氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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「リラも当事者だから、連れて行ってあげたいけど、侯爵がリラにすがりそうで嫌なんだよね。リラも嫌だろう?脂ぎったあの侯爵スケベオヤジに手を握られるとか、足に縋られるとか」

「ぃいっ、嫌です気持ち悪い!!行きたくないです!絶対嫌ぁ~っ!!」


 思わずリラが傍にいたエドワルドにしがみ付くので、エドワルドは抱き締め、その背中を撫で続ける。

 実際あのラガート侯爵ならやり兼ねない。高い権力や金にはひざまずき、下位の者達には嘲笑う様な人種だ。

 どれ程可愛かろうが、礼儀や躾のなっていない娘等、高位の者達が喜ぶ筈もないと言う事に気付かず、娘を大々的に宣伝していたのだ。

(……?スケベオヤジ?)


「ラガート侯爵は、リラ嬢に何かをしたのですか?」

「したと言うか、偶然鉢合わせた夜会で、リラを上から下まで舐めるように視姦して、何かあったら頼って来なさいとか言ってたらしいよ?」


 ジーンはどす黒い笑顔を浮かべる。

 因みに、視姦していたと言うのは、エヴァンス家の使用人達談で、リラは気持ちの悪い視線を送って来たかと思えば、頼れ発言で、愛人候補に入れられた事に気付いたと話していた。

 娘を溺愛し、可愛がってはいるが、秘密の愛人があちこちにいるらしいから、特に気を付けろと使用人達に言われていたのだ。


「その夜会で、無理矢理手を握って来たので断りましたけど、思い出したくないぐらいに気持ち悪かったですぅ~!もっと綺麗な人が沢山いたのに、平凡なわたくしじゃなくても良いじゃないですかっ!そもそも、子供と同じデビューの小娘を、愛人候補に入れないで下さい!!」


(愛人候補……。私のリラを愛人候補に……ね)


「さすがに私もまだ、次期侯爵なので、現侯爵に手を出せずにいたけれど、父が激怒しましてね。のらりくらりとする相手なので、違う方向性で攻めれば良いと教わりました。彼の愛人達の居場所も掴んでいますよ。後、借金が嵩んで火の車状態ですが、愛人達も奥方も知らないでしょう。儲かりもしない事業を作り、儲かりもしない事業の支援を散々してきたようですからね」


 その噂を流したのはエヴァンス家の使用人達だが、怪しむ事無く易々と手を出したのは彼の落ち度だ。

 それに、その事業自体はとても良い物だ。エヴァンス領内でも取り入れているが、儲ける為の物では無い。領内を、領民達を育て上げる為の物である。長期的に見れば、領内が潤い、領民達が潤うが、下調べや専門家と言った長い下積みが必要な物なのだ。その為、下積みも知識も無い者が事業にすべき物では無い。

 そんな事も解らずに安易に手を出したが為に、上手く行く所か失敗に失敗を積み重ね、借金が膨れ上がったのだ。
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