかが絡んでいたなら、どうなるかすら分からない。あの男がこの国にとって重要ならば、わたしのした事は出過ぎた事にしかならないのだから)
ハインがそんな事を思っていると、ウィンザックスが本題を切り出した。
「……そういえば、厄介そうだったと言ったな?説明して欲しい」
ウィンザックスの言葉に、ハインは少し迷いながらも聞き返す。
「……知らない方が良いのでは?」
「……何故だ?」
ウィンザックスが眉を寄せるので、ハインは一応説明する。
「わたしが聞いたのは名前では無く身元なのですが、この国にとって、どういう位置付けなのかが分かりません。でも、貴方なら分かる筈ですから。知れば後悔するかも知れませんよ?」
ウィンザックスは、ハインの言いたい事を理解した。
だが、国の為とは言え、妹を犠牲にする気は無いウィンザックスは、ハインに再度頼み込む。
妹一人守れない者が、国なんて守れる筈も無いと思っているし、妹一人に国の命運を背負わすぐらいの国ならば、国として維持出来ないだろうとすら思っているのだ。
「知らずに後悔するよりも、知って後悔する方が良い。だからこそ頼む。妹を守る為にも教えて欲しい」
ウィンザックスの決意と覚悟を知り、ハインは口を開く。
「姫君の……婚約者候補だそうです」
「婚約者……候補……」
勿論ウィンザックスには心当たりが有る。
ただし、まだ決まっていない為、候補者は三人程いるのだ。
それを知らないハインは、ウィンザックスが考え込む姿を見て、やはり不味い相手なのだろうかと思ってしまう。
(本当はこれ以上、口出しをしない方が良いんだけどなぁ)
そう思いつつも、ここまで喋ったのだから、あの男はルナルティーザに相応しく無い事を、黙って見過ごすなんて、出来ないとハインは思った。
ハインにとって、ルナルティーザは妹のベルベッシュに似た者だ。
そんな彼女が不幸になると判り切っているに、何も知らせずにいるなんて、ハインには出来ない事だった。
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