氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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 蜜を舐め取り、リラの背中のボタンをご機嫌な様子で留めていったエドワルドの腕の中へとそのまま収められてしまったリラが、ふと、自分の臀部に当たっていた熱を思い出し、エドワルドは大丈夫なのかと窺い見る。


「どうしたの?何か言いたい事が有るなら、言ってご覧?」

「あっ、あの……エドワルド様は、そのっ、大丈夫、なのですか?」


 リラが目を泳がせて顔を赤く染めるので、大体の察しは付くが、それをリラが聞く事で、エドワルドが煽られる事になる事までは、分からないのだろうなと思いながらも、その問いに答えるエドワルド。


「まぁ、あまり大丈夫とは言い難いけれど、私には、最強の呪文が有るから耐えられる」

「最強の、呪文……?」

「ダンに、今度私が暴走したら、女装したマッドに親愛のハグをさせるぞと、脅された。リラ以外の女性に近寄られるのも嫌だと言うのに、マッドに親愛のハグなんて絶対に阻止したいから、暴走したらマッドが来る、と唱える事にしたけれど、それが予想以上に効いていた」

「……ふふふっ、エドワルド様ったら」


 リラが、エドワルドの冗談なのだろうと思い込み、おかしそうにクスクス笑っているが、冗談では無く事実である。エドワルドはこの呪文によって、理性を失わずに済んだのだから。


「リラは外に出られない状態が続いているけれど、大丈夫?辛くはない?」

「わたくし、王都では王立図書館ぐらいしか行きませんので、問題は無いです。新しい本が読みたくなれば、使用人達に頼んで行って貰えますし、今はマッド達のドレス作りに参加したり、部屋で刺繍したり、時折ダンの整える庭にも行きますし、お茶会や夜会は苦手なので、極力参加したくはありません」

「私もリラを、極力茶会や夜会に参加させたくは無いな。王宮主催の茶会をたまに見掛けるが、男漁りの成果や自慢、流行のドレスや装飾、ゴシップの噂が殆どだ。きっと今は、私達の噂を面白おかしく流している事だろう」


 友好的な物ばかりなら良いが、中には悪意満載の物まであるだろう。まぁそれについては、エヴァンス家の使用人達があちこち潜り込んで調査していると、ジーンから聞いているので、情報が入り次第、黒幕共々制裁を下すつもりだ。

 リラがどこの茶会にも殆ど参加しないのは、今に限った事では無いし、参加すればするで、リラにどうやってエドワルドを落としたのか等、色々聞き出そうと虎視眈々と狙うだけで無く、あわよくばエドワルドとの仲に入り込んで、横取りしようと企みそうだ。

(どれ程、外見や中身を取り繕っても、リラ以外に興味は持て無いと言うのに……。そんな連中を相手にする時間を作るぐらいなら、仕事をしている方が断然良い)

 リラを抱えながら、エドワルドはつくづくそう思った。
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