英雄王の末裔 ~赤のラファルクスと厭われ王子~

カザハナ

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秘密の逢瀬

赤い石

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「……私が、貴女だけのものになれば……貴女も、私だけのものになりますか?」

 他の人には譲りたくない。誰にも盗られたくない!私の中の独占欲が、みるみる内に大きく膨らむ。その私の言葉にラファルクスが少し驚いたような顔をするが、口に笑みを乗せ、私を見る。

「当たり前じゃないか。何なら、血の契約を交わしてやろうか?」
「……血の契約?」

 聞いた事のない言葉に私は彼女に聞き返す。

「ああ。違えた場合、死に至るがな」

 ――つまり、互いに互いだけを欲し、求める契約。どちらかが、他の誰かを欲し、求めた場合はどちらも死ぬ、という事か――

「――構いませんよ。それで貴女が手に入るなら。寧ろ、私にとっては好都合です」

 ――他の誰のものでもない、私だけのもの――
 もし、彼女が私に飽きたとしても、彼女は私以外を求められない。他の誰にも盗られる心配はない訳だ。そんな契約が出来るなら、今直ぐにでも交わしたいぐらいだ。

「……じゃあ、これをやる」

 ラファルクスが、懐に隠れた何かを握り締めた動作をしてから、首に掛かる紐を取り首から外す。それは赤い石の付いた首飾りだった。
 その石を私の首に掛けるラファルクス。

「今はまだ、血の契約は交わせないが、これはその代用だ。これは私が認め、預けた者しか持てない。本当なら今直ぐお前を連れ去りたいが、お前は精霊と人の子だろ。同じヘグルス(※重力)かそれより軽い場所ならいいが、私のいる東はヘグルスが重い。成人を過ぎていれば存在が揺らぐ事はないが、15のお前だとヘグルス変換機器を持っていても存在が揺らぐ。だから……5ティファル(※5年)経ってお前が成人になったら……」

 ラファルクスが燃える炎のような瞳で私を見る。

「それでも私が欲しいなら」

 その言葉に胸が高鳴る。
(ああ、どうしても、今直ぐ彼女が欲しい!)

「何もかも捨てて、東へ来い」

 手が動き、彼女の腕をソッと捉える。力はそれ程入っていないので、ラファルクスは気にならなかった。

「その時、お前は私のものとな――?!」

 ラファルクスを力一杯引っ張ってその唇を塞ぎ、奪う。
 ――5ティファルも待てと言われたんだ。これぐらい……味わう権利ぐらいは許して欲しい――
 腕にある体温、唇に感じる柔らかさ、彼女の存在が私の生きる意味となる。ラファルクスがいるのなら、彼女が私を欲するのなら、私は彼女の為だけに生き、彼女に全てを捧げる為に、死なずに生き続ける事が出来る。

「――必ず、貴女を手に入れてみせる」
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