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SS置き場
お気に入り3500人突破記念♪感謝のSS ~嵐のような訪問者~
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リラとエドワルドが結婚して数ヶ月が経った頃、エドワルドと共に、休日をのんびりと過ごしている時、訪問者が訪れた。
ダンに来客だと言うのだ。
「ダンに来客だなんて、珍しいわね?どなたかしら?」
ダンに客と言われても、ピンと来ないリラは首を傾げる。
今までダンを訪ねて来た者と言えば、マーウィンに気に入られたダンを、引き抜こうとした貴族達だが、リラはそれ自体知らないので、エヴァンス家の関係者だろうかと思っていると、応対した使用人がダンを見ながら言う。
「ダンさんのお姉さんとお兄さんですかね?お姉さんの方は、ダンさんに凄く似てましたよ」
「姉?」
ダンから姉がいるとは聞いた事の無かったリラが、首を傾げる。
「待て。そりゃあ姉じゃねぇよ、お袋だ。序でに言うと、もう一人も親父だろ」
「えっ、まさか!!?」
応対した使用人が、ダンの言葉を疑っているが、ダンに兄弟姉妹はいない上に、親戚もいないダンは、両親以外に心当たりは無いのだ。
そんなダンを見て、リラはダンにキラキラとした目を向ける。
「ダン、わたくし、ダンの両親に会ってみたいわ。ここにお招きしても構いませんか?そのっ……だっ、旦那様!」
まだエドワルドに対する旦那様呼びに慣れていない為に、顔を赤く染め上げながら呼ぶリラを、愛しげに見るエドワルド。
「ああ、勿論だ。ここに案内させよう。ダンも良いだろう?」
「あー……まぁ、そりゃあ構わねぇが、ウチの親にマナーだ何だと求めんで下さいよ?」
ダンの念押しに、何を今更と思うものの、一応頷き、応対した使用人に連れてくるよう指示を出す。
そうして連れて来られたダンの両親を見て、皆が目を疑う。どう見ても四十代ぐらいにしか見えない小柄な女性と、大柄の男性が入ってきたからだ。
「初めまして、ダンの母親のミーシャと言います。息子がいつもお世話になっております」
「父親のマルクスです。お前、よくこんな家位の高い貴族に仕える事が出来たな……」
「まぁ、成り行きってやつだ。俺も貴族に仕えるなんて、思いもしなかったからなぁ~」
「元気そうで何よりだ」
マルクスがダンに微笑む。
「お袋と親父が態々俺を訪ねて来たって事は、やっとこっちで暮らす気になったって事か?」
ダンの言葉を聞いて、ミーシャが勢い良く首を振る。
「まさか!あたし達は旅が生き甲斐なのよ。一ヵ所に留まるなんて、性に合わないわ!」
「年を考えようや、年を。あんた等もう、六十だろ。大人しく息子の世話になれや」
「嫌よ!ダンが子供の頃、同じ国に十年間も住んでたのよ?それだけ我慢したんだから良いじゃない!心配しなくても大丈夫よ。マルクスもあたしもまだまだ現役なんだから♪」
「こう言ってるし、ミーシャの気が済むまで付き合うから、まだお前の世話になる事が出来ないんだよ。すまんな」
「じゃあ何しに来たんだよ?」
「勿論ダンに会うためよ!会いたくなったから来ちゃった♥」
「相変わらずの自由人だなぁ……」
「それが若さの秘訣よ!人生楽しまなくっちゃね♪」
「聞いてねぇよ。それで、いつまでいるんだ?」
「気が済むまで?それまでよろしく~♪」
クルルフォーン邸に居た者達は、ダンの母親に対し、嵐のような人だなぁと内心思うのだった。
*****
※いつも有難う御座います!最近タブレットから、タブレットとしても使えるパソコンに買い替え中なのですが、感想コメで使用してた絵文字の出し方に苦戦してます(泣)
今回は優雅さんからのリクを書かせて頂きました♪
思った以上に進まず、時間が掛かってしまいましたが、こんな感じでいかがでしょうか⁈
優雅さん、リク有難う御座いました~!!
