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本編
68 クラウスの正体
ルナルティーザを暫くウィンザックスの居住区へと移す事になり、部屋も守り易いようにとウィンザックスの私室の隣に決め、衣装や宝石、日常品を運ぶように指示を出す。
後に判明した事だが、ルナルティーザの近衛隊長のラズが、本来の護衛の殆どを訓練に回し、側使えにも用事を言い渡し、残った少数の侍女や使用人達は、強襲を受け、縛られ気絶させられた上で、物置として利用してる部屋に押し込められていた。
ハインに倒された男達の大半は、気絶したまま縛られ、地下牢へと運び込まれた。ただし、部屋の前に居た男は主人の男に起こされたのだろう、居なくなっていたが。
「倒れて居た男達は最近雇われ、主人の顔も知らなかったそうだ。仲介者はハインの言う部屋の前に居た男だろう。さすがに知れてる者が捕まればバレると思ったのだろう。こっちにはハインが居ると言うのに浅はかな……」
ルナルティーザが同じ部屋に居て欲しいと言うので、ルナルティーザが乱れた髪を整えてる部屋の片隅で、彼女に聴こえないように会話をするクラウスとハイン。
因みにウィンザックは、両親に事情説明をする為不在中だ。
「子供のような見た目で有るわたしの言葉よりも、自身の言葉が優先されると信じているのでしょう。もしくは、身分で優先されると思っているか、ですね」
「ウィンはルナとお前の言葉を信じるだろうがな。この事は、ウィンが陛下に伝えるだろうし、陛下も娘の貞操を無理矢理奪おうとする男と婚姻をさせるような人では無い。王妃なんて、相手の男に決闘を申し込みそうな程激怒するだろうな」
クラウスの言葉に、ハインは内心良かったと思おうとしたが、クラウスの言う王妃決闘発言には、さすがに首を傾げた。
「……王妃様が、決闘?」
「……王妃はこの国の将軍の妹で、剣術も相当な腕前だからな。元々王妃は、古参の貴族だと威張り、コネだけで伸し上がったガースが隊長になるのを反対していたんだ。それこそ隊長と名乗るからには、武術に秀でた実力者を隊長にするべきだと。何なら自身で手合わせをして、勝った者を隊長にすれば良いとまで仰っていたそうだ。さすがにそれは却下されたがな」
「……えっと、凄い方ですね」
「まぁ、ウチは武勲で数代前に貴族位を貰った新興貴族の類いだし、幾ら学友として育ち、親友とまでの信頼関係を築いていたとは言え、まさか妹が王妃に選ばれるなんて思ってもいなかったらしいからな……」
クラウスは遠い目をしながら言うが、クラウスの口から驚くべき事実が語られる。
「……ウチ?」
聞き間違いかとハインが恐る恐る聞き返す。
「ああ、まだ言って無かったな。俺は将軍の息子で、王妃は叔母、ウィンとルナの従兄に当たるんだ」
「……ああ、それで」
ハインは最初に出会った時にラズが、将軍の隠し子云々と言っていた意味を、漸く理解した。
(そう言えば、将軍に取られたくないとかも言ってたなぁ。あれは父親が隊長と同じ反応をすると解っているから、あれ程までに言い切っていたのか……)
ハインは、とんでもない人と知り合いになったなぁと、驚きを通り越して他人事のように思う事で、現実逃避をしていた。
後に判明した事だが、ルナルティーザの近衛隊長のラズが、本来の護衛の殆どを訓練に回し、側使えにも用事を言い渡し、残った少数の侍女や使用人達は、強襲を受け、縛られ気絶させられた上で、物置として利用してる部屋に押し込められていた。
ハインに倒された男達の大半は、気絶したまま縛られ、地下牢へと運び込まれた。ただし、部屋の前に居た男は主人の男に起こされたのだろう、居なくなっていたが。
「倒れて居た男達は最近雇われ、主人の顔も知らなかったそうだ。仲介者はハインの言う部屋の前に居た男だろう。さすがに知れてる者が捕まればバレると思ったのだろう。こっちにはハインが居ると言うのに浅はかな……」
ルナルティーザが同じ部屋に居て欲しいと言うので、ルナルティーザが乱れた髪を整えてる部屋の片隅で、彼女に聴こえないように会話をするクラウスとハイン。
因みにウィンザックは、両親に事情説明をする為不在中だ。
「子供のような見た目で有るわたしの言葉よりも、自身の言葉が優先されると信じているのでしょう。もしくは、身分で優先されると思っているか、ですね」
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クラウスの言葉に、ハインは内心良かったと思おうとしたが、クラウスの言う王妃決闘発言には、さすがに首を傾げた。
「……王妃様が、決闘?」
「……王妃はこの国の将軍の妹で、剣術も相当な腕前だからな。元々王妃は、古参の貴族だと威張り、コネだけで伸し上がったガースが隊長になるのを反対していたんだ。それこそ隊長と名乗るからには、武術に秀でた実力者を隊長にするべきだと。何なら自身で手合わせをして、勝った者を隊長にすれば良いとまで仰っていたそうだ。さすがにそれは却下されたがな」
「……えっと、凄い方ですね」
「まぁ、ウチは武勲で数代前に貴族位を貰った新興貴族の類いだし、幾ら学友として育ち、親友とまでの信頼関係を築いていたとは言え、まさか妹が王妃に選ばれるなんて思ってもいなかったらしいからな……」
クラウスは遠い目をしながら言うが、クラウスの口から驚くべき事実が語られる。
「……ウチ?」
聞き間違いかとハインが恐る恐る聞き返す。
「ああ、まだ言って無かったな。俺は将軍の息子で、王妃は叔母、ウィンとルナの従兄に当たるんだ」
「……ああ、それで」
ハインは最初に出会った時にラズが、将軍の隠し子云々と言っていた意味を、漸く理解した。
(そう言えば、将軍に取られたくないとかも言ってたなぁ。あれは父親が隊長と同じ反応をすると解っているから、あれ程までに言い切っていたのか……)
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