79 / 805
本編
27
しおりを挟む
いつも通りで良いなら、醜い表情を晒さなくて済む分、気は楽だが、エドワルド狙いの女性は多い筈。
(わたくしのような者がエドワルド様の婚約者になって、本当に大丈夫なのでしょうか?わたくしは男女共に嫌われているので同性のお友達には縁がなかったと諦めも付きますが、エドワルド様の評判はがた落ちするのでは?!)
リラが急に顔を青ざめさせたので、どうしたのかと見守っていると、
「どどどど、どうしましょう?!わたくしと婚約なんてすれば、エドワルド様が悪く言われます?!わたくし自身が嫌われるのは慣れていますが、わたくしの所為でエドワルド様が悪く言われるのは嫌です!」
リラが慌てた様子で、そんな事を言い出した。
(何故、こう、一々言う事が可愛いのか……。どこまで私を夢中にさせれば気が済む気だ?反則級の可愛さだろう!連れて帰りたい、連れて帰りたい、連れて帰りたい、連れて帰りたい!!)
リラの言葉に内心悶えまくってると、ジーンが的確な突っ込みを入れて来る。
「……連れて帰らないで下さいね?リラはまだ、エヴァンス家の人間ですから」
「では、今直ぐ書類を揃えてくれば、問題は無いですね」
「大有りですよ。ウエディングドレスはどうするつもりですか?僕はリラに幸せになって貰いたいので、妥協は一切しませんよ?」
「それならば、花嫁修業として預かりますよ」
「そんな事して子供が先に出来たなら、リラが陰口を叩かれるじゃないですか。貴方はこんな可愛いリラを手元に置いて、手を出さないと誓えますか?」
「無理ですね」
キッパリ断言するエドワルド。
(ももも、持ち帰らないで下さい!!と言うか、何故そんな事に!?)
「ですから、何故そんな話になっているのですか?!こここ、子供なんて出来たなら、わたくしだけで無く、エドワルド様にも批判の声が向きますわよ?!その子供にだって後々迷惑を掛けてしまうじゃないですか!」
顔を真っ赤にして言い放つリラ。
根本的にズレているリラに、言う事はそれか?と男二人は思う物の、可愛過ぎるので良しとする。
「わたくしは何と言われようと問題ありませんが、エドワルド様は違います!人望も厚く、頗る評判の良いエドワルド様がわたくしの所為で悪く言われるのは嫌です!多くの女性が憧れ、結婚を望むような方なのに、わたくしとの婚約で、悪趣味だなんて言われたらーー」
「その程度で落ちる人望なら最初から無い方がマシです。私は貴女を取るか評価を取るかと問われたならば、迷わず貴女を取りますよ」
(そんな事で婚約を取り消せると思っているなら大間違いだ)
無意識だろうと退路は作らせない。エドワルドは笑顔で威圧を掛けながらそう思うのであった。
(わたくしのような者がエドワルド様の婚約者になって、本当に大丈夫なのでしょうか?わたくしは男女共に嫌われているので同性のお友達には縁がなかったと諦めも付きますが、エドワルド様の評判はがた落ちするのでは?!)
リラが急に顔を青ざめさせたので、どうしたのかと見守っていると、
「どどどど、どうしましょう?!わたくしと婚約なんてすれば、エドワルド様が悪く言われます?!わたくし自身が嫌われるのは慣れていますが、わたくしの所為でエドワルド様が悪く言われるのは嫌です!」
リラが慌てた様子で、そんな事を言い出した。
(何故、こう、一々言う事が可愛いのか……。どこまで私を夢中にさせれば気が済む気だ?反則級の可愛さだろう!連れて帰りたい、連れて帰りたい、連れて帰りたい、連れて帰りたい!!)
リラの言葉に内心悶えまくってると、ジーンが的確な突っ込みを入れて来る。
「……連れて帰らないで下さいね?リラはまだ、エヴァンス家の人間ですから」
「では、今直ぐ書類を揃えてくれば、問題は無いですね」
「大有りですよ。ウエディングドレスはどうするつもりですか?僕はリラに幸せになって貰いたいので、妥協は一切しませんよ?」
「それならば、花嫁修業として預かりますよ」
「そんな事して子供が先に出来たなら、リラが陰口を叩かれるじゃないですか。貴方はこんな可愛いリラを手元に置いて、手を出さないと誓えますか?」
「無理ですね」
キッパリ断言するエドワルド。
(ももも、持ち帰らないで下さい!!と言うか、何故そんな事に!?)
「ですから、何故そんな話になっているのですか?!こここ、子供なんて出来たなら、わたくしだけで無く、エドワルド様にも批判の声が向きますわよ?!その子供にだって後々迷惑を掛けてしまうじゃないですか!」
顔を真っ赤にして言い放つリラ。
根本的にズレているリラに、言う事はそれか?と男二人は思う物の、可愛過ぎるので良しとする。
「わたくしは何と言われようと問題ありませんが、エドワルド様は違います!人望も厚く、頗る評判の良いエドワルド様がわたくしの所為で悪く言われるのは嫌です!多くの女性が憧れ、結婚を望むような方なのに、わたくしとの婚約で、悪趣味だなんて言われたらーー」
「その程度で落ちる人望なら最初から無い方がマシです。私は貴女を取るか評価を取るかと問われたならば、迷わず貴女を取りますよ」
(そんな事で婚約を取り消せると思っているなら大間違いだ)
無意識だろうと退路は作らせない。エドワルドは笑顔で威圧を掛けながらそう思うのであった。
97
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる