英雄王の末裔 ~赤のラファルクスと厭われ王子~

カザハナ

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秘密の逢瀬

赤のラファルクス

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 たったの一振り。そう、たった一振りだけで、多くの殺し屋と大量に投げられた武器が吹き飛ばされていく。それにより大半の殺し屋が絶命し、生き延び意識のある者は這いながら必死に逃げる。殺し屋なんて者は、常に死と隣り合わせで死に対するの恐怖感は薄いのにも関わらず。
(凄い……たった一振りで……)
 上半身だけを起こし、剣の凄さに思わず見惚れる。

「終わりか?全く……。骨のない奴等だ……」
「助かりました。強いんですね……。えっと……」

(そういえば、名前……)

「申し遅れました。私はナクラルと言います。貴方は……」
「ああ、ラファルクスだ」
「ラファルクス……いい名前ですね。名前も良ければ腕も良い。貴方程の腕ならば、色々な場所からお声が掛かるでしょう」
「まぁな……。ウザいだけだが」

 本当に嫌そうな顔を見せるラファルクス。

「変わってますね。でも……らしいかも」

 思わず表情が弛むとラファルクスも微笑んでくれる。

「ラファルクスってどこの大陸の人なんですか?」
「東だ。それよりちゃんと横になってろ」
「イファデラ大陸ですか」

 ラファルクスの言葉に甘え、横になる。

「私も……行ってみたいです。他の大陸へ……必要とされる場所へ……」
「……」

 ラファルクスが何やら思案顔を見せる。

「……お前は……自分より強い女は嫌いか?」

(何なんだ?一体)
 よくは分からないがラファルクスの質問に答えてみる。

「……いいえ?強かろうと弱かろうと、その人はその人ですし……“好き”“嫌い”は中身で決まるものでしょう?」

 私の言葉に吃驚したような顔をしたかと思ったら、いきなりラファルクスが声を上げて笑いだした。

「……くっ……くはぁ~っはっはっはっ!くっくっく……」

(何故そこまで笑う……ってか、質問したのは貴方でしょう……)

「おっ……お前、いい!最高!」

(笑いながら言われても、ちょっとも嬉しくないんですが……)

「ナクラル、お前、私のものにならないか?」

 瞳に涙を溜める程の大笑いをしながら、ラファルクスは言う。

「……は?」

(もしかして今、私は女と間違われてる?!)
 痛む頭を押さえ、一応ちゃんと言っておく。

「……私はですよ?」
「私はだ」

 ラファルクスの言葉に一瞬頭が真っ白になる。
(女ぁ?!!)
 思わず身を勢いよく起こし、再び激痛に襲われる羽目になる。

「くぅ……」

 頭がクラクラしてまた身体を横たえる私を見下ろし、またやりやがったかと言いたげに、ラファルクスは溜め息を吐いた。
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