皆様にお楽しみ頂けたら幸いです♪♪♪
ダンに来客だと言うのだ。
「ダンに来客だなんて、珍しいわね?どなたかしら?」
ダンに客と言われても、ピンと来ないリラは首を傾げる。
今までダンを訪ねて来た者と言えば、マーウィンに気に入られたダンを、引き抜こうとした貴族達だが、リラはそれ自体知らないので、エヴァンス家の関係者だろうかと思っていると、応対した使用人がダンを見ながら言う。
「ダンさんのお姉さんとお兄さんですかね?お姉さんの方は、ダンさんに凄く似てましたよ」
「姉?」
ダンから姉がいるとは聞いた事の無かったリラが、首を傾げる。
「待て。そりゃあ姉じゃねぇよ、お袋だ。序でに言うと、もう一人も親父だろ」
「えっ、まさか!!?」
応対した使用人が、ダンの言葉を疑っているが、ダンに兄弟姉妹はいない上に、親戚もいないダンは、両親以外に心当たりは無いのだ。
そんなダンを見て、リラはダンにキラキラとした目を向ける。
「ダン、わたくし、ダンの両親に会ってみたいわ。ここにお招きしても構いませんか?そのっ……だっ、旦那様!」
まだエドワルドに対する旦那様呼びに慣れていない為に、顔を赤く染め上げながら呼ぶリラを、愛しげに見るエドワルド。
「ああ、勿論だ。ここに案内させよう。ダンも良いだろう?」
「あー……まぁ、そりゃあ構わねぇが、ウチの親にマナーだ何だと求めんで下さいよ?」
ダンの念押しに、何を今更と思うものの、一応頷き、応対した使用人に連れてくるよう指示を出す。
そうして連れて来られたダンの両親を見て、皆が目を疑う。どう見ても四十代ぐらいにしか見えない小柄な女性と、大柄の男性が入ってきたからだ。
「初めまして、ダンの母親のミーシャと言います。息子がいつもお世話になっております」
「父親のマルクスです。お前、よくこんな家位の高い貴族に仕える事が出来たな……」
「まぁ、成り行きってやつだ。俺も貴族に仕えるなんて、思いもしなかったからなぁ~」
「元気そうで何よりだ」
マルクスがダンに微笑む。
「お袋と親父が態々俺を訪ねて来たって事は、やっとこっちで暮らす気になったって事か?」
ダンの言葉を聞いて、ミーシャが勢い良く首を振る。
「まさか!あたし達は旅が生き甲斐なのよ。一ヵ所に留まるなんて、性に合わないわ!」
「年を考えようや、年を。あんた等もう、六十だろ。大人しく息子の世話になれや」
「嫌よ!ダンが子供の頃、同じ国に十年間も住んでたのよ?それだけ我慢したんだから良いじゃない!心配しなくても大丈夫よ。マルクスもあたしもまだまだ現役なんだから♪」
「こう言ってるし、ミーシャの気が済むまで付き合うから、まだお前の世話になる事が出来ないんだよ。すまんな」
「じゃあ何しに来たんだよ?」
「勿論ダンに会うためよ!会いたくなったから来ちゃった♥」
「相変わらずの自由人だなぁ……」
「それが若さの秘訣よ!人生楽しまなくっちゃね♪」
「聞いてねぇよ。それで、いつまでいるんだ?」
「気が済むまで?それまでよろしく~♪」
クルルフォーン邸に居た者達は、ダンの母親に対し、嵐のような人だなぁと内心思うのだった。
*****
※いつも有難う御座います!最近タブレットから、タブレットとしても使えるパソコンに買い替え中なのですが、感想コメで使用してた絵文字の出し方に苦戦してます(泣)
今回は優雅さんからのリクを書かせて頂きました♪
思った以上に進まず、時間が掛かってしまいましたが、こんな感じでいかがでしょうか⁈
優雅さん、リク有難う御座いました~!!
皆様にお楽しみ頂けたら幸いです♪♪♪
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