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秘密の逢瀬
予想外な告白
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「――っつうぅ~~……。女性……だったんですか……。済みません、私はてっきり……」
「ああ、構わない。よくある事だ」
二人の間に暫し沈黙が落ちる。
「「……」」
女性を男と間違う事自体が失礼だ。私は男だが、たまにでも女性と間違われる事はあり、はっきり言って不愉快だし嬉しいと思った事はない。
「よくある事……って……どうして怒らないんですか……!」
「何でお前が怒るんだ?」
一方、ラファルクスは、わざとだし、間違う方が当たり前だろと思ってる。
「――何でって……」
ラファルクスを見れば不思議そうな顔をしている。
「……嫌じゃないんですか?」
「別に」
ケロッと返答するラファルクス。
(変な人だ……。東の大陸って、皆こんな人ばかりなのだろうか……?)
私が黙っていると、ラファルクスが問うてきた。
「それより、返事は?」
「――……え?」
(返事?)
真っ直ぐに私を見て微笑むラファルクスが、思いもよらない爆弾発言を落としてきた。
「私はお前が欲しい。だから、私のものになれナクラル」
その言葉に驚き、一気に顔が燃え上がるかの如く熱くなる。
(欲しい?私が?疎まれ、気味悪がられ、必要とされる事のない私を求めるのか?強くて、炎のように温かく、汚れなき綺麗な瞳を持つこの人が?)
――勘違いするな。私は人間じゃない。化け物は、厭われて当然なんだ――
「私なんかより……兄上達の方が良い筈です」
(言わない筈だ。私を知れば)
これまでの日々が次々と脳裏に浮かぶ。
――解っている、そんな事……知っている、昔から……なのに、どうしてこの人の言葉は、こんなにも強く、大きく心を揺さぶる?!――
一方のラファルクスはその言葉にムカついた。
(兄上達の方がいいだぁ?!)
不機嫌を隠そうともしない声音で問い返すが、ナクラルはそれに気付かない。
「お前の兄とは、そんなに良い男なのか?」
「……っ。……」
(出来れば言いたくない、知られたくない。私を欲しいと望んでくれたこの人に、厭われ、忌み嫌われるのは嫌なんだ。それに、兄上に興味を持たれるのも……)
「……剣の腕も、貴女程ではないにしろ良い方だし、頭脳も権力も――」
「良い男なのか?」
「~~~……」
――言いたくない、私とは違うと!教えたくない、私との違いを!!――
「答えてみろ。ナクラル」
「――良い男ですよ!!私なんかよりずっと!!!」
「弟を暗殺しようとする奴等が?」
追い詰められ、苛立ち紛れに声を荒げた私に、冷静にはっきりと、低く怒りを顕にしたラファルクスの声が返される。
その言葉の内容は、彼女が知る筈のない物だった。
「ああ、構わない。よくある事だ」
二人の間に暫し沈黙が落ちる。
「「……」」
女性を男と間違う事自体が失礼だ。私は男だが、たまにでも女性と間違われる事はあり、はっきり言って不愉快だし嬉しいと思った事はない。
「よくある事……って……どうして怒らないんですか……!」
「何でお前が怒るんだ?」
一方、ラファルクスは、わざとだし、間違う方が当たり前だろと思ってる。
「――何でって……」
ラファルクスを見れば不思議そうな顔をしている。
「……嫌じゃないんですか?」
「別に」
ケロッと返答するラファルクス。
(変な人だ……。東の大陸って、皆こんな人ばかりなのだろうか……?)
私が黙っていると、ラファルクスが問うてきた。
「それより、返事は?」
「――……え?」
(返事?)
真っ直ぐに私を見て微笑むラファルクスが、思いもよらない爆弾発言を落としてきた。
「私はお前が欲しい。だから、私のものになれナクラル」
その言葉に驚き、一気に顔が燃え上がるかの如く熱くなる。
(欲しい?私が?疎まれ、気味悪がられ、必要とされる事のない私を求めるのか?強くて、炎のように温かく、汚れなき綺麗な瞳を持つこの人が?)
――勘違いするな。私は人間じゃない。化け物は、厭われて当然なんだ――
「私なんかより……兄上達の方が良い筈です」
(言わない筈だ。私を知れば)
これまでの日々が次々と脳裏に浮かぶ。
――解っている、そんな事……知っている、昔から……なのに、どうしてこの人の言葉は、こんなにも強く、大きく心を揺さぶる?!――
一方のラファルクスはその言葉にムカついた。
(兄上達の方がいいだぁ?!)
不機嫌を隠そうともしない声音で問い返すが、ナクラルはそれに気付かない。
「お前の兄とは、そんなに良い男なのか?」
「……っ。……」
(出来れば言いたくない、知られたくない。私を欲しいと望んでくれたこの人に、厭われ、忌み嫌われるのは嫌なんだ。それに、兄上に興味を持たれるのも……)
「……剣の腕も、貴女程ではないにしろ良い方だし、頭脳も権力も――」
「良い男なのか?」
「~~~……」
――言いたくない、私とは違うと!教えたくない、私との違いを!!――
「答えてみろ。ナクラル」
「――良い男ですよ!!私なんかよりずっと!!!」
「弟を暗殺しようとする奴等が?」
追い詰められ、苛立ち紛れに声を荒げた私に、冷静にはっきりと、低く怒りを顕にしたラファルクスの声が返される。
その言葉の内容は、彼女が知る筈のない物だった。
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